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鳥の巣の中を観察する

Last updated at Posted at 2017-04-11

#目的
 毎年、庭の木のウロを使いコヒヨドリが子育てを行う。ウロは深く、元気なヒナの鳴き声がいつも聞こえるが、子育ての手前、観察は難しい。できればスクスクと育つヒナを眺めて楽しみたい。そのため、鳥を驚かさず、子育ての邪魔にならず、風雨に耐え、安く、場所をとらず、いつでも確認可能で、設置後はフリーメンテナンス、そんなリアルタイム撮影環境が欲しい、と考えた。

#手段
 結果として、USB内視鏡カメラとRaspberryPiを組み合わせた環境を構築することとした。それぞれ以下のメリットを持つ。
・USB内視鏡カメラ
 >カメラ自体が非常に小径で、狭い場所へ設置可能
 >非常に長いケーブル(10m)により現場への設置の際、調整が容易
 >IP67という防水仕様により豪雨でも安心
・RaspberryPi
 >低消費電力・低発熱・WiFi接続可能
 >5000円程度の価格
それぞれのデメリットは以下の通り。
・USB内視鏡カメラ
 >この機種のカメラ焦点範囲が4-6cm。動態撮影が目的なので許容とした。
・RaspberryPi
 >セットアップ作業(コマンド入力)が必要
構成としては、USB内視鏡カメラをRaspberryPiに接続し、録画できるようにする。録画した動画をRaspberryPi上でリアルタイムエンコードし、WiFi経由でストリーミング、というもの。これにより同一LAN環境内でならブラウザでリアルタイムに映像が確認できる。

必要なものとセットアップ手順を下に記した。
同様のものを揃える限り、この手順で動作すると思う。

##準備
###購入品
Raspberry Pi3 Model B ボード&ケースセット 3ple Decker対応
Raspberry Pi3 Model B 専用電源
Samsung microSDHCカード 32GB EVO+ Class10 UHS-I対応
Volador USB内視鏡 200万画素 10m IP67防水仕様

手元で用意(これらはRaspberryPiのセットアップ時のみ必要)
・LANケーブル (初期の動作確認に用いたが本来不要)
・HDMIケーブル
・HDMIポートのあるディスプレイ
・USB端子のついたマウスとキーボード
・WiFi接続のための親機(我が家はBUFFALO)
設置する際必要
・金づち
・少量の絶縁ステップル(U字釘)と銅線

##セットアップ
###Raspberry Pi3 Model B OSインストール
 -1.SDカードフォーマット(Windows10Proにて作業)
   SD Associationのフォーマットツールを利用
   https://www.sdcard.org/downloads/formatter_4/
   インストールと起動後、"Options"から"FOMAT SIZE ADJUSTMENT"を"ON"にして、FAT形式でSDカードをフォーマット(32GBまでのSDカード向け)実行。
 -2.SDカードへのRaspbian(Jessie)インストール
   NOOBS(Offline and network install)Version:2.3.0
 -3.Raspberry Pi3 Model B電源投入から初期設定

参照:RaspberryPi3のかんたん初期設定
   ※NOOBSを利用したインストールに関してはリンク先などを確認願います。

###初期設定
 -1.Raspberry Pi 3のWifiでの接続を固定IPアドレス化。

 /etc/dhcpcd.confを開く。
 $ sudo nano /etc/dhcpcd.conf
 ファイルの一番下に以下を追記

 /etc/dhcpcd.conf

 interface wlan0
 static ip_address=192.168.1.255/24
 static routers=192.168.1.1
 static domain_name_servers=192.168.1.1

 ここで
 ip_address 設定したいIPアドレス
 routersルータのIPアドレス
 domain_name_server 上記で大丈夫と思うが、他にLANに繋いでいるPCがあればそちらでipconfigして同じようにすればより確実と思う
 再起動
 `$ sudo reboot`
 参照:[RaspberryPi3にてWifiでネットワークに固定IP接続](http://qiita.com/shin1kt/items/e2f57fcff95f5196cd4d)

 -2.Raspberry Pi 3へのUV4L(ストリーミングソフト)インストール
>・UV4Lパッケージ認証
```wget http://www.linux-projects.org/listing/uv4l_repo/lrkey.asc && sudo apt-key add ./lrkey.asc```
>・/etc/apt/sources.listに下記を追加
`deb http://www.linux-projects.org/listing/uv4l_repo/raspbian/ wheezy main`
 ※Raspbian(Jessie)で動作確認済
・インストール

>```test
sudo apt-get update
sudo apt-get install uv4l uv4l-raspicam
sudo apt-get install uv4l-raspicam-extras
sudo rpi-update
sudo apt-get install uv4l-server
sudo apt-get install uv4l-uvc
sudo apt-get install uv4l-xscreen
sudo apt-get install uv4l-mjpegstream

 参照:Raspberry Pi 3へのUV4L(ストリーミングソフト)インストール

 -3.Raspberry Pi 3へのUSBカメラインストール

カメラをUSBポートへ接続
USBポート接続状況を確認
$ lsusb
Voladorのカメラが認識されているはずなので、そこに書かれている「ID xxxx:xxxx」の部分をメモ。
メモった部分をコマンドに入れてUV4Lの起動
$ uv4l --driver uvc --device-id xxxx:xxxx --config-file=/etc/uv4l/uv4l-uvc.conf
WEBブラウザからアクセス(WiFi接続した携帯でもOK)
http://<ラズベリーパイのIPアドレス>:8090/stream
※操作可能な画面は以下のアドレスのほう
http://<ラズベリーパイのIPアドレス>:8090/stream/webrtc
UV4Lの終了
$ sudo pkill uv4l

設定ファイルの編集
インストールした時点で自動起動が有効になっているので、デバイスIDを指定しておく。
$ sudo nano /etc/uv4l/uv4l-uvc.conf

uv4l-uvc.conf

device-id = 1dd8:0018


> 参照:[Raspberry Pi3とUSB WEBカメラでストリーミング](http://qiita.com/sp_ice/items/7f15e262fffd69d3375c)

#使用感
![名称未設定-1.jpg](https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/175472/ddfd23c8-e19b-348a-e66c-6bdaec1c2274.jpeg)
コンセント・ACアダプタ・Raspberry Piを二重にしたビニール袋に包み、屋外物置の中に置き、電源もそこから取得した。カメラだけ木のウロに這わせている。カメラのケーブルは柔軟性があり固定が難しいため、盆栽の針金掛けの要領で銅線を巻き付け、希望の位置に設置した。設置から2週間経過したが問題なく稼働しており、あとは鳥が驚かず、営巣してくれることを祈るばかり。6月頃には営巣したかどうか、結果を載せられるはずである。
![名称未設定-1s.jpg](https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/175472/3ce5a388-8beb-a983-0f8f-51b7dad4dfd3.jpeg)
追記:設置して2週間ほどしてから多少の偽装は必要かと思い、カメラコード表面をスプレー塗装。


#営巣
![20170510コヒヨドリ産卵.jpg](https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/175472/83f2e154-1dac-e7be-5c08-b67a534e5f15.jpeg)
2017/05/10 卵を確認!今回は5つ産んだようだ。無事に育つよう見守りたい。
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