はじめに
今回は、Raspberry Pi 5 を使って Minecraft Java Edition のサーバーを構築します。
まず 同じWi-Fi内のPCからRaspberry Pi上のマイクラサーバーに接続する ところまでを目標にします。
外部の友達とインターネット越しに遊ぶ方法や、電源起動時にサーバーを自動起動する方法については、次回の記事で扱う予定です。
今回やること
- Raspberry Pi OSを最新状態にする
- Minecraftサーバー用のフォルダを作成する
- Javaをインストールする
- 公式サイトからMinecraftサーバーのjarファイルをダウンロードする
- EULAに同意する
- Raspberry PiのIPアドレスを確認する
- 同じWi-Fi内のPCからサーバーに接続する
前提
この記事では、以下の状態から始めます。
- Raspberry Pi 5を使用している
- Raspberry Pi OSのセットアップが完了している
- Raspberry PiにSSH接続できる、またはRaspberry Piの画面でターミナルを操作できる
- Raspberry PiとMinecraftを起動するPCが同じWi-Fiに接続されている
- Minecraft Java Editionを使用する
この記事で構築するのは Minecraft Java Edition用のサーバー です。
統合版、つまりBedrock Editionとは別物なので注意してください。
1. Raspberry Pi OSを最新状態にする
まずは、Raspberry Pi OSのパッケージ情報を更新し、インストール済みのソフトウェアを最新状態にします。
sudo apt update
sudo apt upgrade -y
コマンドの意味
sudo
管理者権限でコマンドを実行するためのコマンドです。
ソフトウェアのインストールやアップデートなど、システムに関わる操作では管理者権限が必要になります。
apt
Raspberry Pi OSやUbuntuなどで使われるパッケージ管理コマンドです。
ソフトウェアのインストール、更新、削除などを行えます。
update
インストール可能なパッケージ情報を最新にします。
実際にソフトウェアを更新するわけではなく、「どのソフトウェアに新しいバージョンがあるか」という情報を更新します。
upgrade
インストール済みのソフトウェアを、可能な範囲で新しいバージョンに更新します。
-y
途中で表示される確認に対して、自動で yes と答えるオプションです。
2. Minecraftサーバー用のフォルダを作成する
次に、Minecraftサーバー用の作業フォルダを作成します。
mkdir ~/minecraft
cd ~/minecraft
コマンドの意味
mkdir
フォルダを作成するコマンドです。
~/minecraft
~ は現在ログインしているユーザーのホームディレクトリを表します。
つまり、~/minecraft はホームディレクトリの中にある minecraft フォルダという意味です。
cd
指定したフォルダに移動するコマンドです。
今回は、作成した minecraft フォルダに移動しています。
cd ~/minecraft
3. Javaをインストールする
Minecraft Java Editionのサーバーを動かすには、Javaが必要です。
まず、Javaがすでに入っているか確認します。
java -version
Javaが入っていない場合は、Javaをインストールします。
今回使用するMinecraft Java Edition 26.1.2では、Java 25が必要です。
sudo apt install -y openjdk-25-jre-headless wget
インストールできたら、もう一度バージョンを確認します。
java -version
Java 25系が表示されればOKです。
例:
openjdk version "25..."
もし openjdk-25-jre-headless が見つからない場合は、Raspberry Pi OSのバージョンやaptのリポジトリによってJava 25が提供されていない可能性があります。
その場合は、Raspberry Pi OSのバージョンを確認するか、別の方法でJava 25をインストールする必要があります。
4. Minecraftサーバーのjarファイルをダウンロードする
Minecraft Java Editionのサーバーファイルは、公式サイトからダウンロードできます。
公式ページはこちらです。
公式ページを開くと、以下のような文章があります。
minecraft_server.26.1.2 をダウンロードし、以下のコマンドで実行します。
この記事を書いている時点では 26.1.2 が表示されています。
ただし、Minecraftはアップデートされるため、記事を読むタイミングによって表示されるバージョンが変わっている可能性があります。
そのため、この記事のURLをそのまま使うよりも、公式サイトに表示されている最新版のリンクをコピーして使う方が安全です。
ダウンロードURLをコピーする
公式サイトの minecraft_server.26.1.2 のリンク部分を右クリック、またはダブルクリックして、リンクのアドレスをコピーします。
コピーしたURLを使って、Raspberry Pi側で以下のように実行します。
wget コピーしたURL -O server.jar
コマンドの意味
wget
URLを指定してファイルをダウンロードするコマンドです。
コピーしたURL
公式サイトからコピーしたMinecraftサーバーjarファイルのURLです。
Minecraftのバージョンが変わると、このURLも変わる可能性があります。
そのため、公式サイトから現在表示されているURLをコピーして使います。
-O server.jar
ダウンロードしたファイルを server.jar という名前で保存する指定です。
公式サイト上では minecraft_server.26.1.2.jar のような名前で表示されることがありますが、この記事では分かりやすくするために server.jar という名前で保存します。
