FRB実験ログ #49 — EVAグリップは本当に悪なのか? — 「振動量」と「手感度」のズレ
※本記事は実験・検証途中の記録である。
また、本検証は筆者所有個体・筆者構成・筆者室内条件での確認であり、メーカー公式性能評価を目的としたものではない。
■ はじまり
正直に言う。
私は長い間、
👉 「EVAグリップは振動を殺す」
と思っていた。
特に、
ステンレス擦り系の高域入力では、
ハイエンドロッドBのEVAグリップは、
👉 「しょぼい振動しか出ない」
という印象がかなり強かった。
しかし今回。
少し違う視点で比較してみた。
■ 今回の比較
ハイエンドロッドBにおいて、
- グリップ手前のブランク部
- EVAグリップ部
この2点で、
- FFT
- Flux
- Melody
- Piano Roll
- 実際の手感度
を比較した。
■ 測定結果
測定方法:自動スイープ(20Hz-300Hz)スピーカーN4P2 トップガイド接触
計測位置:左側:ブランク計測(EVAグリップ手前) 右側:EVAグリップ計測
■ 最初に見えたこと
まず、ブランク側。
これは分かりやすかった。
ブランク側
- 振動エネルギー大
- Flux値が大きい
- 主旋律が強い
- 音として非常に分かりやすい
実際、
音として聞くと、
👉 ブランク側の方が主旋律を追いやすい。
これはかなり明確だった。
■ しかし、手感度は逆だった
ここが今回の核心である。
実際に「手で感じにいく」と、
👉 EVA側の方が、
微細情報を読みやすく感じた。
これはかなり不思議だった。
■ Fluxを見ていて気づいたこと
今回、特に気になったのは、
👉 「Fluxの大きさ」
ではなく、
👉 「Fluxの立ち方」
だった。
最初は、
Flux値が大きい
= 情報量が多い
と思っていた。
しかし実際に手で感じると、
Flux値が大きい
より、
小さいFluxが細かく連続している
方が、
👉 手には情報として伝わりやすい
ように感じた。
■ 「微細イベント」という視点
ここで見え始めたのは、
手は単純な振動量を感じているのではなく、
👉 微細変化の連続
を感じている可能性である。
つまり、
ドン・・・・・・ドン・・・・・・
より、
サラサラサラ
ジリジリジリ
コツコツコツ
の方が、
👉 「情報が存在している」
と感じやすい。
■ ここで思い出したこと
この感覚は、
以前の
👉 「割りばしカーボングリップ #60紙やすり加工」
の感覚に少し似ていた。
あの時、
割りばしカーボングリップを
#60紙やすりで荒らしたことで、
👉 #1500紙やすり+レジ袋擦り
の振動が、
非常に鋭く、
細かい情報として感じられるようになった。
さらにその後、
👉 低周波振動まで感じやすくなった。
■ EVAと#60の共通点?
ここで一つの仮説が浮かんだ。
EVA表面は、
完全なツルツルではない。
どちらかと言えば、
👉 少しザラついた表面構造
を持っている。
つまり、
EVA
↓
単なる減衰材
ではなく、
EVA
↓
微細イベント生成・保持構造
として機能している可能性がある。
■ もちろん、これは断定ではない
重要なのはここである。
筆者は、
👉 EVAがそういう思想で設計されている
とは現時点では思っていない。
実際には、
- 握りやすさ
- 軽量性
- 疲労低減
- コスト
- 滑りにくさ
などの理由で採用されている可能性の方が高いだろう。
しかし結果として、
- 大きな振動を減衰しつつ
- 微細接触感を保持し
- 手で感じる情報構造を変換している
可能性はある。
■ FRBとして重要な立場
ここで重要なのは、
👉 「EVAが良い」
👉 「EVAが悪い」
を決めることではない。
FRBが見たいのは、
👉 「どういう振動構造になるのか」
である。
つまり、
ブランク直
= エネルギー多
= 主旋律強
= 音として分かりやすい
一方、
EVA
= エネルギー減衰
= 微細イベント保持
= 手で探索しやすい可能性
という、
👉 「振動構造の違い」
を見ている。
■ 「手とは何か」
今回の検証で、
最も大きかった気づきはここかもしれない。
FRBは最初、
👉 「ロッドの振動を見る」
研究だった。
しかし今は、
👉 「人間は何を情報として感じるのか」
へ近づき始めている。
■ 今後の方向性
今回の結果から、
今後はタイムログ上で、
👉 微細イベント系の指標
を追加していく必要性を感じている。
現状のFluxは、
👉 「変化量」
を見る指標である。
しかし手は、
- 微細変化密度
- 連続性
- 粒感
- ザラつき構造
のような、
👉 「時間方向の構造」
を感じている可能性がある。
そのため今後は、
例えば:
- Flux Density(変化密度)
- 微細イベント数
- 持続性(Persistence)
- テクスチャ構造
- ピーク散らばり
など、
👉 「触覚構造」を見る方向へ進む可能性がある。
■ 今回の結論
今回の検証で見えてきたのは、
👉 「振動量」と「手感度」は一致しない
可能性である。
そして、
手は単純な大振動ではなく、
👉 微細変化の連続構造
を情報として感じている可能性がある。
EVAは、
単純に振動を殺す存在なのかもしれない。
しかし同時に、
👉 人間が感じる情報構造を変換している
可能性も見え始めている。
FRBは、
「どちらが優れているか」
を決めるためではなく、
👉 「何が起きているのか」
を観測するための試みである。
(続く)
追伸:
FFTモニターは違いを見るのに便利だなぁ~。
感度とは、人間が認識可能な構造として現れる振動の和音構造である。
感度とは、単純な振動の強さではない。
感度は分かち合って初めて本物になる
FRBは、ロッドの「優劣」を決めるためではなく、
ロッドごとの「違い」を比較し、選択するための共通言語を目指している。


