FRB実験ログ #69 — 耳栓をすれば没入できると思っていた
この記事は、FRB Phase3 知覚トレーニングとは何か — 室内体験は海の感じ方を変えるのか(Draft版)の続きとなる思考をログとして残す為の記事です。
正直に言うと、私は少し甘く考えていた。
以前、海で没入感に近い状態を体験していたとき、
私はまだ「没入感」という言葉すら意識していなかった。
冬の海。
魚は釣れない。
それでもリハビリのように毎日海に立ち、
ロッド改造の確認をしていた。
あまりにも釣れないので、
「もう目を瞑って、マインドフルネス瞑想みたいに楽しめばいいか」
くらいの軽い気持ちで海を感じようとした。
すると、思った以上に海の中の解像度が上がった。
だから私は、どこかでこう思っていた。
目を瞑れば、自然とそうなるのだと。
ところが、2026年5月23日。
久々に海へ行った。
今回は耳栓もある。
室内での知覚トレーニングもしている。
砂、岩、ぷるぷるの体験も積んでいる。
だから正直、
「耳栓があるなら、当然また没入できるでしょ」
と思っていた。
でも、実際は違った。
微弱振動は感じた。
砂や岩の照合もできた。
糸擦れやぷるぷるも感じた。
それなのに、
以前のように海の中へ入っていくような没入感は、
思ったほど強くならなかった。
「あれ?」
この違和感が残った。
没入感は、
耳栓や目を瞑ることのような「条件」で生まれるのか。
それとも、
海の状況、自分の意識状態、釣行の流れ、風や外界への注意、
そういったものを含めた「プロセス」の中で立ち上がるものなのか。
まだ分からない。
ただ少なくとも、
耳栓をすれば自動的に没入できる、
というほど単純ではなさそうだ。
この問いは、今後のPhase3の為に残しておきたい。
感度は分かち合って初めて本物になる
感度とは、人間が認識可能な構造として現れる振動の和音構造である。
感度とは、単純な振動の強さではない。
FRBは、ロッドの「優劣」を決めるためではない。
「基準振動」を用いて、ロッドごとの振動構造差分を比較・可視化し、選択と体験共有のための共通言語を目指している。
FRBにおける知覚トレーニングとは、
室内で基準振動を体験し、海で感じる砂・岩・藻・糸擦れ・ぷるぷるなどの振動を、比較・言語化・共有するための練習である。
ロッドだけでなく、人間側の知覚も少しずつ海に合わせていく。
それがFRBの目指す「感じるための共通言語」である。
ロッド感度ベンチマーク(Fishing Rod Benchmark[FRB]) Home