そのため、以降のコマンドでは server.jar というファイル名で実行します。
ダウンロードできたか確認します。
ls
以下のように server.jar が表示されればOKです。
server.jar
5. サーバーを一度起動する
ダウンロードした server.jar を使って、Minecraftサーバーを一度起動します。
java -Xmx4G -Xms2G -jar server.jar nogui
コマンドの意味
java
Javaアプリケーションを実行するコマンドです。
-Xmx4G
サーバーが使用できる最大メモリ量を4GBに設定しています。
-Xms2G
サーバー起動時に最初から確保するメモリ量を2GBに設定しています。
-jar server.jar
server.jar というJavaのjarファイルを実行するという意味です。
nogui
GUI画面なしでサーバーを起動する指定です。
Raspberry Pi上でサーバーを動かす場合、基本的にはGUIは不要なので nogui を付けます。
Raspberry Pi 5のメモリ容量によって、-Xmx や -Xms の値は調整してください。
例えば、4GBモデルで -Xmx4G のように設定すると、OS側のメモリが不足する可能性があります。
4GBモデルの場合は、以下のように少し小さくする方が安全です。
java -Xmx2G -Xms1G -jar server.jar nogui
8GBモデルであれば、以下のような設定でも動かしやすいです。
java -Xmx4G -Xms2G -jar server.jar nogui
6. 初回起動は失敗する
初回起動時は、サーバーがそのまま起動せずに停止します。
これは失敗というより、正常な動きです。
Minecraftサーバーを起動するには、利用規約であるEULAに同意する必要があります。
初回起動すると、同じフォルダ内に eula.txt というファイルが作成されます。
ファイル一覧を確認します。
ls
以下のようなファイルが表示されます。
eula.txt
logs
server.jar
server.properties
7. eula.txtを編集する
eula.txt を開きます。
nano eula.txt
中に以下のような記述があります。
eula=false
これを次のように変更します。
eula=true
これは、MinecraftのEULAに同意するという意味です。
この設定を true にしないと、Minecraftサーバーは起動できません。
8. nanoで保存して終了する
nano で編集したら、以下の手順で保存して終了します。
保存する
Ctrl + O を押します。
その後、ファイル名を確認する表示が出るので、Enter を押します。
終了する
Ctrl + X を押します。
これで eula.txt の編集が完了します。
もし先に Ctrl + X を押した場合でも、保存するか聞かれたら Y を押して、最後に Enter を押せば保存できます。
9. Raspberry PiのIPアドレスを確認する
Minecraft側からRaspberry Piに接続するために、Raspberry PiのIPアドレスを確認します。
hostname -I
例えば、以下のように表示されます。
192.168.1.25
このIPアドレスを、あとでMinecraftのサーバー追加画面に入力するので保管していてください。
10. サーバーを起動する
EULAの設定が完了したら、もう一度サーバーを起動します。
java -Xmx4G -Xms2G -jar server.jar nogui
そうすると、ターミナル上でMinecraftサーバーが起動し続けています。
このターミナルを閉じると、Minecraftサーバーも停止します。
今回は手動起動までを扱います。
電源起動時に自動でサーバーを起動する方法は、次回の記事で扱う予定です。
11. Minecraftから接続する
PC側でMinecraft Java Editionを起動します。
手順は以下です。
- Minecraft Java Editionを起動する
- 「サーバーを追加」を選択する
- サーバーアドレスにRaspberry PiのIPアドレスを入力する
- サーバーに接続する
サーバーアドレスには、先ほど確認したRaspberry PiのIPアドレスを入力します。
例:
192.168.1.25
Raspberry PiとPCが同じWi-Fiに接続されていれば、このIPアドレスで接続できます。
今回できたこと
この記事では、以下のところまで実施しました。
- Raspberry Pi OSを最新状態にした
- Minecraftサーバー用フォルダを作成した
- Javaをインストールした
- Minecraft Java Editionサーバーのjarファイルをダウンロードした
- EULAに同意した
- Raspberry PiのIPアドレスを確認した
- 同じWi-Fi内のPCからMinecraftサーバーに接続した
次回やること
- Raspberry Piの電源起動時にMinecraftサーバーを自動起動する
- シェルスクリプトで起動コマンドをまとめる
-
systemdを使ってみる - 外部の友達とセキュアにマルチプレイする方法
- ポート開放などの注意点を整理する
インターネットに公開する場合は、セキュリティを考える必要があります。
安易にポート開放すると、自宅ネットワークを外部にさらすことになります。
外部公開する場合は、ポート開放、ファイアウォール、VPN、固定IP、DDNSなどを理解した上で設定する必要があります。
まとめ
Raspberry Pi 5を使うことで、Minecraft Java Editionのサーバーを構築できます。
今回押さえておきたいポイント
- Minecraft Java Edition用のサーバーである
- Javaが必要
- Minecraftのバージョンによって必要なJavaのバージョンが変わる
- 初回起動後にEULAへの同意が必要
- 同じWi-Fi内ではローカルIPアドレスで接続する
- ターミナルを閉じるとサーバーも止まる
- 外部公開にはセキュリティ上の注意が必要