【個人開発】ローカルLLMと連携して、PCの作業コンテキスト(文脈)を一瞬で保存・復元するWindowsアプリを作った
開発中、「あれ、どこまでやったっけ?」と記憶が飛んでしまうことはありませんか?
たとえば、自作のAIエージェント(ClawdbotやAntigravityなど)の挙動テストを回しながら、裏でローカルLLMの検証を行い、さらにブラウザでAPIリファレンスのタブを大量に開いているような状況。
そんな極限状態のときに限って、Slackで別の確認依頼が飛んできたり、急なMTGが入ったりします。
数十分後、元の作業に戻ってきたときには**「どのタブを見ていたのか」「クリップボードに何をコピーしていたのか」**といった作業の文脈(コンテキスト)が完全に失われ、思い出すだけで甚大な認知負荷と時間を消費していました。
この「コンテキストスイッチによる生産性低下」を技術で力技で解決するため、**PCの今の状態を1ショートカットで全保存し、AIで要約し、1クリックで復元するアプリ『ThreadKeeper』**を開発しました。
挙動のデモ(まずはこれを見てください)
公式サイト:https://www.thethread-keeper.com/
3つのコア機能
1. Ctrl + Shift + S で瞬時にスキャン
作業を中断しなければならない時、ショートカットキーを押すだけです。
- 開いているアプリのウィンドウ
- ブラウザ(Chrome等)のタブ一覧
- クリップボードの内容(先頭200字)
- 最近使ったファイル
これらを一瞬でローカルにキャプチャします。
2. AIによる「今何してたか」の自動要約
キャプチャしたウィンドウのタイトルやタブの情報から、AIが「このセッションで何をしていたか」を推測して自動でタイトルをつけてくれます。
「YouTubeで〇〇を見ながらGeminiで調査していた」といった具合です。
3. ワンクリックで完全復元
後から一覧を開き「復元する」ボタンを押すだけで、キャプチャ時のアプリの起動からブラウザタブの再展開までを自動で行い、あの時の環境をそのままデスクトップに蘇らせます。
技術的なこだわり:完全ローカル&Ollama対応
今回、絶対に譲れなかったのがセキュリティとプライバシーです。
開発中のコンテキストには、社外秘のコードやAPIキーが画面上に含まれている危険性があります。そのため、状態を記録したデータはクラウドには一切送信せず、すべてPC内のローカル(%APPDATA%)にJSONとして保存する設計にしました。
さらに、AI要約機能についても、GeminiやClaude、OpenAIのAPI(BYOK形式)だけでなく、ローカルLLM(Ollama)に完全対応させています。
Ollama(llama3.2やqwen2.5等)を使用すれば、完全にオフラインで、一切のデータを外部に出すことなくコンテキストの要約と保持が可能です。プライバシーを気にするギークな方でも安心して使えます。
正直な告白(SmartScreen警告について)
本アプリはMITライセンスの完全無料・オープンソースとして公開しています。
個人開発の初期リリースのため、年間数万円〜10万円ほどかかるWindowsのコード署名証明書(EV証明書など)の導入を見送っています。そのため、初回起動時にWindowsのSmartScreen警告(青い画面)が表示されてしまいます。
「詳細情報」→「実行」をクリックすることで問題なくお使いいただけますが、少しでも不安な方は、裏口等が一切ないことを確認できるようソースコードをすべてGitHubで公開していますので、そちらをクローンしてビルドしていただくことも可能です。
おわりに
割り込みタスクへの恐怖をなくし、いつでも「あの時の自分の思考」に戻れる安心感は、一度味わうと手放せなくなります。
ローカルLLMで日々遊んでいる方、AIエージェント開発などでタブが散らかりがちなエンジニアの方にぜひ触ってみてほしいです。
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