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Lambda + S3 で、CloudWatch Logsのログをログローテーションする

Last updated at Posted at 2019-01-16

#🔷 はじめに
AWSの各種プロダクトのログは、CloudWatchに出力する事ができます。
そして、CloudWatchに出力したログは、手動でS3にエクスポートする事もできます。

しかし、S3に自動でログローテーションする機能はありません。(2018年12月時点)

そこで、今回は、ログローテーションをLambdaで実現したいと思います。

#🔷 作業手順
今回は、CloudWatchのログを日次処理でS3にエクスポートする処理を行う、Lambda関数を作成します。
作業手順は大きく3つになります。

  1. S3のバケットを作成する。
  2. CloudWatch LogsのログをS3にエクスポートする処理を行う、Lambda関数を作成する。
  3. CloudWatch Eventsで、Lambda関数が日次処理で実行するように設定する。

#🔷 実装
##🔶 S3のバケット作成

S3は「バケット」と呼ばれる空間にデータを格納します。
まずは、ログの格納先となるバケットを作成します。

Amazon S3
https://s3.console.aws.amazon.com/s3/home

1. S3の[バケットを作成する] ボタンをクリックします。
S0.png  
必要項目を入力します。
s00.png  
⬛バケット名
・任意のバケット名を入力します。
・ただし、この名称がそのままURLなるので、他と重複しない名前にする必要があります。
・今回は、「test-logs-2-0-1-8」とします。
⬛リージョン
・CloudWatchのログと同じリージョンを選択する必要があります。
・今回は米国東部(バージニア北部)を選択します。

2. バケットが作成されたら、バケットに対する権限を設定します。
s01.png  
対象バケットを開き、[アクセス権限]→[バケットポリシー]をクリックします。
S02.png  
バケットポリシーはJSON形式で記述します。
以下の内容を貼り付けます。

{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Action": "s3:GetBucketAcl",
            "Effect": "Allow",
            "Resource": "arn:aws:s3:::test-logs-2-0-1-8",
            "Principal": { "Service": "logs.us-east-1.amazonaws.com" }
        },
        {
            "Action": "s3:PutObject" ,
            "Effect": "Allow",
            "Resource": "arn:aws:s3:::test-logs-2-0-1-8/log-okiba/*",
            "Condition": { "StringEquals": { "s3:x-amz-acl": "bucket-owner-full-control" } },
            "Principal": { "Service": "logs.us-east-1.amazonaws.com" }
        }
    ]
}

簡単に説明すると、バケットに以下の権限を付与しています。

  • 「test-logs-2-0-1-8」バケットにアクセスする権限(s3:GetBucketAcl)
  • 「test-logs-2-0-1-8」バケットの「log-okiba」プレフィックス(フォルダ)に、ファイルを書き込む権限(s3:PutObject)
  • バケット利用対象サービスは、CloudWatch Logs  

3. 作成したバケットの設定が上手くいっているか、実際にログをエクスポートして確認します。
CloudWatch Logsでロググループを選択して、[アクション]→[データをS3にエクスポート]をクリックします。
S03.png

エクスポートする範囲と、エクスポート先を設定します。
S04.png

⬛開始日
・エクスポートしたいログの範囲の、開始日を設定します。
⬛終了日
・エクスポートしたいログの範囲の、終了日を設定します。
⬛バケット名
・エクスポート先のバケット名を設定します。
・今回は作成した「test-logs-2-0-1-8」バケットを設定します。
⬛バケットプレフィックス
・エクスポート先のバケットの、プレフィックス名を設定します。
・今回は権限設定でarn:aws:s3:::test-logs-2-0-1-8/log-okiba/*と設定したので、「log-okiba」とします。
・もしarn:aws:s3:::test-logs-2-0-1-8/*と設定していたら、記載しなくても大丈夫でした。  
入力したら[エクスポートの開始]ボタンをクリックします。

4. S3で「test-logs-2-0-1-8」バケットの中を確認します。
「log-okiba」プレフィックスが作られています。さらにその中にはログがエクスポートされています。
S05.png
確認できたら、バケットの中身は削除しましょう。

5. ログの保持期間の設定。
ログローテーションで毎日ログをエクスポートするので、ログの保持期間は短くします。
CloudWatch Logsで、対象のロググループのイベント失効期間をクリックします。
S06.png
保持期間を変更します。
S07.png
⬛保持期間
・任意の保持期間を選択します。
・今回は毎日エクスポートするので、3日間にします。

