0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

AutoLISPでAutoCADの製品年式とUpdateを判定する:ACADVERと_VERNUM

0
Posted at

AutoLISP から「今動いている AutoCAD が何年版か」「どの Update が適用されているか」を確認するには、2 つのシステム変数を使います。

(getvar "ACADVER")
(getvar "_VERNUM")
  • ACADVER:実行中の AutoCAD の製品リリース番号
  • _VERNUM:実行中の AutoCAD のビルド番号(Update の識別に使う)

例えば AutoCAD 2026.1.2 では、次の値になります。

(getvar "ACADVER")  => "25.1s (LMS Tech)"
(getvar "_VERNUM")  => "W.179.0.0"

本記事は Autodesk の公式ヘルプ・サポート情報に基づいています(確認日:2026年10月9日)。コードは仕様に沿った例であり、AutoCAD 実機での検証は行っていません。以下の _VERNUM 対応表は Windows 版 AutoCAD を対象にしています。

ACADVER で製品年式を判定する

ACADVER は読み取り専用の文字列型システム変数です。DWG の形式ではなく、AutoCAD 製品のリリース番号を返します。

製品年式 ACADVER の戻り値
AutoCAD 2027 26.0s (LMS Tech)
AutoCAD 2026 25.1s (LMS Tech)
AutoCAD 2025 25.0s (LMS Tech)
AutoCAD 2024 24.3s (LMS Tech)
AutoCAD 2023 24.2s (LMS Tech)
AutoCAD 2022 24.1s (LMS Tech)
AutoCAD 2021 24.0s (LMS Tech)
AutoCAD 2020 23.1s (LMS Tech)
AutoCAD 2019 23.0s (LMS Tech)
AutoCAD 2018 22.0s (LMS Tech)

注意点は、内部リリース番号と西暦の製品年式が一致するとは限らないことです。例えば AutoCAD 2026 は 25.1 です。

年式だけを確認したければ ACADVER で足りますが、2026.1 や 2026.1.2 といった Update までは区別できません。

_VERNUM で Update を識別する

_VERNUM はビルド番号を返す読み取り専用のシステム変数です。変数名の先頭の _ は必須です。

取得した値と、Autodesk が公開するビルド番号対応表を照合します。

AutoCAD 2025

Update _VERNUM
初期版 V.058.0.0
2025.0.1 V.072.0.0
2025.1 V.116.0.0
2025.1.1 V.154.0.0
2025.1.2 V.162.0.0
2025.1.3 V.171.0.0

AutoCAD 2025.1.4(2026年9月16日公開)も存在します。 ただし、参照した Autodesk のビルド番号対応表は 2025.1.3 までの掲載です。2025.1.4 の _VERNUM はこの資料では未確認のため、ここでは推定値を載せていません。

AutoCAD 2026

Update _VERNUM
初期版 W.060.0.0
2026.0.1 W.074.0.0
2026.1 W.122.0.0
2026.1.1 W.164.0.0
2026.1.2 W.179.0.0

AutoCAD 2027

Update _VERNUM
初期版 X.060.0.0
2027.1 X.118.0.0

新しい Update が配布されると表にない番号が現れます。表にない値を、近い番号の Update と決めつけないようにします。GUI では ABOUT コマンドで製品情報を確認できます。

AutoLISP で年式とビルドをまとめて表示

次の ACADINFO は、AutoCAD 2018~2027 の製品年式とビルド番号を表示するサンプルです。

(defun acad-year-from-acadver (acadver / release)
  (setq release (substr acadver 1 4))
  (cdr
    (assoc release
      '(("26.0" . 2027)
        ("25.1" . 2026)
        ("25.0" . 2025)
        ("24.3" . 2024)
        ("24.2" . 2023)
        ("24.1" . 2022)
        ("24.0" . 2021)
        ("23.1" . 2020)
        ("23.0" . 2019)
        ("22.0" . 2018)))))

(defun c:ACADINFO (/ acadver build year)
  (setq acadver (getvar "ACADVER")
        build   (getvar "_VERNUM"))

  (setq year
    (if acadver
      (acad-year-from-acadver acadver)))

  (princ (strcat "\nACADVER : " (if acadver acadver "(unavailable)")))
  (princ (strcat "\n_VERNUM : " (if build build "(unavailable)")))
  (princ
    (strcat "\nAutoCAD : "
      (if year (itoa year) "unknown")))
  (princ))

コードを .lsp に保存し、AutoCAD の APPLOAD などで読み込み、ACADINFO と入力します。

表示例(AutoCAD 2026.1.2):

ACADVER : 25.1s (LMS Tech)
_VERNUM : W.179.0.0
AutoCAD : 2026

このサンプルの役割は、製品年式の変換とビルド番号の表示です。Update 名の自動変換は行いません。Update 名が必要なときは先ほどの表と照合します。

例えば、AutoCAD 2026.1.2 と 完全一致する環境だけを識別したい場合は、次のように書けます。

(and
  (= (substr (getvar "ACADVER") 1 4) "25.1")
  (= (getvar "_VERNUM") "W.179.0.0"))

一致すれば T、一致しなければ nil です。この式は 「2026.1.2 以上」を判定するものではない点に注意してください。

AC1032 は何の番号か

DWG ファイルをテキストエディタなどで開くと、先頭に AC1032 のような識別子が見えることがあります。これはDWG ファイルの保存形式を表すもので、LISP の ACADVER の戻り値とは別です。

DWG 識別子 図面形式 標準で採用した AutoCAD
AC1032 2018 形式 2018~2027
AC1027 2013 形式 2013~2017
AC1024 2010 形式 2010~2012
AC1021 2007 形式 2007~2009

つまり AutoCAD 2026 で保存した図面であっても、DWG の形式が AC1032 であることに矛盾はありません。さらに、旧形式で保存することもできるため、DWG の先頭コードだけから保存元の製品年式を特定することはできません。

また DXF ファイルの HEADER にある $ACADVER も、図面データベースの形式を表す別の項目です。

補足:.NET アドインの判定にも重要

AutoCAD 2025・2026 は、同じ製品年式の途中で .NET 8 から .NET 10 に移行しています。

製品 Update .NET
AutoCAD 2025 初期版~2025.1.3 8
AutoCAD 2025 2025.1.4 以降 10
AutoCAD 2026 初期版~2026.1.1 8
AutoCAD 2026 2026.1.2 以降 10
AutoCAD 2027 初期版から 10

そのため .NET アドインをロードする条件分岐では、ACADVER だけでなく _VERNUM も確認する必要があります。未知のビルド番号を自動で「.NET 8」「.NET 10」のどちらかに割り当てる実装は避け、公式資料または実機で確認するのが安全です。

まとめ

  • 製品年式を識別するなら (getvar "ACADVER")
  • 適用 Updateを識別するなら (getvar "_VERNUM") とビルド番号対応表
  • DWG の保存形式を識別する AC1032 などは、上記の製品リリース番号とは別物
  • 新しい Update のビルド番号は追加されるため、対応表は定期的な確認が必要

参考資料(Autodesk 公式)

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?