概要
JetBrains IDE(IntelliJ IDEA、PyCharm、WebStorm等)と Claude Code を組み合わせることで、AIの力を活用した効率的な開発ワークフローを構築できます。
基本セットアップ
1. Claude Code のインストールと設定
# Claude Code のインストール(例)
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
# API キーの設定
claude-code auth
2. JetBrains IDE での Terminal 設定
- View → Tool Windows → Terminal でターミナルを開く
- プロジェクトルートディレクトリでClaude Codeが使用可能な状態にする
効率的な使い方のパターン
パターン1: コード生成とIDE連携
ステップ1: Claude Code でコード生成
# 新しいクラスやメソッドの生成
claude-code "UserService クラスを作成して、CRUD操作のメソッドを実装してください"
# 特定の機能の実装
claude-code "REST APIのエンドポイントを作成してください。ユーザー管理機能付きで"
ステップ2: IDE での確認・調整
- Claude Code で生成されたコードをIDEで開く
- Code → Reformat Code で整形
- Code → Inspect Code で静的解析
- 必要に応じて手動調整
パターン2: 既存コードの改善
ステップ1: IDEでコードを選択
- 改善したいコードをIDEで特定
- ファイルパスやメソッド名をメモ
ステップ2: Claude Code でリファクタリング
# 特定ファイルの改善
claude-code "src/main/java/UserController.java のパフォーマンスを改善してください"
# コードレビューと提案
claude-code "このプロジェクトのコード品質を分析して、改善点を提案してください"
パターン3: テスト駆動開発(TDD)
ステップ1: テストケース生成
# ユニットテスト生成
claude-code "UserService クラスの包括的なユニットテストを作成してください(JUnit5使用)"
# 統合テスト生成
claude-code "REST APIの統合テストを作成してください(MockMvc使用)"
ステップ2: IDE でテスト実行
- Run → Run All Tests でテスト実行
- 失敗したテストを確認し、Claude Code で修正依頼
パターン4: ドキュメント生成
# JavaDoc生成
claude-code "全てのpublicメソッドにJavaDocコメントを追加してください"
# README更新
claude-code "このプロジェクトのREADME.mdを更新してください。セットアップ手順と使用方法を含めて"
JetBrains IDE の便利機能との組み合わせ
1. Version Control 連携
Git操作の自動化
# コミットメッセージの生成
claude-code "最近の変更内容を分析して、適切なコミットメッセージを提案してください"
# ブランチ戦略の相談
claude-code "この機能開発のためのGitブランチ戦略を提案してください"
IDE での確認
- VCS → Git → Show History で変更履歴確認
- VCS → Commit でコミット実行
2. デバッグ支援
ステップ1: IDE でデバッグ情報収集
- ブレークポイント設定
- 変数の値やスタックトレースを確認
ステップ2: Claude Code で解析
# エラー解析
claude-code "このスタックトレースを分析して、原因と解決方法を教えてください: [エラー内容]"
# デバッグ戦略
claude-code "この問題をデバッグするための効率的なアプローチを提案してください"
3. コード品質管理
IDE の静的解析結果を活用
# 警告の修正
claude-code "IDEの警告を修正してください: [警告内容]"
# コードスタイルの統一
claude-code "プロジェクト全体のコードスタイルを統一してください"
プロジェクト別ワークフロー例
Spring Boot プロジェクト
# 1. エンティティ生成
claude-code "User エンティティを作成してください(JPA使用)"
# 2. リポジトリ生成
claude-code "UserRepository インターフェースを作成してください(Spring Data JPA)"
# 3. サービス層生成
claude-code "UserService を作成してください(ビジネスロジック含む)"
# 4. コントローラー生成
claude-code "UserController を作成してください(REST API)"
# 5. テスト生成
claude-code "全てのレイヤーのテストを作成してください"
React プロジェクト(WebStorm)
# 1. コンポーネント生成
claude-code "UserList コンポーネントを作成してください(TypeScript + hooks使用)"
# 2. カスタムフック生成
claude-code "API呼び出し用のカスタムフックを作成してください"
# 3. スタイリング
claude-code "CSS Modules を使ってレスポンシブなスタイルを作成してください"
# 4. テスト生成
claude-code "Jest + React Testing Library でコンポーネントテストを作成してください"
ベストプラクティス
1. 段階的な開発
- 小さな機能単位でClaude Codeを活用
- IDEで確認・テストしてから次のステップへ
2. コード品質の維持
- Claude Code生成後は必ずIDEの静的解析を実行
- チームのコーディング規約に合わせて調整
3. バックアップとバージョン管理
- 重要な変更前はブランチを作成
- Claude Code実行前の状態をコミット
4. 効率的なプロンプト
- 具体的な要求を記述
- 使用技術やフレームワークを明記
- 期待する出力形式を指定
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
-
生成されたコードがコンパイルエラー
- IDEのエラー表示を確認
- Claude Codeに具体的なエラー内容を伝えて修正依頼
-
コードスタイルが統一されていない
- IDEの自動フォーマット機能を使用
- プロジェクトのコードスタイル設定をClaude Codeに伝える
-
依存関係の問題
-
pom.xml
やpackage.json
の確認 - 必要な依存関係をClaude Codeに追加依頼
-
まとめ
JetBrains IDE と Claude Code の組み合わせにより、以下のメリットが得られます:
- 開発速度の向上: 定型的なコード生成の自動化
- コード品質の向上: AIによる最適化とIDEによる検証
- 学習効果: AIが生成するコードパターンから新しい技術を学習
- 生産性の向上: 繰り返し作業の削減と創造的な作業への集中
効果的に活用するためには、AIと IDE の特性を理解し、それぞれの強みを活かした開発ワークフローを構築することが重要です。