FRB実験ログ #72 — 半田付け無しで、ESP32振動測定器は作れるのか?
はじめに
今回は、FRB FFT Monitor 用のミニマム測定器、いわゆる FRB 測定2号機くん を作ってみた。
4本線を繋いで、インストーラー実行するだけで動くか!??トライアル!!
2026/6/3 測定2号機くんのESP32 技適マーク 疑惑発生!!
認可番号 刻印小さすぎで読めない!!疑惑!!
測定2号機くん 本日をもって退場頂きます!!
皆さんは、技適マークの刻印が読めるものを買いましょう!!失敗・・・💦
新しいやつ発注しておきました・・・💦
手順には影響しません。
補足:測定1号機くんの認可情報は総務省のHPで確認できました💦 2026/6/3追記💦
テーマはこれである。
半田付け無し縛り。
電子工作に慣れている人なら、
「いや、半田付けした方が早いでしょ」
となると思う。
それはその通りである。
ただ、今回はあえて半田付けを使わず、
ESP32とMPU-6050だけで、どこまで振動測定器を作れるかを試してみた。
目的は、完成度の高い電子工作ではない。
自分の手元で、振動がグラフになる体験を作ること。
FRBは、ロッド感度を「振動」として比較・可視化しようとする試みである。
その入口として、
できるだけ安く、
できるだけ簡単に、
できるだけ特別な工具なしで、
FFT Monitor を動かせないか。
今回は、そのためのミニマム構成である。
今回作ったもの
今回作ったのは、ESP32とMPU-6050を使った簡易振動測定器である。
ESP32にFRB FFT Monitor用のファームウェアを書き込み、
ESP32がWi-Fiアクセスポイントとして起動する。
そのWi-FiにPCまたはスマホから接続し、
ブラウザで以下を開く。
http://192.168.4.1
すると、ブラウザ上にFFT Monitorが表示される。
つまり、構成としてはかなりシンプルである。
MPU-6050
↓
ESP32
↓ Wi-Fi
ブラウザ表示
見た目はかなり工作である。
しかし、うまくいけば振動は測れる。
FRB 2号機に必要なもの
電子部品
| 品名 | 目安価格 | メモ |
|---|---|---|
| ESP32-DevKitC 開発ボード | 約1800〜2,600円 | 技適認可取得済みのものを買いましょう。(2026/6/3) |
| MPU-6050 加速度センサーモジュール | 約500円 | |
| ジャンパーワイヤー メス-メス | 約700円 | ESP32とMPU-6050の接続用 |
| USBケーブル | 110円〜 | 必ずデータ通信対応。充電専用は不可 |
ここで特に重要なのが、USBケーブルである。
USBケーブルは、必ず「データ通信対応」のものを使ってください。
充電専用ケーブルでは、ESP32がPCに認識されません。
これは初心者がかなり詰まりやすいポイントだと思う。
ESP32がPCに認識されない場合、
ESP32本体やドライバを疑う前に、
まずUSBケーブルがデータ通信対応か確認した方がよい。
わからなければ、百均で「データ通信対応」のケーブルを入手してからやるのが手堅いかもしれません。
百均・工作材料
| 品名 | 用途 |
|---|---|
| 薄い板 8cm × 3cm × 5mm 程度 | センサー固定台・接触安定化用 |
| シリコンっぽいゴム、女性用髪留めゴムなど | ロッドへの固定・接触圧調整 |
| 薄型両面テープ | センサーや板の仮固定 |
| グルーガン | 任意。固定補強用 |
| 小さなネジ | 任意。しっかり固定したい場合 |
| つまようじ | 任意。スペーサー、押さえ、仮固定の調整用 |
今回の構成では、百均素材をかなり使っている。
薄い板は、ESP32やMPU-6050を一体化するための土台である。
センサーとESP32がバラバラに動くと、
振動測定器として扱いにくい。
そこで、薄い板に部品をまとめて固定し、
ロッドに当てたり、ゴムで固定したりしやすい形にした。
最低構成
最低限なら、必要なのはこれである。
ESP32-DevKitC
MPU-6050
ジャンパーワイヤー
データ通信対応USBケーブル
薄い板
固定用ゴム
薄型両面テープ
もちろん、きれいに作ろうと思えば、
ネジやスペーサー、ケースなども欲しくなる。
しかし今回は、ミニマム構成である。
まずは動くこと。
まずは、振動がグラフになること。
そこを目指した。
配線
配線はジャンパーワイヤー4本だけである。
| ESP32-DevKitC | MPU-6050 | 用途 |
|---|---|---|
| 3V3 | VCC | 電源 |
| GND | GND | GND |
| D22 | SCL | I2Cクロック |
| D21 | SDA | I2Cデータ |
配線自体は簡単である。
問題は、配線の数ではない。
接触である。
半田付け無し縛りの難しさ
今回、あえて半田付けを使わずに作った。
