はじめに
NAISTの2025年受験(2026年春入学)、第1回情報科学領域に合格しました。私自身、受験にあたり、合格体験記を参考にさせて頂いたので、今後NAISTを受験される方の助けになれば幸いです。
ですがタイトルにある通り、私は小論文も試験対策も何もかもギリギリで完成させた受験生なので、反面教師(?)にしてください。
目次
1. 私のスペック
2. NAISTの試験配点
3. 出願や試験当日までの流れ
4. 試験当日
5. 結果
6. 個人的に大事だと思うこと
7. さいごに
私のスペック
- 地方国立大、情報系専攻
- 大学での専門は機械学習
- NAISTで行いたい研究分野は脳科学
- 学部1年の頃から脳波や心拍数を用いたなんちゃって自主研究を行っていた
- GPAは3.3、学部内(300人強)で上位10%が貰える賞貰う
- 大学主催の情報系のハッカソンで銀賞
- TOEIC:710点
NAISTの試験配点
出願する際に必要な成績などの書類審査50点、英語30点、数学30点、小論文+面接で90点の計200点満点です。例年の合格最低点は、120~140点です。
出願や試験当日までの流れ
大学院を決めるに当たって(学部3年まで)
私の出身が地方国立大なので、エスカレーター式でそのまま同じ大学の院に進むという選択肢もありましたが、学部1回生の頃から大学院は他大学に進もうと考えていたので、学部1回生か2回生の頃にはNAISTの受験は決めていたように思います。
なので学部3年までは、受験する大学院決めと、試験において何が必要かのピックアップ(TOEICは大体どのくらい必要で、数学は復習しないとだめ……とか)を主に行っていました。数学は学部4年に入ってからでも遅くないので、TOEICの勉強を学部3年の2月から始めました。
TOEICとか数学
TOEICは出願までに成績が出せる5月中旬の試験まで3月から4回受けました。スコアの伸びとしては 595→645→695→710 といった感じです。私自身英語がかなり苦手で、スコアは思うほど伸ばせませんでした。配点も30点しかないので、院試の為だけなら600~とかでそこそことれていたら十分だと思います。
数学は受験の2週間前から微積分、線形代数のマセマを大学の図書館で借りて勉強していました。演習版もありますが、参考書の例題を解くだけでNAISTレベルは網羅できると思います。
微積分は高校の知識+テイラー展開、マクローリン展開あたり、線形代数は一通り復習しておくべきですが、ベクトル空間、固有値ベクトルあたりを重点的に勉強すれば安心かなと思います。ですがマセマでは特異値行列や正定値行列などはカバーできないので、指定参考書の目次部分はネットに転がっているので、その目次を参考に軽く理解する程度の勉強をしていました。「工業大学生ももやまのうさぎ塾」というサイトが説明が分かりやすく、大学1回生の頃からお世話になってました。
過去問に関してはgithubなどでまとめられているので(2017年度まで)それには一通り目を通していました。あと先輩に聞くなりして対策を立てていました。
研究室訪問
NAISTの研究室訪問はオープンキャンパスの他にも「いつでも見学会」という機会があります。オンラインでも現地見学でも可能です。
私はオープンキャンパスの日程は都合がつかなかったため、いつでも見学会を利用し、オンラインで30分~40分くらい先生とお話させて頂きました。
小論文
私はやりたい研究案がもともと何個かあったので、希望する研究室と合致しそうなテーマをベースに小論文を書きました。研究室訪問で先生がおっしゃっていたのは、小論文で重視するのは先行研究をしっかり読み込んで勉強しているかがポイントなので、アイデア自体も大事ですが、先行研究をベースにして組み立てていくのがやりやすいと思います。(当たり前ではあるのですが……)
小論文については勢いで書き上げてしまったため、他の方の体験談を参考にした方が良いと思います。皆さん1か月間ほどでテーマを決めと小論文を完成させている感じでした。
面接対策
試験の5日前ほどから本格的に行いました。まずNAISTでは自分の研究について3分程度で説明する必要があるので、その原稿から仕上げました。その後、想定される質問をnotionなどでまとめて管理していました。
試験当日
数学
12分で2題出題され、スケッチブックとペンでオンラインのカメラに向こうの先生方に向かって説明しながら解いていきます。途中で分からなくなったらヒントを頂けるので、全く答えられないくらいなら、ばんばんヒントは貰っていきましょう。
私が出題された問題は、線形代数は v1,v2,v3,v4の、4つのベクトルからv1,v2,v3の3つのベクトルが線形独立であるかどうか、v1,v2,v4の3つのベクトルが線形従属であるかを示す問題、微積分はある関数f(x)がa→bの間で連続で常に正の値を取る場合、f(x)をa→bで積分したときの値が正であることを示す証明問題でした。線形代数はヒントを貰わず完答できたのですが、微積分の問題は焦ってしまったこともあり、方針のみを説明して終わりました。
口頭試問
オンラインのカメラの向こうに先生方が3人いらっしゃって、先生から質問をされるのでそれに答えていく感じでした。最初の質問は研究案を3分程度で説明して、だと思うので、しっかり対策しておきましょう。他の質問については、各先生方から2つずつくらいでされたので、個人差はあると思いますが5、6個くらい質問はされると思います。ほとんど質問は答えられたのですが、研究の手法に関して1つは答えられなかったです。私がされた質問(一部)は、
- あなたの研究案を3分程度で説明して
- その研究をしたことによるメリットは?
- 学部の専門とやりたい研究の専門が違うけど?
- データはどうする?
的な感じでした。
結果
- 7/22:200点満点中164点で合格でした。 (合格最低点は131点)
- 7/30:メールで第1希望の研究室に内定を頂きました。
個人的に大事だと思うこと
院試において注目されるのは、研究力や取り組みたい研究に対する熱意だったりすると思いますが、それに繋がる自信を持つために「何か自慢できる成果」を出しておくのが院試に合格できた理由だと思っています。
私で言うと、これは研究力や熱意と通じるものになりますが、大学1回生から大学で脳波や心拍数を使ってなんちゃって自主研究をしていて、その頃から脳科学の研究について熱意もあったので、「自主研究の経験がある」という部分が院試においての自信になっていました。そのような研究の機会が無くても、大学の成績を良くするとか情報系であればコンペに参加して結果を残すなりするのは、書類審査50点分に直接関わってくるので有用だと思います。特にコンペは実践して結果が出るものなので、やってみるだけで価値ありです。情報系のコンペはSIGNATE、Kaggleで常に何かしらやってます。
さいごに
今回無事に合格できましたが、自分でも自覚があるほどギリギリに対策してしまったので、試験前は心臓バックバクでした。ですが先も述べた通り、「自分で自慢できる成果」があったので合格するだろうという自信も持てたので、これから受験される方はそのような過去の経験を探してみたり、間に合うなら何かに取り組んでみたりすると合格に必ず近づくと思います。
院試は体力もメンタルも削られるので大変だと思いますが、私的には大学以来の受験で緊張感も含めて楽しかったと思える経験でした。これからNAISTを受験される方は是非頑張って下さい。応援しています!!!!!!!!!!!