[OK]ボタンをクリックしたら、CloudWatch Logsの設定は完了です。

##🔶 Lambda関数の作成

先程、CloudWatchのログをS3にエクスポートする処理を手動で行いましたが、同じ事を自動で行うLambda関数を作成します。

AWS Lambda
https://console.aws.amazon.com/lambda/home

1. [関数の作成]ボタンをクリックして、作成を開始します。
L00.png

2. 今回は、「一から作成」でLambda関数を作成します。
L01.png
⬛名前
・任意の名称を入力します。
・今回は「exportLogTest」とします。
⬛ランタイム
・今回はNode.js 8.10を選択します。
L02.png
⬛ロール
・LambdaにS3やCloudWatchを操作する権限を設定します。
・そのような権限のみが設定されたロールは都合よく無いので、今回はロールを作成します。
カスタムロールの作成を選択します。

カスタムロールの作成を選択すると、ロール作成画面が開きます。
L02_iam01.png
⬛IAMロール
新しいIAMロールの作成を選択します。
⬛ロール名
・任意の名称を入力します。
・今回は「exportLogTestRole」とします。

権限の内容はポリシードキュメントにJSON形式で書きます。編集リンクをクリックします。

L02_iam02.png

デフォルトは、以下のようにLambdaからCloudWatch Logsにログを出力するための、3つの権限のみが設定されています。

  • logs:CreateLogGroup
  • logs:CreateLogStream
  • logs:PutLogEvents

ここに、以下のようなログをエクスポートする権限と、S3バケットにアクセスして、書き込む権限を追加します。

  • logs:CreateExportTask
  • s3:GetBucketAcl
  • s3:PutObject

よってポリシードキュメントは以下のように編集します。

{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Effect": "Allow",
            "Action": [
                "logs:CreateLogGroup",
                "logs:CreateLogStream",
                "logs:PutLogEvents",
                "logs:CreateExportTask",
                "s3:GetBucketAcl",
                "s3:PutObject"
            ],
            "Resource": "*"
        }
    ]
}

編集したら、[許可]ボタンをクリックします。

Lambda関数の作成画面に戻るので、[関数の作成]ボタンをクリックします。

L02_iam03.png

3. Lambda関数のコードを書きます。

作成したLambda関数に、CloudWatch LogsとS3への権限が設定されていれば下のように、表示されます。
L03.png
index.jsに、ログをバケットにエクスポートする処理を書きます。

L04.png 以下の内容を貼り付けるだけでOKです。
'use strict';

const aws = require('aws-sdk');
aws.config.update({region: 'us-east-1'}); // バージニア北部にグローバルリージョンを指定

/**
 * メイン処理
 * @param event : 呼び出し元サービスから渡される値
 * @param context : AWS側の各種情報
 * @param callback : 呼び出し元サービスへ返す値
 * 
 */
exports.handler = (event, context, callback) => {
  const cloudwatchlogs = new aws.CloudWatchLogs();
  let params;
  let getToTime = [];
  getToTime = getTimeData();
  

  /* 
  "destination"で設定したS3バケットに、"destinationPrefix"で設定したフォルダを作り、
  "logGroupName"で設定したCludWatchのロググループのlogをexportする。
  exportするlogの範囲は、"from"から"to"で設定した範囲。
  */
  params = {
    'destination': process.env.BucketName,
    'from': getToTime[0],
    'to': getToTime[1],
    'logGroupName': process.env.LogGroupName,
    'destinationPrefix': `${process.env.DestinationPrefix}/${getToTime[2]}`,
    'taskName': `${process.env.TaskName}/${getToTime[2]}`
  };

  console.log(JSON.stringify(params));

  /* logのexport処理 */
  cloudwatchlogs.createExportTask(params, (err, data) => {
    let response;
    if (err) {
      console.log(err, err.stack);
      response = err.stack;
    } else {
      console.log(data);
      response = data;
    }
    callback(null, response);
  });
};


/**
 * ログ取得の開始日時、終了日時、日付フォーマットを返す。
 * ログデータは、エクスポートできるようになるまで最大 12時間かかる場合があるので、
 * 1日前のログを取得するように日時を調整。
 * @return arr : [from, to, format]
 * 
 */
function getTimeData() {
  let arr=[];
  let now = new Date();
  now.setTime(now.getTime() + 1000*60*60*9);// JSTに変換
  let yyyy,mm,dd;
  console.log(now);