そのため、MPU-6050の端子とジャンパーワイヤーの接触を、
どうやって安定させるかが最大の課題になった。
最初はこう思っていた。
「グルーガンで固定すれば、なんとかなるやろ」
しかし、現実は甘くなかった。
グルーガンは、基板や配線の位置を固定するには便利だった。
でも、端子の接触圧を維持するには足りなかった。
見た目には固定できている。
でも、センサー値が安定しない。
つまり、
固定できているように見えることと、電気的に安定して接触していることは別だった。
直角コネクタを使った理由
今回、MPU-6050には直角コネクタを採用した。
通常のピンヘッダをまっすぐ立てるのではなく、
直角に曲がったコネクタを使った。
理由はシンプルである。
上から押し付けやすいから。
半田付け無しの場合、
ジャンパーワイヤーを差しただけでは接触が不安定になりやすい。
そこで、直角コネクタを使い、
上から押さえ込むことで接触を安定させる構造を狙った。
つまり今回の工作は、
電子回路というより、
加速度センサーの接触状況をどう制するか
の実験だった。
グルーガンだけでは足りなかった
実際に組んでみると、
グルーガンだけでは接触が安定しなかった。
グルーガンでMPU-6050を固定しても、
端子部分の押し付けが弱い。
少し動くだけで接触が変わる。
その結果、
センサー値が不安定になったり、
正しく読めているのか不安になる状態が発生した。
ここで分かった。
半田付け無し構成の敵は、配線ミスではなく接触不良である。
最終的にはゴムで押さえた
最終的には、百均の髪ゴムでMPU-6050周辺を押さえる構成にした。
構造としてはこうである。
- MPU-6050に直角コネクタを使う
- ジャンパーワイヤーを接続する
- 薄い板に配置する
- 両面テープやグルーガンで位置を仮固定する
- ゴムで上から押さえて接触圧を維持する
これでようやく接触が安定した。
かなり原始的である。
しかし、効果はあった。
FRB的に言えば、
ここで必要だったのは電子工作力ではなく、
接触圧の制御 だった。
ESP32への書き込み
今回、公開用として、インストーラー(BATファイル)も開発した。
ファームウェアの書き込みは、
同梱したインストール用ファイルから行う。
基本的な流れは以下である。
- ESP32をUSBでPCに接続する
- WindowsのデバイスマネージャーでCOMポートを確認する
- インストール用batファイルを実行する
- COMポート番号を入力する
- 書き込みが始まるのを待つ
ESP32によっては、書き込み時にBootボタンを押す必要がある。
Connecting... のような表示で止まった場合は、
ESP32上の Bootボタン を押し続ける。
書き込みが始まったら、Bootボタンは離してよい。
最後に、
Flash completed successfully
のような表示が出れば、書き込み成功である。
Wi-Fi接続
書き込みが成功すると、ESP32側でWi-Fiアクセスポイントが立ち上がる。
PCまたはスマホから、以下のWi-Fiに接続する。
SSID: ESP32_FFT
Password: 12345678
接続後、ブラウザで以下を開く。
http://192.168.4.1
FRB FFT Monitor の画面が表示されれば成功である。
今回分かったこと
今回一番大きかった気づきはこれである。
半田付け無しでも動かすことはできる。
ただし、加速度センサーの接触状況を制することが鍵になる。
ESP32の設定でもない。
FFT解析でもない。
ブラウザ画面でもない。
最初に詰まるのは、かなり高い確率でここだと思う。
MPU-6050の接触不良。
特に振動測定では、
装置そのものが揺れる。
つまり、普通の電子工作よりも接触不良が起きやすい。
センサーが揺れを測る前に、
センサーの接触が揺れてしまう。
これはかなり重要なポイントだった。
注意点
今回の半田付け無し構成は、
あくまで試作・体験用のミニマム構成である。
長時間安定して使う場合や、
再現性を重視する場合は、
半田付けによる固定を推奨します。
また、ESP32やMPU-6050には互換品や基板違いがあるため、
本記事の構成で必ず動作することを保証するものではない。
この記事は、
「私はこの構成で作りました」
という参考構成として残している。
おまけ:これからESP32を買う場合の目安(ChatGPT見解)
今回、私が使った安いESP32は、購入元のURLをすでに案内できない状態になっていた。
そのため、本記事では
「この商品を買えば動きます」
という紹介はしない。
代わりに、ChatGPTに聞いた
FRB FFT Monitor 用として使えそうなESP32開発ボードの条件
を参考情報として残しておく。
以下はChatGPTによる一般的な見解です。
特定商品の動作保証ではありません。
ESP32互換ボードには基板違い・USB変換チップ違い・ピン配置違いがあるため、購入前に商品説明やピン表記を確認してください。
