フリーランスエンジニアとして3年、Notionを毎日使い込んできた。正直に言うと、最初の半年は「ちょっとおしゃれなメモアプリ」としか思っていなかった。
転機はデータベースの フィルタ と ロールアップ を覚えたこと。あの瞬間から、Notionは「業務管理システム」になった。
この記事では、Notionを「メモ帳以上」に進化させる実践テクニックを具体例付きで紹介する。
1. フィルタの基本 — 「見たいデータだけ」を一瞬で絞る
データベースに100件のタスクがあっても、今見たいのは「今週期限の未完了タスク」だけ。
フィルタ条件:
ステータス ≠ 完了
AND 期限 ≦ 今週末
AND 担当者 = 自分
ポイントは ANDとORの使い分け 。Notionのフィルタグループ機能を使えば、複雑な条件も組める。
実例: 請求漏れチェックフィルタ
フィルタグループ (AND):
ステータス = 納品済み
AND 請求書発行 = No
AND 納品日 ≦ 1ヶ月前
これで「納品したのに請求していない案件」が一覧になる。月末にこのフィルタを開くだけで、請求漏れがゼロになった。
2. ソートの戦略 — 「優先度」を自動で決める
単純に期限順でソートするだけでは足りない。実務では 「緊急度 × 重要度」 の掛け合わせが必要。
やり方は、数式プロパティで優先スコアを計算する:
// 優先スコア数式
if(prop("緊急") == true and prop("重要") == true, 4,
if(prop("緊急") == true and prop("重要") == false, 3,
if(prop("緊急") == false and prop("重要") == true, 2, 1)))
このスコアで降順ソートすれば、常に「今やるべきタスク」がトップに来る。
3. ロールアップ — データベースをまたいだ集計
リレーションで紐づけた別データベースの値を引っ張ってくる機能。これがNotionの真骨頂。
実例: 案件ごとの合計工数を自動計算
案件DBとタスクDBをリレーションで繋ぎ、案件DB側にロールアップを設定:
- 対象リレーション: タスク
- 対象プロパティ: 実工数(時間)
- 計算: 合計
これだけで、案件詳細ページを開くと「この案件にかかった合計工数」が自動表示される。
4. 数式の実用パターン5選
パターン1: 日数カウントダウン
dateBetween(prop("期限"), now(), "days")
→ 「あと何日」が自動表示。マイナスになったら遅延。
パターン2: 月間売上集計(条件付き)
if(
formatDate(prop("日付"), "YYYY-MM") == formatDate(now(), "YYYY-MM"),
prop("金額"),
0
)
パターン3: ステータス自動判定
if(prop("進捗率") == 100, "完了",
if(prop("進捗率") > 0, "進行中", "未着手"))
パターン4: 請求可能額の計算
prop("単価") * prop("時間") * (1 - prop("値引率") / 100)
パターン5: 経過日数による色分け用スコア
if(dateBetween(now(), prop("最終更新"), "days") > 30, "放置",
if(dateBetween(now(), prop("最終更新"), "days") > 14, "要確認", "OK"))
5. ビューの使い分け — 同じデータを4視点で見る
1つのデータベースに対して、ビューを切り替えるだけで用途が変わる:
| ビュー | 用途 | 設定 |
|---|---|---|
| テーブル | 全データ俯瞰 | デフォルト表示 |
| ボード | カンバン式進捗管理 | ステータスでグループ化 |
| カレンダー | 期限ベースのスケジュール | 期限プロパティ |
| ギャラリー | ポートフォリオ的な見せ方 | カバー画像付き |
同じデータなのに、見え方が変わるだけで使い方が変わる。 これに気づくとNotionの設計思想が一気に理解できる。
まとめ — 「設計」を知ればNotionは最強の業務ツールになる
フィルタ、ソート、数式、ロールアップ。この4つを覚えれば、Notionは「メモアプリ」から「業務管理システム」に進化する。
ただ、実際に業務で使えるレベルまで設計するには、DB同士の関連付け(リレーション)の設計と、運用に合わせたフィルタ設定がセットで必要になる。
ここで紹介したテクニックを実際のDB設計に落とし込んだ完全ガイドを、noteで公開しています。
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