※以下の企画です
今回は「消費者態度(Attitude)」の構造についての内容に入ります。
それでは頑張ります〜
消費者態度のABCモデル(Solomon 2011)
まずは、態度が何で構成されているかを示す「ABCモデル」が紹介されていました。
ソロモン(Solomon)によると、態度は以下の3つの要素から成り立っているとされています。
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A (Affect):感情
- 「好き」「嫌い」といった情動的な反応
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B (Behavior):行動(行動意図)
- 「買う」「使う」「捨てる」といった行動、またはそうしようとする意図
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C (Cognition):認知
- 「燃費が良い」「画面が綺麗」といった知識や信念
3つの要素の順番(効果の階層)
面白いのは、このA・B・Cの 「発生する順番」 によって、消費者の心理状態(関与度)が変わるという点です。
1. 標準的学習階層(C → A → B)
認知 → 感情 → 行動
「よく調べて(C)、好きになって(A)、買う(B)」というパターンです。
家や車、PCなど、高額で失敗したくない(高関与な)買い物で発生するプロセスです。合理的な意思決定フローですね。
2. 低関与階層(C → B → A)
認知 → 行動 → 感情
「とりあえず知ってるから(C)、買ってみて(B)、後から好き嫌いを判断する(A)」パターンです。
コンビニのお菓子や日用品など、失敗してもダメージが少ないときはこのフローになります。「まずは無料トライアル」もこれに近いかもしれません。
3. 経験的階層(A → B → C)
感情 → 行動 → 認知
「なんかエモいから(A)、買った(B)。理由は後付け(C)」というパターンです。
衝動買いや、デザイン重視のプロダクトで発生します。
広告を打って、いわゆる潜在層に響くときは上記階層の「経験的階層」にあたるかなと思いました。
顕在層であれば低関与階層かな?
フィッシュバイン多属性態度モデル
次は、態度を数式で表そうとした「フィッシュバインモデル」です。
これは 「重み付き評価関数」 そのものです。
対象物($O$)に対する態度($A_o$)は、以下の式で決まるとされます。
$$
A_o = \sum_{i=1}^{n} b_i e_i
$$
- $A_o$ (Attitude):対象への全体的な態度(評価スコア)
- $b_i$ (Belief):属性 $i$ をその商品が持っていると信じる強さ(確率/強度)
- $e_i$ (Evaluation):属性 $i$ に対する評価(重要度/重み)
- $n$:考慮する属性の数
具体例:PCの購入
例えば新しいMacBookを買うときの態度スコアを計算してみます。
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軽さ($i=1$):
- $e_1$(重要度):持ち運ぶから超重要(+3点)
- $b_1$(信念):MacBook Airは軽い(+3点)
- $b_1 e_1 = 9$
-
価格($i=2$):
- $e_2$(重要度):安い方がいい(+2点)
- $b_2$(信念):MacBookは高い(-2点)
- $b_2 e_2 = -4$
総合スコア($A_o$) = $9 + (-4) = 5$
マーケティングへの応用
この数式から、消費者の態度(スコア)を変えるには3つのアプローチしかないことがわかります。
- 信念($b$)を変える:「実は今のMacBookはコスパがいいんです(高いという信念の修正)」
- 重要度($e$)を変える:「価格よりも、リセールバリューの方が大事ですよ(評価軸の変更)」
- 新しい属性($i$)を追加する:「実はApple Intelligenceが使えるのはこれだけです(新機能の提案)」
プロダクトの強みがユーザーの重要視するポイント($e$)とズレていると、いくら性能($b$)を上げてもスコアが伸びない、という悲しい事故を説明できるモデルです。
ただし、**これだけで消費者の購買行動が決まるとはさすがに言えないよね?**となって改良されたものが「行動意図モデル」というものです。これは次回記事にします。
まとめ
今回は「態度」の構造についてまとめました。
- 態度は感情・行動・認知の3要素(ABC)でできている
- 商材によって「好き」が先か「知る」が先か、順番が変わる
- 態度は「信念(スペック)」×「重要度(ニーズ)」の総和で計算できる(フィッシュバインモデル)
特にフィッシュバインモデルは、仕様選定のトレードオフを考えるときと全く同じ思考回路だったので親近感が湧きました。
それでは、また明日!