FRB実験ログ #41 — 取得ログのバンドタイムライン再生から見えた「環境構造」という視点
■ はじまり:振動ログを“聴く”という発想
これまで、取得したログは主に「見る」ためのものだった。
Band Timeline や Investigate を通じて、
どの帯域が強いのか、どのように推移するのかを観察してきた。
しかし今回、ひとつの試みを行った。
👉 取得ログそのものを“再生する”仕組みを作った。
BandTimeline Investigate の各帯域を、
- 各帯域の中央値周波数で鳴らし
- 高さを音量として再構成する
つまり、
👉 振動の和音構造を音として再生する
仕組みである。
■ 最初の違和感:入力と体感が一致しない
最初に行ったのは、自動スイープログの再生だった。
例えば、
- 280–300Hz
- 380–450Hz
といった比較的高い周波数帯の入力である。
しかし再生してみると、
👉 予想に反して「重厚感のある音」が鳴った。
本来であれば、高域は軽く感じるはずである。
しかし実際には、
- 低域〜中域も同時に存在しているように感じる
- 和音として厚みがある
という体感になった。
■ 次の発見:高域単独ではスカスカになる
さらにログを細かく見ていくと、
同じ高域スイープでも、
- 前半は重厚
- 後半はスカスカ
という変化が見えた。
これは単純に周波数の問題ではなく、
👉 帯域の重なり方の問題
である。
- 低域・中域・高域が同時に存在 → 重厚
- 高域単独 or 全体が薄い → スカスカ
■ 決定的な実験:環境振動ログの再生
ここでさらに一歩踏み込んだ。
スピーカーを使わず、
- 床の上に柔らかい服を置き
- その上に計測器を置く
という状態で、環境振動を取得した。
そしてそのログを再生したところ、
👉 これもまた“重厚な音”として再生された。
■ この結果が意味するもの
この結果は非常に重要である。
通常の発想では、
環境振動 = ノイズ = 除去対象
と考えがちである。
しかし今回の結果は違う。
👉 環境振動ですら、和音構造を持てば意味のある体感になる
■ 仮説の更新
これまでの感覚を整理すると、こうなる。
体感は入力周波数で決まるのではない
体感は出力された帯域の和音構造で決まる
さらに一歩進めると、
意味は入力にあるのではなく、構造にある
■ 「ノイズを引く」は正解か?
ここで重要な分岐がある。
環境振動が影響するのであれば、
👉 「ノイズを差し引くべきでは?」
という発想になる。
しかし今回の結果から分かるのは、
👉 単純な差し引きは危険
である。
なぜなら、
- 環境振動も構造を持っている
- 差し引くことで、その構造まで消えてしまう可能性がある
■ FRB的な整理
FRBの視点では、振動は3層に分けて考える方が自然である。
① 入力(スイープ・擦り・インパルス)
② 環境構造(床・空気・接触条件)
③ ロッド構造
今回明確になったのは、
👉 ②も“音を作る主体”である
という点である。
■ 正しい扱い方
したがって、方針はこうなる。
環境振動は除去するものではない
環境振動は比較のための基準である
具体的には、
- 環境のみのログを取得する
- ロッドありのログと比較する
- どの帯域が変化したかを見る
というアプローチになる。
■ まとめ
今回の実験で見えたことはシンプルでありながら本質的である。
👉 体感は振動の強さではなく、和音構造で決まる。
👉 環境振動はノイズではなく、基準構造である。
感度とは、人間が認識可能な構造として現れる振動の和音構造である。
感度とは、単純な振動の強さではない。
感度は分かち合って初めて本物になる
ロッド感度ベンチマーク(Fishing Rod Benchmark[FRB]) Home
追伸:
最初は、またアホな事を思いついてしまったと思っていたが、意外にも評価基準の核となる視点にたどり着いた。