  /* 開始日:fromをarrにセット */
  now.setDate(now.getDate()-2);
  now.setHours(0);
  now.setMinutes(0);
  now.setSeconds(0);
  now.setMilliseconds(0);
  arr.push(now.getTime());
  console.log(`ログ取得from:${now.getFullYear()}/${now.getMonth() + 1}/${now.getDate()}`);
  
  /* 終了日:toをarrにセット */
  now.setDate(now.getDate()+1);
  arr.push(now.getTime());
  console.log(`ログ取得to:${now.getFullYear()}/${now.getMonth() + 1}/${now.getDate()}`);

  yyyy = now.getFullYear();
  mm = ('0' + (now.getMonth() + 1)).slice(-2);
  dd = ('0' + now.getDate()).slice(-2);
  arr.push(`${yyyy}-${mm}-${dd}`);
  
  return arr;
}

キモとなる処理は、createExportTaskに、paramでまとめたdestinationlogGroupName 等の必要パラメータを渡して、ログのエクスポートを実行しているところです。(参考:createExportTask

getTimeDataでログの取り込み範囲を2日前〜1日前にしていますが、これはドキュメントに、

ログデータは、エクスポートできるようになるまで最大 12時間かかる場合があります。

と書かれているためです。(参考:Amazon S3 へのログデータのエクスポート

paramsで渡している必要パラメータは、バケットの変更等に対応しやすいように、直接ソースに書かずに、process.env.○○で環境変数に設定しています。
(必要なければ、設定しないでソースの中に直接書き込んでOKです。)
L05.png
⬛環境変数

  • BucketName : test-logs-2-0-1-8
  • DestinationPrefix : log-okiba
  • LogGroupName : hello-api-logs
  • TaskName : export_task

また、エクスポート処理は数秒では完了しない可能性が高いので、タイムアウトする時間も延長します。
L06.png
⬛タイムアウト
・Lambda関数を実行した時の、タイムアウトまでの時間。
・今回は1分とします。

##🔶 日次実行ルールの作成。
1. Lambda関数を実行するトリガを設定します。
LambdaのDesignerメニューの中から、CloudWatch Eventsをクリックします。
すると、下図のようにトリガとしてCloudWatch Eventsがセットされるので、さらにセットされたアイコンをクリックします。
L07.png
「トリガーの設定」メニューが表示されます。
L08.png
⬛ルール
新規ルールの作成を選択します。
L09.png
ルールの詳細を設定します。
L09.png
⬛ルール名
・任意の名称をセットします。
・今回はdaily_exe_test_ruleとします。
⬛ルールの説明
・分かりやすい説明を入力します。
・今回は、毎日、日本時間の01:05にLambda関数を実行するルールを作るので、その旨を記載します。
⬛ルールタイプ
イベントパターンは指定のAWSプロダクトで発生するイベントをトリガとするタイプです。
・今回は、毎日指定の時間をトリガにしたいので、スケジュール式を選択します。
⬛スケジュール式
・実行ルールの式をセットします。
・今回は、毎日、日本時間の01:05にLambda関数を実行するルールを作るので、cron(5 16 * * ? *)をセットします。(UTCの時差9時間を足した時間)
・式の書き方はルールのスケジュール式を参照。

最後に、[保存]ボタンをクリックして、Lambdaの設定は完了です。
L10.png

##🔶 動作確認
正常に処理が実行できていれば、以下のように日毎にログがエクスポートされます。
S08.png

##🔶 注意
手動やLambadaから、エクスポートを行った時に、「エクスポートタスク」が上がりますが、エクスポートタスクを複数立ち上げる事はできません。
ドキュメントにも以下のように書かれています。

アカウントごとに、一度に 1 つのアクティブ (実行中または保留中) のエクスポートタスクがあります。この制限は変更できません。

そのため、エクスポートの自動実行を複数設定している場合、他と実行のタイミングが被らないように、注意が必要です。

#🔷 参考
AWS CLI を使用した Amazon S3 へのログデータのエクスポート
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonCloudWatch/latest/logs/S3ExportTasks.html

CloudWatch Logs に蓄積したログをS3に定期的にエクスポートする
https://honeybe.hatenablog.jp/entry/2018/03/14/114635

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