FRB実験ログ #56 — Artificial PuruPuru による「ステンレス擦り基準振動」生成と、ロッド比較実験
最近、FRBは少しずつ基準振動音領域へ入り始めている。
最初は、
- ロッドを測る
- 振動を比較する
- 違いを見る
そんなシンプルな話だった。
しかし今回は、
そこからさらに一歩進んだ。
■ 計測器で「ステンレス直擦り」
まず最初に行ったのは、
計測器そのものを使った
「ステンレス隙間擦り」の直計測。
つまり、
ステンレス擦り
↓
計測器で直接ログ取得
である。
このログを見ていると、
以前から感じていた、
- ジリジリ感
- ザラつき
- 微細な複雑感
が、
単純な高域ピークだけでは説明できない可能性が見えてきた。
特に、
- 100〜120Hz
- 120〜160Hz
- 160〜220Hz
あたりが、
連続的につながった和音構造として存在しているように見えた。
■ Artificial PuruPuru Designer による疑似再現
そこで今回は、
取得したログを見ながら、
Artificial PuruPuru Designer v2.6 を用いて、
「ステンレス擦りっぽい振動」
を人工生成してみることにした。
もちろん、
完全再現ではない。
しかし、
- detune
- modulation
- 高域 shimmer
- 中低域 wobble
などを調整していくうちに、
「これは結構いい振動かもしれない」
と思える状態になってきた。
つまり今回は、
自然振動の完全コピー
ではなく、
“それっぽい構造” を人工生成する
方向へ進み始めた。
◇「ステンレス擦り風味の基準振動音」スピーカー直計測結果
■ 基準振動としてロッド比較
そして次に行ったのが、
今回の核心部分。
基準振動として生成した音を、
スピーカー
↓
N4P2システム
↓
トップガイド接触
でロッドへ入力。
その状態で、
- ルアーニスト改
- ハイエンドロッドB
のグリップ部を計測比較した。
■ 同じ入力なのに、ログが露骨に違う
結果はかなり興味深かった。
※ それほど美しくなかったものが、ルアーニスト改の割りばしカーボングリップで計測すると美しい波形に変わっているという話になる・・・💦
同じ基準振動を入力しているにも関わらず、
ロッドによって、
BandTimeline の構造がかなり大きく変化した。
ルアーニスト改
- 多帯域が連携
- 中域〜中高域まで複雑
- 微細な揺れが多い
- 和音構造感が強い
ハイエンドロッドB
- 特定帯域が主役化
- 波が整理される
- 滑らかな揺れ
- グリップ部では中高域が減少傾向
特に今回重要だったのは、
同じ入力でも、
ロッド内部で振動構造が変換されている
ように見えたことである。
■ EVAグリップ有無の影響?
なお、
ハイエンドロッドBについては、
グリップ部では中高域が減って見えた一方で、
グリップ手前のブランク部で測定すると、
複雑な振動構造自体は存在しているようにも見えた。
そのため現時点では、
EVAグリップ周辺で、
振動構造が整理されている可能性
は感じているものの、
単純に
- 中抜け
- 悪い振動
などと断定できる状況ではない。
実際、
手感度としては、
ハイエンドロッドBも十分に振動を感じる。
しかも、
決して「ダメな振動」という印象でもない。
今回のところは、
ログ上ではかなり大きな構造差が出た
という事実を、
まずは大切に記録しておきたい。
■ 今回見えてきたもの
今回の実験は、
単なる比較実験ではなく、
人工生成した基準振動
↓
ロッド内部で変換
↓
グリップで観測
という、
新しい FRB 実験構造へ進み始めた実験だった気がする。
そして何より面白いのは、
Artificial PuruPuru が、
単なる「音」ではなく、
振動構造そのものを設計する装置
になり始めていることである。
今後、
この「人工基準振動」が、
FRBにおける新しい比較文化へつながる可能性もあるかもしれない。
感度は分かち合って初めて本物になる
感度とは、人間が認識可能な構造として現れる振動の和音構造である。
感度とは、単純な振動の強さではない。
FRBは、ロッドの「優劣」を決めるためではない。
「基準振動」を用いて、ロッドごとの振動構造差分を比較・可視化し、選択と体験共有のための共通言語を目指している。