FRB FFT Monitor 用としては、以下のような条件のESP32開発ボードが使いやすいと考えられる。
- ESP32-DevKitC系、またはそれに近い開発ボード
- ESP32-WROOM-32 / ESP32-WROOM-32E 系モジュール搭載
- USB接続でPCから書き込みできるもの
- USB-UARTブリッジ搭載
- 3V3 / GND / D21 / D22 ピンが外に出ているもの
- Bootボタン、Resetボタンがあるもの
- WindowsのデバイスマネージャーでCOMポートとして認識できるもの
今回の配線で必要なのは、最低限以下の4本である。
| 用途 | ESP32側 |
|---|---|
| 電源 | 3V3 |
| GND | GND |
| I2C SCL | D22 |
| I2C SDA | D21 |
そのため、購入時には少なくとも
3V3 / GND / D21 / D22
が基板上で確認できるものを選ぶのがよさそうである。
避けた方がよさそうなもの
初心者が今回の構成を再現する場合、以下は避けた方が無難だと思う。
- ESP32-C3 / S2 / S3 など、今回と系統が違うもの
- ピン表記が分かりにくいもの
- D21 / D22 が見当たらないもの
- USB端子がないもの
- 書き込みに別途USBシリアル変換器が必要なもの
- 極端に小さい基板で、ピン接続が難しそうなもの
もちろん、詳しい人なら対応できる可能性はある。
ただ、今回の記事は
半田付け無し・ミニマム構成でまず動かす
ことを目的としているため、最初はできるだけ素直なESP32-DevKitC系を選ぶのが安全だと思う。
うまくいけば、インストーラーバッチファイル実行だけで動くようになるかも・・・。
ざっくり費用感
今回の構成は、かなりミニマムに寄せている。
納期を急いで買うと高くなるが、
部品代だけなら 4,000円前後 で組める可能性がある。
今回の目安はこんな感じである。
| 部品 | 目安価格 |
|---|---|
| ESP32 | 約2000円 |
| MPU-6050 加速度センサー | 約600円 |
| ジャンパーワイヤー | 約700円 |
| 百均材料 | 約300〜600円 |
| USBケーブル | 約110〜330円 |
| 合計 | 約4000円前後 |
もちろん、価格は購入時期・販売店・納期・送料によって変わる。
ESP32は、技適認可取得済みのものを買いましょう。
なので、この記事では特定の商品をおすすめするのではなく、
納期を急がなければ、
ESP32 + MPU-6050 + 百均材料で、
4,000円前後からFRB FFT Monitorの入口に立てるかもしれない
という目安として残しておく。
重要なのは、高価な測定器をいきなり買うことではない。
まずは、
自分の手元で振動がグラフになる体験をすること。
これができると、
ロッドの「感度」という言葉の見え方が少し変わる。
インストールZipについて
失敗リスクを受容できる方向けに、
FRB FFT Monitor を ESP32 に書き込むためのインストールZipも用意した。
frb-fft-monitor-installer-v0.1
ただし、これはあくまで私の手元環境で動作したものである。
ESP32の種類、USBドライバ、COMポート、PC環境、配線、MPU-6050の接触状態によって、
正常に動作しない可能性がある。
:::note warn
本Zipは動作保証付きの配布物ではありません。
失敗しても自力で試行錯誤できる方向けの参考配布です。
それでも、
失敗してもいいから、とりあえず試してみたい
という方は、こちらのインストールZipをダウンロードすれば、
ESP32上で FRB FFT Monitor が動くかもしれない。
うまくいけば、ESP32にWi-Fiで接続し、
ブラウザからFFTモニター画面を開けるようになる。
SSID: ESP32_FFT
Password: 12345678
URL: http://192.168.4.1
もしうまくいかない場合は、以下を確認してみてほしい。
- ESP32がPCでCOMポートとして認識されているか
- USBケーブルがデータ通信対応か
- 書き込み時にBootボタンを押す必要がないか
- MPU-6050の配線が正しいか
- MPU-6050の接触が安定しているか
- D21 / D22 の配線が逆になっていないか
特に今回の半田付け無し構成では、
MPU-6050の接触不良 が最大の敵だった。
FFTモニターが動かない場合、
ソフトではなく、まず接触を疑った方が早いかもしれない。
それでもダメだった場合
それでもうまくいかない場合もあると思う。
その場合でも、FRB FFT Monitor のソースコードや関連ファイルは GitHub に公開している。
つまり、少なくとも中身は見える。
エラーが出た場合は、
- エラーメッセージ
- 使っているESP32の種類
