Claude Codeに「Skill(Agent Skills)」を入れている人が、ここ数ヶ月で一気に増えた。公式が配っているものから個人が公開しているものまで、選択肢は数十個どころではない。「とりあえず全部入れればいいのか」「どれが定番なのか」が分からず、結局そのままにしている人も多いはずだ。
この記事では、Anthropic公式のSkill 19個と、世界で実際にインストールされている人気のコミュニティ製Skill 20個を、それぞれ日本語の一言説明つきで一覧にした。合計39個。上から順に眺めれば、「いま何が揃っていて、自分はどれを入れるべきか」の見当がつくはずだ。
そもそもSkillとは
Skillを一言で言うと、Claude Codeに「特定の作業手順・ノウハウ」をフォルダ単位で教えておく仕組みだ。「PDFを扱うとき」「フロントエンドを実装するとき」のように、必要な場面だけ呼び出される手順書に近い。
よく混同される3つを整理しておく。
- CLAUDE.md:プロジェクト全体に常時効く前提指示(土台)
- MCP:外部ツールやAPIそのものを繋ぐ仕組み(手足)
- Skill:特定作業のやり方を教える手順書(段取り)
排他ではなく、組み合わせて使う。ここから下は、その「段取り書」であるSkillの一覧だ。
公式スキル19選(Anthropic製)
Anthropicが公式リポジトリで配布しているSkill。用途ごとに5グループに分かれる。業務の定型作業を代行するものと、開発の土台を整えるものが中心で、派手さはないが外れが少ない。
ドキュメント処理(4つ)
- pdf ── PDFの読み取り・生成・フォーム入力を行う
- docx ── Wordファイルの作成・編集・書式設定を行う
- xlsx ── Excelファイルの読み書き・集計・分析を行う
- pptx ── PowerPointスライドの作成・編集を行う
開発支援(6つ)
- skill-creator ── 新しいSkillの雛形作成・設計を支援する(自作の入り口)
- mcp-builder ── MCPサーバーの実装を支援する
- frontend-design ── UI/デザインの実装を支援する
- webapp-testing ── Webアプリの動作テストを行う
- web-artifacts-builder ── Web上の成果物(ページ等)を構築する
- claude-api ── Claude API/SDKを使った実装を支援する
デザイン/クリエイティブ(5つ)
- canvas-design ── キャンバス上のビジュアル・レイアウトをデザインする
- algorithmic-art ── コードで生成するアルゴリズミックアートを作る
- brand-guidelines ── ブランドガイドライン(配色・トーン)に沿った成果物を作る
- theme-factory ── 配色・デザインテーマを量産する
- slack-gif-creator ── Slackで使うGIFを生成する
コミュニケーション(3つ)
- internal-comms ── 社内向けアナウンス文を作成する
- doc-coauthoring ── 文書を人と共同執筆・推敲する
- discernment-nudge ── 回答のあとに短い確認質問を2〜3個添える
学習(1つ)
- academy-guide ── 関連するClaude Academyの講座・教材を薦める
迷ったら、この19個のうち自分の普段の作業(PDF処理、フロントエンド実装、MCP構築など)に直結するものから入れるのが順当だ。
世界で人気のコミュニティ製スキル20選(インストール数順)
公式以外にも、個人や企業が公開しているSkillを一覧・検索できるskills.shというサイトがあり、各Skillのインストール数が見える。ここで世界的に入れられている上位20個を挙げる(カッコ内はインストール数と提供元)。
- find-skills ── 「どうやるの?」と尋ねると適切なSkillを見つけてインストールを助ける(367万・Vercel)
- grill-me ── 自分のコードや設計を厳しく問い詰めてレビューさせる(127万・mattpocock)
- grill-with-docs ── ドキュメントを参照しながら厳しくレビューする(109万・mattpocock)
- improve-codebase-architecture ── コードベースの設計・構造を改善する(103万・mattpocock)
- agent-browser ── AIエージェント向けのブラウザ自動化CLI(101万・Vercel)
- tdd ── テスト駆動開発(TDD)の手順で進めさせる(101万・mattpocock)
- setup-matt-pocock-skills ── mattpocock氏のSkill群をまとめてセットアップする(93万・mattpocock)
- handoff ── 作業の引き継ぎ内容を整理してまとめる(91万・mattpocock)
- triage ── 課題やバグの優先度を仕分ける(88万・mattpocock)
- prototype ── 素早くプロトタイプを組み立てる(87万・mattpocock)
- grilling ── 前提やコードを厳しく問い詰めるレビュー系(82万・mattpocock)
- vercel-react-best-practices ── VercelによるReactのベストプラクティスを適用する(77万・Vercel)
- reddit-automation ── Redditの操作を自動化する(75万)
- teach ── 概念を教えるように噛み砕いて解説させる(75万・mattpocock)
-
domain-modeling ── ドメインモデリング(業務の概念設計)を支援する(74万・mattpocock)
35〜39. lark- シリーズ* ── Lark(Feishu)のドキュメント・Base・ドライブ・カレンダー・メッセージ等と連携する一連のSkill(各74万前後)
上位を見て気づくのは、mattpocockという個人開発者のSkill群が異様に強いこと。「厳しくレビューさせる」「TDDで進める」「引き継ぎをまとめる」といった開発の進め方そのものを型にはめるSkillが、世界ではよく入れられている。
データで見る「人気」と「国内で語られている」の違い
ひとつだけ、面白い食い違いがある。上のgrill-meは世界インストール数2位(127万)だが、日本語の技術記事での言及数では3位にとどまる。improve-codebase-architectureやtdd、handoffといった高インストールのSkillは、国内記事ではほとんど話題になっていない。
逆に、国内でいちばん記事に書かれているのは公式のskill-creator(46記事)だ。これは「自分用のSkillを作る」ための入り口。つまり日本では、既製品をそのまま入れた話より、skill-creatorで自分の作業に合わせたSkillを作ってみた、という記録のほうが多い。世界の「入れる」人気と、国内の「作る」人気は、少し向きが違うわけだ。
結局どれを入れればいいのか
39個を眺めたうえでの、現実的な選び方はこうなる。
- まず公式19個から、自分の普段の作業に直結するものを入れる。外れが少ない。
- コミュニティ製を入れるなら、インストール数だけで決めず「実際に使い方や所感を書いている記事があるか」を見る。高インストールでも国内で無風なものは、自分が人柱になるリスクがある。
-
ぴったりのものが無ければ、既製品を探し続けるより
skill-creatorで自作してしまう方が早いことも多い。 - Skillは外部の手順を丸ごと読み込ませる仕組みなので、配布元が不明なものは中身を一度確認してから入れる。インストール数の多さは安全性の保証ではない。
Skillの数が増えるほど、「選ぶ」という判断そのものの比重が重くなる。ランキングは参考値として眺めつつ、最後は自分の作業に本当に効くかどうかで決めるのがいい。
この記事で挙げた39個を、インストール数・国内/海外の記事被引用でランキング形式にまとめたページがこちら。公式スキルの一覧や、どのSkillがいま伸びているかも随時更新で見られる。
→ ランキングで見る: https://s-tasklog.com/ccstack