FRB実験ログ #66 — 梱包材に封印を解かれた男
ハイエンドロッドBヒーロー化計画 ~ ダメ男返上物語 ~ 第2話
※本記事は、筆者所有個体・筆者室内環境・筆者構成における実験メモである。
※本比較はメーカー標準状態や製品全体の性能を示すものではない。
※ロッドの優劣を決めるものではなく、振動構造の違いを観察するための記録である。
■ 概要
前回、FRB実験ログ #65 では、
板を歯でくわえたら、海が脳に来た
という、かなり意味不明な発見をした。
正しく言うと、
細長い木材を介して振動を 骨伝導的 に受け取ることで、
手で感じていた振動とは 桁違いの情報量 が入ってくることが分かった。
今回の実験は、その続きである。
では、この木材骨伝導能力をどこで生かすのか。
そう考えたとき、真っ先に浮かんだのが、
ハイエンドロッドBヒーロー化計画
だった。
前回まで、ハイエンドロッドBには少し厳しい評価が続いていた。
「エッジが弱い」
「振動が丸い」
「ルアーニスト改の方が情報として立つのではないか」
そんな流れである。
しかし今回、木材骨伝導という新しい観測方法を使ったことで、
ハイエンドロッドBの見え方が大きく変わった。
結論から言う。
ハイエンドロッドBは、ダメ男ではなかった。
ただし、少なくとも今回の条件では、
トップガイド周辺でエッジを丸められている可能性
がかなり濃くなってきた。
■ 実験条件
今回の入力条件は以下である。
入力素材:
#60 紙やすり + レジ袋
擦り方:
擦り入力
接触箇所:
トップガイドとセカンドガイドの間
観測方法:
50cm 木材骨伝導(歯接触)
40cm クリアファイルメガホン
比較対象:
ルアーニスト改
ハイエンドロッドB
観測位置:
グリップ先端直前のブランク周辺
今回重要なのは、
トップガイドそのものを直接経由しない位置で入力した
という点である。
これにより、
これまで疑っていた「トップガイドがエッジを消しているのではないか」という仮説を、少し違う角度から確認できる可能性が出てきた。
■ 50cm 木材骨伝導プローブ
今回使った木材は、以下のサイズである。
50cm × 2.5cm × 1.5cm
細長い板である。
これを骨伝導的に使うと、
手感度で感じる振動を 1 とした場合、
体感的には 10 を超えるレベルで振動が入ってくる。
もちろんこれは、
「ロッド感度が10倍になった」という意味ではない。
そうではなく、
観測ゲインが10倍以上になった
という意味である。
手では見えなかった振動構造が、
木材骨伝導では一気に露出する。
これは、もはや単なる板ではない。
振動の顕微鏡
に近い。
■ 40cm メガホンでも裏取り
木材骨伝導だけでは、
「木材が勝手に振動を変えているのではないか」
という疑いが残る。
そこで、40cmクリアファイルメガホンでも確認した。
結果として、音量は体感で 8 程度。
木材骨伝導の 10 超えには届かないが、
十分に強く聞こえる。
さらに重要なのは、
振動タイプが木材骨伝導で聞こえるものとほぼ同じだった
という点である。
つまり、木材骨伝導で聞こえた振動は、
木材が勝手に作った幻ではなく、
ロッド側に存在する振動構造を高ゲインで露出していた可能性が高い。
ここで、木材骨伝導の信頼度が一気に上がった。
■ 比較結果
今回の体感比較では、
ルアーニスト改とハイエンドロッドBで、音量はほぼ同じだった。
しかし、振動の輪郭が違った。
ルアーニスト改
ルアーニスト改は、
反則級の銅テープ補正を含む改造個体である。
振動はよく整っている。
ただ、今回の木材骨伝導では、
エッジがやや丸く感じられた。
少しこもる。
振動音の角が取れている。
そんな印象だった。
ハイエンドロッドB
一方、ハイエンドロッドBは、
音量はルアーニスト改とほぼ同等。
しかし、
エッジが残っていた。
輪郭がある。
擦りの芯が残る。
振動が丸まりきっていない。
以前の計測や通常手感度では、
ルアーニスト改の方が良いかもしれない、
というトーンだった。
しかし今回、木材骨伝導という武器を使うと、
ハイエンドロッドBの方がエッジを残していた。
■ ここで仮説がつながった
これまで、ハイエンドロッドBについては、
トップガイド周辺がエッジを丸めているのではないか、
という仮説があった。
今回の実験では、
トップガイドとセカンドガイドの間に入力し、
木材骨伝導で観測した。
すると、
ハイエンドロッドBは明確にエッジを持っていた。
つまり、こう整理できる。
以前の観測:
ハイエンドロッドBはエッジが弱く感じられた
今回の観測:
トップガイドを直接経由しない条件では、
ハイエンドロッドBのエッジが残った
推定:
ブランク本体や手元側の伝達は悪くない可能性がある
疑い:
トップガイド周辺で高域・エッジ成分が丸められている可能性
もちろん、まだ断定はしない。
しかし、仮説としてはかなり濃くなってきた。
ハイエンドロッドBは、
エッジを持っていなかったのではない。
エッジを出す前に、どこかで丸められていた可能性がある。
■ ダメ男ではなかった
今回の発見で、
ハイエンドロッドBのキャラクターが大きく変わった。
これまでは、
エッジが弱いロッド
として見えていた。
しかし今回からは、
エッジを持っているのに、
通常の観測経路ではそれが見えにくいロッド
として見えてきた。
