仕事をしていて何かしらつまづいたとき、同僚や上司、あるいはその道の詳しい人に質問することはごく自然な行動です。私はこの「質問する」という行為自体がとても大切だと考えています。質問をすることで、単に問題を解決するだけでなく、思考の整理や新たな発見につながることが多いからです。
良い質問は課題の整理になる
プログラミングあるあるで、相談相手に質問をしているうちに自分で答えにたどり着いてしまうという経験はないでしょうか。これは決して珍しいことではなく、むしろ「質問する」という行為が持つ本質的な価値の一つだと思います。
質問するとき、私たちは通常、
- どこまで理解できているか
- どこから理解できていないか
を整理しながら、質問相手に伝えようとします。このプロセスの中で、自分の考えの整理が進み、ロジックの矛盾や思い違いに気づくことがあります。その結果、質問をし終わる前に自己解決してしまうのです。
また、仮に質問をした相手が直接的な答えを持っていなかったとしても、質問を整理することで「どの部分をどう解決すれば全体が解決するのか」が見えてくることがあります。質問する行為自体が、問題を構造化し、解決への道筋を立てる助けとなるのです。
この効果は、人に質問する場合だけでなく、自分で Google 検索をする際にも応用できます。適当にキーワードを並べて検索するよりも、課題を整理しながら質問を組み立てることで、より適切な検索キーワードを選ぶことができ、検索結果への理解も深まります。
良い質問はアイデアのタネになる
良い質問をすることで、課題の構造が浮き彫りになり、それが新たなアイデアにつながることもあります。
例えば、「なぜこのコードが動かないのか?」と考えたとき、
- そもそもこのコードはどのように動作するべきなのか?
- どの部分が期待通りに動いていないのか?
- どのような原因が考えられるか?
- どうすればこの問題を解決できるか?
といった具合に、問題を深掘りしていくことになります。これはまさに、論理的思考を鍛えるトレーニングになり、ひいては新しい発想の源泉にもなり得ます。
実際、多くの技術的ブレイクスルーは、「そもそもこの問題はなぜ起きるのか?」という問いから生まれています。良い質問をすることで、新しい技術的アプローチや、より洗練されたソリューションが見つかることもあるのです。
良い質問は質の高いコミュニケーションを促す
質問の仕方が良いと、単なる問題解決にとどまらず、質の高いコミュニケーションを生むきっかけにもなります。
例えば、相手が答えやすい形で質問を整理すると、相手もスムーズに考えを共有できるようになります。また、質問の仕方が的確であればあるほど、相手との意思疎通がスムーズになり、誤解が減ります。
さらに、良い質問をすることで、チーム内での知識共有が活発になります。質問の過程で新たな視点が生まれたり、他のメンバーの経験やノウハウを引き出したりすることができるため、組織全体の成長にもつながるのです。
特に、リモートワーク環境では、テキストベースでのやり取りが多くなります。そのため、相手がスムーズに理解できるよう、背景情報を適切に整理し、簡潔かつ明確な質問をすることが求められます。良い質問は、円滑なコミュニケーションを生み、効率的な問題解決につながります。
まとめ
質問をすることは、単なる問題解決手段にとどまりません。良い質問は、
- 自分の理解を整理し問題の本質を明らかにする
- 検索や調査の精度を向上させる
- 新たなアイデアのきっかけを生む
- 質の高いコミュニケーションを促進する
というメリットをもたらします。普段の業務においても、「質問力」を意識してみることで、より効率的に問題解決ができるだけでなく、知識の蓄積や成長にもつながるはずです。
仕事で何かにつまづいたときには、ぜひ「どう質問すればより良い答えにたどり着けるか」を考えてみてください。