※以下の企画です
今回は「記憶」の内容に入ります。
それでは頑張ります〜
記憶のメカニズム
二重貯蔵庫モデル(Atkinson & Shiffrin 1968)
記憶の研究で最も基礎的なモデルが、アトキンソンとシフリンによる「二重貯蔵庫モデル(Dual-Store Model)」だと記載されていました。
彼らは記憶を以下の3つのプロセスで説明しました。
- 感覚記憶 (Sensory Memory): 視覚や聴覚から入ってきた情報が、一瞬だけ(数秒以内)保持される場所
- 短期記憶 (Short-term Memory): 感覚記憶の中から「注意」を向けた情報だけが転送される場所。容量に限界がある
- 長期記憶 (Long-term Memory): 短期記憶からリハーサル(復唱など)を経て定着する、半永久的な保管場所
これ、エンジニア的に翻訳すると完全にこれですよね。
- 感覚記憶 $\approx$ 入力バッファ(入力された生データ)
- 短期記憶 $\approx$ メインメモリ(RAM)(作業領域、電源切ると消える、容量少ない)
- 長期記憶 $\approx$ ストレージ(SSD/HDD)(永続化されたデータ)
人間もPCも、すべての入力を保存していたらストレージがパンクするので、「注意(Attention)」というフィルタを通して重要なものだけをCOMMIT(長期記憶化)しているわけです。
スキーマとステレオタイプ
長期記憶に保存される情報は、バラバラに置かれるのではなく、関連する情報同士がネットワーク状に整理されて保存されます。この知識の構造をスキーマと呼びます。
例えば「エンジニア」という単語から、「理系」「チェックシャツ」「PC」「黒い画面」みたいな連想が繋がっている状態です。
これが特定の集団に対する固定観念として固着したものがステレオタイプです。
新しい情報を学ぶとき、既存のスキーマ(前提知識)に関連付けると覚えやすいのは、脳内のインデックスが貼られやすいからですね。
また、必ずしもステレオタイプ=悪い偏りではなく、例えば日本製の製品は壊れにくいみたいなスキーマもあったりすると思うので、これは別に悪いものではないですよね。
意識と無意識の処理
サブリミナル効果の嘘と誠
よく「映画のコマの間にコーラの画像を挟むと、無意識にコーラが飲みたくなる」という話を聞きますが、これは1957年にジェームズ・ビッカリが行った実験です。
しかし、このサブリミナル効果(閾下知覚)、後の再現実験で効果が確認されず、ビッカリ自身も捏造を認めています。 知らなかった。
「見えないレベルの刺激で人を操る」というのは科学的には否定されています。
ただ、サブリミナルが何らかの影響を与えるとは思うので「嘘」と書くのは言い過ぎかも?
プライミング効果
一方で、認められているのがプライミング効果(先行刺激) です。
サブリミナルとは違い、「見えている(知覚できる)情報」が、後の判断に影響を与える現象です。
例えば、Webサイトで「高級感のあるフォントや色使い」を先に見せておくと、その後の商品の価格が高くても「品質が良いからだ」と納得しやすくなる、といった具合です。
先行するコンテキスト(文脈)が、情報の解釈処理にバイアスを掛けるわけです。
これはweb広告業界にいると実感する効果で、広告画像や動画でユーザーの気持ちを動かしてから、遷移先のLPなどで締めにかかるような導線設計はよくやります。
・・・まぁちょっとそれが厳密にプライミング効果とイコールになっているかは怪しいですが。
まとめ
今回は「記憶」をテーマに、情報の入力から定着までのプロセスをまとめました。
- 人間もPCと同じく、入力(感覚)→メモリ(短期)→ストレージ(長期) の構造を持つ
- 見えない操作(サブリミナル)は効かないが、文脈(プライミング) は効く
まだまだ整理しなければいけない+深掘りしたい内容もあるので、「記憶」の内容はもう少し続きます。
それではまた明日!