この文書について
世の中VRじゃ酔い酔いばっかりだけど、そんな中語られていないことを中心にVRコンテンツの落とし穴についてメモしていくつもり。
無限遠は鬼門
IPDが実際より大きく設定されている場合、無限遠の物体の輻輳角がマイナスになり立体視できない。逆に実際より小さく設定されている場合は近くに認識される。なので遠距離の物体を立体視するためにはIPDを正確に計測する必要があるが必要とされる精度は遠距離なほど高くなる。
空中に物体を配置しても立体視できない
人間の立体感は輻輳角だけでできているわけではない。輻輳角は正しくないと立体視に寄与しないため空中に物体を配置してもそれだけでは立体視は困難で、事前にヒントとして形状や移動などによる距離情報が必要になる。
なので空中に物体を配置するのは避け、奥行きを持つ物体の近くに配置すると立体視しやすくなる。
ただの面は避ける
面として認識されるためには特徴点の集合が必要になる。人間が特徴点のない面を面として認識できるのは「枠」から推測しているだけであり、直接に面を認識しているのではない。ただの面は立体視を妨げるし認識の負荷が高い。
なので故意に狙っているのでもない限り面には必ず遠くからでも認識できる模様を作る必要がある。これは現実でも同様なので壁紙を選ぶ時は部屋の反対側からでも模様がわかる壁紙にしよう。
遠距離に距離感なし
遠距離だと輻輳角が小さくなるので輻輳角に頼ったレベルデザインは避ける。遠距離では移動、比較対象、フォグ類などの方が距離感を作れる。