はじめに
LibreOffice を使ってプレゼンや作図をするときに、ちょっとした数式を LaTeX で書きたい、既に書いた LaTeX 数式を流用したい、なんて場合があろうかと思います。そんなときに使える拡張機能が TexMaths です。記事も検索すればいくつかありますね。
で、その利用法をざっと書き殴って出来た資料が以下、なんですが……冗長?
https://speakerdeck.com/taraijpn/libreoffice-with-texmaths
要点抜粋と追加情報
- LaTeX 組版環境はちゃんと整えて、CLIで動くことを確認しよう。
- PNG画像はLaTeX環境でのみ作成可能。XeLaTeX 環境では作成出来ない。 SVG画像は両環境で作成可能。
- 動きが怪しいときはセーフモードにして一旦環境をリセット、拡張機能は入れ直してみよう。
- 組版命令が機能してないなと思ったら プリアンブルの記述を確認しよう。
-
\usepackage{bm}
とか。
-
- OpenGL レンダリングはOFFにしよう。(Windows?)
- SVG 画像の数式が画面で見たときだけ妙に太く見えるのは、これが原因。
- SVG 画像は縦横比をうっかり崩して拡大縮小しそうになるので気を付けよう。
- 作成した数式をうっかりダブルクリックすると、埋め込まれたLaTeXコードが消えるかも?
- 数式だけ何処かにメモしておくと復旧が楽かも。
-
\usepackage{bm}
と\bm{x}
じゃなくて、\boldsymbol{}
でいいんじゃなかろうか? - πに歯車アイコンの機能は 一斉再組版 なので、うっかりRunすると大変なので気をつけて。
と、これに加えて、資料には入れておらず個人環境での問題なのですが…
- 64bit 版の dvisvgm.exe (w32tex, version 2.8.2) が Segmentation falut で落ちる?
- 32bit版に向けておけばとりあえず動く。
おわりに
いきなりLibreOffice Impressの資料を作ってから要点をQiitaにまとめる、という変則的なやりかたをしたのは、実際にLibreOfficeを使いながらメモしたものが先にあったからです。とはいえ SpeakerDeck よりも Qiita のほうが検索される割合が高そうなので、こちらに書き直した次第です。
LibreOffice Math もいいよ。
付録(1) (texmathsで)日本語入り数式などの組版は難しい?
いろいろやってみたんですが難しそうです。問題点は以下の通り。
- Inline,Displayタイプのドキュメントクラスが
\documentclass[10pt,dvips]{article}
にハードコーディングされている。- 回避することは可能なのですが、そのためには 1つの画像に対し LaTeXタイプでプリアンブルから全て書かないといけません。
- PNG画像はlatex系からしか作れない。
- 上記の縛りで uplatex を使って dvipng が理解する 日本語入り .dvi を作成する方法が難しいようです。
- SVG画像の作成工程が .tex → (xelatex) → .xdv → (dvisvgm) → .svg に固定されている。
- ドキュメントクラスを変更出来ない状態で日本語を通す方法をうまく見つけられずに困っています。LaTeXタイプにすれば良い? 煩雑では……?
付録(2) texmaths のマクロ本体は何処にあるの?
LibreOffice のメニューから ツール → マクロ → マクロの管理 → Basic を開くと、マイマクロの下にインストールされていると思います。LibreOffice Basicで。例えば TexMathsEquations の MakeEquation 関数、TexMathsSysConfig の WriteScript 関数などをご覧下さい。内部で何をやっているかが多分分かります。