0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

【アドベントカレンダー2025】#7 記憶と購買心理②

0
Last updated at Posted at 2025-12-07

※以下の企画です

今回は「記憶」の内容の続きになります。

それでは頑張ります〜

記憶のメカニズム

情報処理の4段階(Greenwald & Leavitt 1984)

グリーンワルドとレビットは、広告の関与度(どれくらい真剣に見るか)によって、記憶の処理レベルを4段階に分けました。

  1. 前注意処理 (Preattentive Analysis): 無意識レベル。背景処理
  2. 焦点的注意 (Focal Attention): パッと目がいく。何が書いてあるか認識する
  3. 理解 (Comprehension): 内容やメッセージを理解する
  4. 精緻な推論 (Elaboration): 内容について自分の知識と照らし合わせて深く考える

ユーザーがWeb広告を見るとき、いきなり「4. 推論」はしてくれません。まずは「1. 前注意」の段階で、「自分に関係ありそうか?」 を直感的にフィルタリングされ、そこを突破しないと中身を読んでもらえない(Main Memoryに乗らない)という構造になっています。

脳の特性と広告配置

右脳と左脳(Janiszewski 1990)

ジャニスキーの研究によると、人間の脳は左右で得意な処理が異なります。

  • 左脳:言語的・論理的処理が得意
  • 右脳:視覚的・空間的処理が得意

そして重要なのが、「右視野の情報は左脳へ、左視野の情報は右脳へ」 とクロスして入力される点です。

これを応用すると、以下の配置が「脳にとって処理しやすい(負荷が低い)」ことになります。

  • 画像の右側にテキスト $\rightarrow$ テキストは右視野(左脳=言語野)へ
  • テキストの左側に画像 $\rightarrow$ 画像は左視野(右脳=視覚野)へ

バナー広告などで、なんとなく「右に文字、左に写真」のレイアウトが多いのは、生理学的にも理にかなっていたようです。

単純接触効果の正体(Zajonc 1980)

「会えば会うほど好きになる」で有名なザイエンスの単純接触効果
これ、単に「情が移る」という話ではなく、情報処理の観点から説明されていました。

  1. 何度も同じ刺激に触れる
  2. 脳がその情報の処理に慣れる(処理の流暢性が高まる)
  3. 「スラスラ処理できる」という感覚を、脳が「これは良いものだ(好意・親近感)」と誤帰属する(知覚的流暢性誤帰属説

広告にもフリークエンシーという、ユニークユーザーあたりに何回同じ広告が当たったかを表す指標があります。
一般的にこれが高すぎると「広告効果が薄まる」とされていますが、これはどうなんだろうなぁとも思いました。ちょっとこれは個人的に色々検証してみよう。

まとめ

今回も人間の「記憶・脳の仕様」について深掘りしました。

  • 情報処理の段階: ユーザーはいきなり深い思考(推論)はしてくれない。まずは「前注意」のフィルタを突破する必要がある
  • 脳のクロス処理: 画像は左、テキストは右に置くと、脳のハードウェア的に処理負荷が低い
  • 単純接触効果のロジック: 「慣れ(処理の流暢性)」を「好き」とバグ認識(誤帰属)している

特に「流暢性が高い=好意」という誤帰属の話は、UIデザインでも「使い慣れたUIが正義(メンタルモデルに合致する)」とされる理由に通じそうです。
「脳に負荷をかけない設計」がいかに重要か、改めて感じさせられました。

それでは、また明日!

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?