FRB実験ログ #61 — 「海の中の解像度」を上げる文化へ
はじめに
FRBは、
「ロッド感度を数値化する研究」
として始まった。
しかし、気づけば最近、
私はあまり海へ行っていない。
それなのに——
海の中の解像度は、
むしろ上がり続けている気がしていた。
数値化は“入口”だった
そもそもの始まりは単純だった。
お試し出社期間。
仕事は禁止。
でも、会社には行く。
やることがない。
そこで、
「ロッド感度でも数値化してみるかぁ~」
くらいの気持ちで、
FFT解析を始めた。
ESP32。
加速度センサー。
Web UI。
そこから、
FRBが始まった。
でも今振り返ると、
私は最初から「数値」が欲しかった訳ではない。
本当に確認したかったのは、
- なぜ海の中が見えた気がしたのか
- なぜロッドによって感じ方が変わるのか
- なぜ脳が喜ぶ振動があるのか
- なぜ“ぷるぷる”が気持ちいいのか
つまり、
「自分が感じていたものは、本当に存在しているのか?」
それを確認したかったのだと思う。
そして今、
はっきり言えることがある。
FRBは、
単なる「感度数値化規格」ではない。
FRBは「海の中の解像度」を上げる文化である
ロッド比較。
FFT。
Flux。
Peak Timeline。
Band Timeline。
これらはすべて、
海の中の情報を露出するための道具
だった。
最初の頃、
海はただの「水」だった。
しかし今は違う。
- 砂
- 岩
- 擦れ
- 潮
- テンション変化
- 微細な振動
- ぷるぷる
- 環境振動
海の中に、
少しずつ「情報」が見え始めている。
FRBは、
ロッドの優劣を決めるためではない。
海の中の解像度を上げ、
感覚を露出し、分かち合う文化である。
知覚は鍛えられるのか?
ここで最近、
新しいテーマが見えてきた。
それは、
「知覚を強化する」
という方向性である。
一般的な釣りの世界では、
- 経験を積め
- 慣れろ
- 違和感を感じろ
とは言われる。
しかし、
「どうやって知覚を鍛えるのか」
は、
ほとんど整理されていない。
しかしFRBでは、
すでに様々な現象が起き始めている。
- 耳栓で触覚集中
- 環境振動感知
- 骨伝導
- ぷるぷる没入
- 基準振動
- 脳内周波数ダイヤル
- 床擦り120時間以上
つまり、
FRBはすでに、
「人間側の受信能力」
を研究し始めている。
Human Perception Map V2 構想
ここから見えてきた次の方向性。
それが、
人間知覚帯域マップ V2
である。
従来のFRBは、
- ロッド側
- 振動側
- FFT側
を中心に見ていた。
しかし今後は、
「人間はどう受け取っているのか?」
を整理する必要がある。
例えば、
親指
- 高域
- ジリジリ
- エッジ感
に強い可能性。
手のひら
- 低域
- 圧感
- 没入感
に強い可能性。
指先
- 微細変化
- 擦れ
- 高域情報
に強い可能性。
つまり、
人間にも「受信特性」がある
という考え方である。
さらに重要な話
最近、
特に気になっていることがある。
「押し付ける力」で感覚が変わる
という問題だ。
ロッドへ指を軽く触れた場合と、
強く押し付けた場合では、
明らかに感じ方が変わる。
軽い接触では、
- 高域
- エッジ
- ジリジリ
が見えやすい。
強い接触では、
- 圧感
- 低域
- 没入感
が増える。
つまり、
押し付ける力は、
感度を上げる操作ではなく、
「知覚帯域」を変える操作である可能性
が見えている。
そして、さらに重要なことに気づいた
ここで、
もっと大事な話が出てくる。
測定器も同じではないか?
測定器も、
- 固定方法
- 接触面積
- 押し付け圧
- 接触素材
によって、
取得される振動が変わる可能性がある。
つまり、
測定器にも“握り方”がある
ということである。
次回実験予定
次回は、
シリコン系ゴムを測定器接触部へ挟み、
接触圧力
- P1:軽接触
- P2:通常接触
- P3:強圧接触
の3段階比較を行う予定である。
目的は、
「測定器の受信条件」
によって、
どのように振動構造が変化するか確認すること。
特に、
- 高域
- Flux
- Peak構造
- 安定性
への影響を観察したい。
今回の気づき
FRBは、
単なるロッド比較研究ではなく、
「人間と振動の関係性」
そのものを扱い始めている。
そして今、
はっきり見え始めている。
FRBが本当にやりたかったことは、
「感度の点数化」
ではなく、
「海の中の解像度」を露出し、
分かち合うこと
だったのだと思う。
感度は分かち合って初めて本物になる
感度とは、人間が認識可能な構造として現れる振動の和音構造である。
感度とは、単純な振動の強さではない。
FRBは、ロッドの「優劣」を決めるためではない。
「基準振動」を用いて、ロッドごとの振動構造差分を比較・可視化し、選択と体験共有のための共通言語を目指している。
ロッド感度ベンチマーク(Fishing Rod Benchmark[FRB]) Home