これはかなり違う。
つまり、
ダメ男ではなかった。
声を聞く場所を間違えていただけだった。
■ 梱包材に封印を解かれた男
ここで、今回使った木材について書いておきたい。
この木材は、買ったものではない。
ルアーニスト改に装着しているチタン棒。
そのチタン棒50cmが納品されたとき、
保護材として一緒に入っていた木材である。

普通なら、ただの梱包材である。
安物感丸出し。
けばけば。
ほぼゴミ扱いされてもおかしくない。
しかし今回、その梱包材が木材骨伝導プローブとして覚醒し、
ハイエンドロッドBのエッジを露出した。
チタン棒は、ルアーニスト改を強化した。
そのチタン棒を守っていた木材は、ハイエンドロッドBの本当の声を聞かせた。
つまりこれは、
ライバルの封印解除キーだった。
ハイエンドロッドBは、
梱包材に封印を解かれた男である。
■ ガラクタ神話に新メンバー加入
FRBには、すでに
「ゴミの山から拾われた宝物」
の先輩がいる。
現在の測定装置に組み込まれている、
タッチセンサー先輩である。
彼はすでに実戦配備されている。
しかし、まだ主役の記事を書いていない。
すまん、先輩。
そして今回、
50cm梱包材くんもまた、FRBガラクタ神話に加わった。
FRBガラクタ神話のメンバーは、少しずつ増えている。
タッチセンサー先輩
割りばしグリップ
初代ルアーニスト改
リールカバーソックス
FFT装置
50cm梱包材くん
詳細は、別途
FRBガラクタ神話編
としてまとめたい。
今回はあくまで、
梱包材くんがハイエンドロッドBの封印解除キーになった、
という事実だけを残しておく。
■ 今回の重要ポイント
今回の実験で見えたことは以下である。
・木材骨伝導は、手感度より圧倒的に観測ゲインが高い
・40cmメガホンでも同じ振動タイプを確認できた
・ハイエンドロッドBは、木材骨伝導ではエッジが残っていた
・ルアーニスト改は、音量は同等だがエッジがやや丸く感じられた
・トップガイド周辺がエッジを丸めている仮説が濃くなった
・50cm梱包材くんが、木材骨伝導プローブとして覚醒した
■ 考察
今回の本質は、
ハイエンドロッドBが勝った、
という単純な話ではない。
重要なのは、
観測方法を変えると、ロッドの見え方が変わる
という点である。
手感度では見えにくいものがある。
メガホンで聞こえるものがある。
木材骨伝導で露出するものがある。
つまり、ロッドの振動構造は、
観測インターフェースによって姿を変える。
これは、FRBにとってかなり大きい。
感度とは、
ロッド単体だけで決まるものではない。
入力
ロッド構造
ガイド構造
グリップ構造
観測方法
人間の知覚
これらが組み合わさって、
ようやく「感じる」という体験になる。
今回の木材骨伝導は、
その中でも特に、
手では見えにくいエッジを露出する観測モード
として有効である可能性がある。
■ 今日の一行
ハイエンドロッドBは、エッジを持っていなかったのではない。
梱包材に、封印を解かれるのを待っていただけだった。
■ まとめ
今回、FRB実験ログ #65 で発見した木材骨伝導を、
ハイエンドロッドBヒーロー化計画に投入した。
その結果、
ハイエンドロッドBは、木材骨伝導条件ではルアーニスト改よりもエッジが残るように感じられた。
40cmメガホンでも同様の振動タイプが確認できたため、
木材骨伝導は単なる幻ではなく、
振動構造を高ゲインで露出する観測方法である可能性が高まった。
そして、
トップガイド周辺がハイエンドロッドBのエッジを丸めている仮説が、
かなり濃くなってきた。
第1話では、ダメ男疑惑だった。
しかし第2話で、早くも状況は変わった。
ダメ男返上である。
しかもそのきっかけは、
高価な専用治具ではない。
チタン棒を守っていた、
ただの梱包材だった。
■ 次回以降
今後は、以下を確認していきたい。
・トップガイド経由入力と、トップガイド回避入力の比較
・木材骨伝導プローブの長さ違い比較
30cm / 40cm / 50cm / 60cm など
・木材の種類による差
硬い木材 / 柔らかい木材 / 表面仕上げ違い
・40cmメガホンとの継続的な裏取り
・ハイエンドロッドBのトップガイド仮説の追加検証
特に、50cmという長さは、
音量、太さ、取り回しのバランスが良い。
60cmでは長すぎる。
25cmでは細すぎる。
40cmメガホンは裏取りとして優秀。
そして50cm梱包材くんは、なぜかちょうどよかった。
野良キャラなのに、個体値が高い。
■ 最後に
FRBでは、価値は価格では決まらない。
現象を露出できるかで決まる。
今回、ハイエンドロッドBのエッジを露出したのは、
専用治具でも高価な素材でもなかった。
ルアーニスト改用チタン棒を守るために入っていた、
ただの梱包材だった。
ゴミ箱の中から、世界観が生えてくる。
それがFRBである。
感度は分かち合って初めて本物になる。
感度とは、人間が認識可能な構造として現れる振動の和音構造である。
感度とは、単純な振動の強さではない。
FRBは、ロッドの「優劣」を決めるためではない。
「基準振動」を用いて、ロッドごとの振動構造差分を比較・可視化し、選択と体験共有のための共通言語を目指している。
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