はじめに
人権剥奪PCをRDP端末として利用して一年後のレポートの続き
世間には人権剥奪PCと呼ばれるPCが存在します。
人権剥奪PCとは、マシンスペックが不足することで開発効率が下がったり、開発者にストレスを与えてしまうPCのことという理解なのですが、それ以上に問題なのは、システムの更新ができないレベルの低スペックPCでしょう。
具体的はストレージが32GB eMMCのWindowsマシンのことになります。
理由は明らか。初期状態で15GB程度のメモリを利用、Windows Updateファイル類が累積で10GB以上貯まる、インストール時には更に空き容量が必要という状況のため、PCに何のアプリやデータの保存を指定ない状態であってもそのうちWindows UpdateがPCを自殺に追い込むためです。
そこで、Windows UpdateファイルをMicro SDカードにダウンロードさせるようにしましょう。
手順は以下の通りです。
- Micro SDカードを挿してVHD(仮想ハードドライブ化)する
- 上記ドライブを自動マウントさせるようにする
- Windows Update領域を上記のドライブに移動する
こちらの手順を実施したマシンを放置、何度か再起動させることで全てのWindowsUpdateをあてることに成功しました。
Windows UpdateファイルをMicro SDカードにダウンロードさせる方法
Micro SDカードを挿してVHD(仮想ハードドライブ化)する
こちらのページが非常によくまとまっているので、記事のリンクを
Windows 10 タブレットのストレージ容量が少なくてアプリがインストールできない!SDカード × VHDで解決!【前編】
Windows 10 タブレットのストレージ容量が少なくてアプリがインストールできない!SDカード × VHDで解決!【後編】
上記ドライブを自動マウントさせるようにする
この状態では、Windowsの再起動を実施する度に仮想ドライブが外されてしまいますので、自動でマウントするように設定します。
ただし、このマウントには管理者権限を必要としますので、スタートアップへの登録はできず、Windowsスケジューラーを使う必要があります。
こちらのページが詳しいです。
Windows 10でVHDファイルをドライブとしてマウントする
Windows Update領域を上記のドライブに移動する
ただし、これだけでは仮想ドライブが追加されただけで、容量の大きなファイルを自分で移動して空き容量を増やさなければなりませんし、そもそもほぼ初期状態のWindows + Windows Updateファイルだけで全体を圧迫しているケースでは対応できません。
手順は以下の通りです。
- Windows Updateを停止する
-
C:\Windows\SoftwareDistribution
を新ドライブにコピーする (例:E:\SoftwareDistribution) -
C:\Windows\SoftwareDistribution
をC:\Windows\SoftwareDistribution_bak
等にリネームしてバックアップ -
C:\Windows\SoftwareDistribution
から移行先へのシンボリックリンクを貼る
参考 Windows10でシンボリックリンクを設定する方法
ただし、 mklink
は内部コマンドなので、以下の形で実施しなければなりません。
cmd /c mklink /D c:\Windows\SoftwareDistribution e:\SoftwareDistribution
しばらく運用して問題ないようでしたら、バックアップのC:\Windows\SoftwareDistribution_bak
は消してしまって大丈夫です。
参考
注意事項: この手順で作成したVHDは内臓のeMMCと比較して非常に低速ですので、ストレージがもったいないからと言って/temp 領域を移動させないように。。。私は後でもとに戻しました。
追記
タスクマネージャーを除いたら、 wsappx
というプロセスがCPUを専有していましたので、調査したところストアアプリの自動更新プロセスのようです。使わない場合止めてしまいましょう。