- COMポート番号
- 配線写真
- 実行したbatファイル名
- どこで止まったか
あたりを整理して、ChatGPTに聞けば、
どうにかなるかもしれない。
うまくいかない場合は、ChatGPTに聞いてみてください。
たぶん、何かしら一緒に悩んでくれます。
動作保証はできない。
でも、ソースはある。
ログもある。
エラーも読める。
そして、ChatGPTもいる。
なので、失敗しても終わりではない。
むしろ、そこからが電子工作である。
一緒に遊んでくれる方へ
今回の記事は、完成された製品の紹介ではない。
「ESP32とMPU-6050だけで、どこまでFRB FFT Monitorを体験できるか」
という、まだ実験途中のミニマム構成である。
そのため、成功報告だけでなく、失敗報告にも価値がある。
どのESP32で動いたのか。
どのMPU-6050で接触が不安定だったのか。
半田付け無しでどこまで安定したのか。
どこで詰まったのか。
そういう情報が集まることで、
この構成は少しずつ育っていくと思っている。
FRBは、ロッドの感度を一人で決めるためのものではなく、
感じた違いを共有するための試みである。
だから、この測定器づくりも、
一方通行の配布ではなく、
できれば双方向の遊びにしたいと思っている。
成功・失敗を問わず、
もし試してみた方がいれば、
Xでコメントをもらえると励みになります。
一緒に遊んでくれる方、募集中です。笑
まとめ
今回は、FRB FFT Monitor 用の測定器を、
あえて半田付け無しで作ってみた。
結果として、
- ESP32とMPU-6050だけで測定器は作れる可能性がある
- 配線はジャンパーワイヤー4本でよい
- ただしMPU-6050の接触安定化が最大の課題
- USBケーブルはデータ通信対応が必須
- グルーガンだけでは接触圧の維持が難しい
- 直角コネクタ+ゴム押さえが有効だった
- 安定運用するなら半田付け推奨
- うまくいかなくても、GitHubとChatGPTがある
ということが分かった。
今回の結論はシンプルである。
FRB測定器のミニマム構成は、電子工作というより接触制御だった。
接触を制する者が、
FRB測定器を制する。
たぶん。
最後に
うまくいけば、約3,000円前後のミニマム構成で、
自分の手元に「振動がグラフになる体験」が生まれる。
失敗するかもしれない。
でも、動いた瞬間はたぶんこう思う。
「え、これ……意外と簡単やん」
そして、うまくいかなかったら。
GitHubを見て、
エラーを読んで、
ChatGPTに聞いてください。
たぶん、どうにかなるかもしれません。笑
参考画像
■インストーラーダウンロードサイト: frb-fft-monitor-installer-v0.1
■Zip梱包物
■デバイスマネージャー(ESP32とPCをUSBケーブルで接続後確認)

追伸:
(私自身、計測1号機くん構築時)
釣り竿の「感度」を数値化する話 - FRB #12 AIが謝らなかった日
にも記載していますが、最初にESP32をPCへ接続したとき、
WindowsがCOMポートとして認識せず、かなり四苦八苦しました。
そのときは、USBケーブルの問題を疑ったり、
家中のケーブルを試したり、
最終的にはUSBシリアル系のドライバーをインストールすることで認識できるようになりました。
そのため、ESP32がPCに認識されない場合は、
まず以下を確認してみてください。
- USBケーブルがデータ通信対応か
- WindowsのデバイスマネージャーにCOMポートが出ているか
- 必要なUSBシリアルドライバーが入っているか
ここは、初心者がかなり詰まりやすいポイントだと思います。
USBシリアルドライバーが入っていないと思われる場合は、デイバスマネージャーのスクリーンショットをCHATGPTへ送って、ドライバーダウンロードURLを聞いてみてください。もし、CHATGPTが「ドライバーの問題ではないっ!」ともし言ってきても、ドライバーダウンロードURLは聞いてみてください。詳細記事「FRB #12 AIが謝らなかった日」参照(笑)
■ご参考) 測定1号機くん 技適認可番号 2026/6/3 追記

感度は分かち合って初めて本物になる
感度とは、人間が認識可能な構造として現れる振動の和音構造である。
感度とは、単純な振動の強さではない。
FRBは、ロッドの「優劣」を決めるためではない。
「基準振動」を用いて、ロッドごとの振動構造差分を比較・可視化し、選択と体験共有のための共通言語を目指している。
FRBにおける知覚トレーニングとは、
室内で基準振動を体験し、海で感じる砂・岩・藻・糸擦れ・ぷるぷるなどの振動を、比較・言語化・共有するための練習である。
ロッドだけでなく、人間側の知覚も少しずつ海に合わせていく。
それがFRBの目指す「感じるための共通言語」である。
ロッド感度ベンチマーク(Fishing Rod Benchmark[FRB]) Home

















