私自身、割と資格を取るのは好きでした。保有している資格は主にこちらです。
- 応用情報技術者試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- 電気工事士第二種
- 危険物乙1~6
しかし、世間では「資格を持っていても使えない」、「資格なんか無駄」という意見もチラホラ。役に立たないのなら資格なんて存在が無意味なはずです。本当に資格は無駄なのでしょうか?
はじめに
今日もどこかで繰り広げられているであろう話。
ベテランAさん「中途Bさん。***の障害の件、直近のログから抽出しておいてください。」
中途Bさん「えっと、どうやるんですか?」
ベテランAさん「え・・・・?」
ベテランAさん「(色々資格もっているって聞いたけど。。。資格持っているのに全然使えないなぁ)」
(私はIT系ではないので完全に想像・妄想です)
なぜエンジニアの間で「資格は必要/資格は無駄」論争が勃発するのか?
結論から言えば、「資格」という言葉には、ある業務に必ず役に立つというイメージがある一方、実際の資格はある特定の業務遂行のために作られたわけではない場合も多いため、それを混同しギャップが生じているためです。
後述するように、エンジニア系の仕事には業務に必ず役に立つ資格がほとんど無いように思えます(自分調べ)。
資格の種類
では、業務に必ず役に立つ資格、そうでない資格にはどんなものがあるでしょうか?
①業務遂行に必須の資格
主に業務独占(国家)資格が該当します。
これは、「ある特定の業務遂行に必須の技術や法令の知識を有する」ことを保証する資格であり、例として電気工事士、危険物取扱者などが挙げられるでしょう。
当然のことながら、その業務遂行を許可するために作られた資格なので、その業務に100%役立ちます。
なお、業界内資格や社内資格も該当する場合が多いですが、色々とややこしいことになるので後述します1。
②業務とは紐づかない資格
漢検・英検、ITでは基本/応用情報、高度情報技術者試験などがあたるでしょう。
①の資格とは逆に、ある特定の業務遂行のために作られた資格ではないので、業務遂行に必要・十分な知識が得られるとは限りません。
そのため、実際の業務遂行には別途勉強が必要になりますし、逆に資格で学んだ内容のほとんどが無駄になることもあるでしょう。
資格を取るべき人/資格以外の手段が良い人
資格のメリットを整理した上で、資格取得すべきかどうかを考察してみます。
資格のメリットはこんなところでしょうか。
- 出題範囲が限定的かつ体系づけられており学びやすい
- 点数や合否により定量的に実力が確認できる
- ハクが付く
- 会社によっては昇進・昇給・一時金
- 就職・転職等で実力を定量的に証明できる
資格を取るべき人
ずばり、新人・学生など未経験者・初心者にオススメします。業務遂行には資格取得とは別に勉強が必須ではありますが、資格取得を足がかりにすることで、しっかりとした土台の上に知識・経験を積み重ねることができます。
特に、OJTを受けていて、場当たり的だな、どこまでできるようになったかわからないなといった新人にありがちな悩みには有効だと思います。
資格以外の手段が良い人
逆にある程度業務を回せている人は資格をとっても役に立たないでしょう。
(もちろん昇給・昇進のためや、趣味・知的好奇心のために取得する意義はあるとは思います)
資格取得する分の時間で、自分の業務に関連した勉強をしたほうが良いかと思います。
最後に
エンジニアの勉強全般についても同様に、すぐ役に立たない/すぐに役に立つ の2択で考えると方向性が迷子にならないと思います。
アーキテクチャやアルゴリズムなど、エンジニアとしての幅を広げる勉強なら、すぐに役に立たない勉強だと割り切って即効性を期待しない方が良いです。なぜなら「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる2」からです。
一方、エンジニアにとっては最新の技術をすぐ試す・身につける場面も多くあるでしょう。でないと最新の技術動向に置いていかれます。ただ、その「最新技術」がいつまでも通用しないのは言うまでもありません。
結局身も蓋もない話ですが、「エンジニアは勉強し続けるべき」としか言いようが無いのです。