1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Gemini 2.5 pro APIを試してみた

Posted at

読者のみなさんも「AIに最新情報を踏まえた回答をしてほしい」「公式ドキュメント以外の情報源も活用したい」といった悩みをお持ちではないでしょうか?

本記事では、Gemini 2.5 Pro APIにURLコンテキストツールとGoogle検索ツールを同時に設定し、手軽にWeb検索結果を回答に反映させる方法を説明します。まずは手順どおりに実行して動きを実感してみましょう。

1. 事前準備

(1) Gemini APIのキー取得

まずはGemini APIを実行するためのキーを取得します。
詳しくは公式ページも参照ください。

step1. Google AI Studioにアクセス

step2. 画面右上にある「APIキーを作成」を押す

image.png

step3. Google Cloud プロジェクトを選択して作成

image.png

(2) 必要なパッケージのインストール

Python google-genai

Gemini APIのPythonでの実行にgoogle-genaiパッケージを使用するためインストールします。

pip install google-genai

2. PythonコードからGemini 2.5 pro APIを実行

それではさっそく、PythonコードからGemini 2.5 pro APIを実行するサンプルコードを紹介します。AIへの質問文を「生成AIは人類の仕事を置き換えますか?」として、それぞれの回答を比較してみたいと思います。

APIの実行はAPIキーを指定する必要がありますが、コードに直接記述してしまうと漏洩リスクがあります。そのため、環境変数から渡すようにします。

export GEMINI_API_KEY=<APIキー>

Gemini 2.5 pro API向けサンプルコード

続いて、APIを実行するサンプルコードを紹介します。
また公式マニュアルもあわせて参照ください。

sample_gemini_pro_2.5.py

from google import genai
from google.genai import types


# Configure the client
client = genai.Client()

# Define the URL context tool
url_context_tool = types.Tool(
    url_context = types.UrlContext
)

# Define the grounding tool
grounding_tool = types.Tool(
    google_search=types.GoogleSearch()
)

# Configure generation settings
config = types.GenerateContentConfig(
    tools=[url_context_tool, grounding_tool],
    response_modalities=["TEXT"],
)

input_text="生成AIは人類の仕事を置き換えますか?"

# gemini問合せ
response = client.models.generate_content(
    model="gemini-2.5-pro",
    contents=input_text,
    config=config,
)


print(response.text)

スクリプトを作成したら実行します。

python sample_gemini_pro_2.5.py

3.結果検証

それでは、Gemini 2.5 pro APIの実行結果を検証していきましょう。

生成された文章

Gemini 2.5 proの回答

生成AIが人間の仕事を完全に置き換えるか、あるいは共存するツールとなるかについては、様々な見解があります。現在のところ、多くの専門家は、生成AIが一部の仕事を代替する一方で、新しい仕事を生み出し、既存の仕事の性質を変化させる可能性が高いと考えています。

### **生成AIによる仕事への影響**

*   **仕事の自動化と効率化:** 生成AIは、特に定型的で反復的なタスクを自動化し、業務の効率化と生産性向上に貢献します。 これには、文章の作成、データの要約、プログラミングコードの生成などが含まれます。
*   **代替される可能性のある仕事:** 事務職や、文書・画像・音楽などを作成する仕事の一部は、生成AIによって代替される可能性が指摘されています。 経済協力開発機構(OECD)の報告によると、経営・管理や教育指導・司書などの職種は、生成AIの影響を受けやすいとされています。 OpenAIの分析では、全労働者の80%が少なくとも10%のタスクで、19%の労働者が50%以上のタスクで生成AIの影響を受けるとされています。
*   **新たな仕事の創出:** 一方で、生成AIは新しいビジネスやサービスの創出を促し、これまでになかった仕事を生み出す可能性も秘めています。 AI技術を活用し、新たな価値を創造する仕事が重要になると考えられます。
*   **仕事の質の変化:** 多くの仕事はAIに完全に取って代わられるのではなく、AIを「相棒」として活用する形に変化していくと予想されています。 これにより、人間はより創造的で高度な判断が求められる業務に集中できるようになります。

### **日本と海外での認識の違い**

日本と米国では、生成AIが労働市場に与える影響についての捉え方に違いが見られます。 日本では、労働力不足という背景もあり、生成AIを経済成長や革新の機会として前向きに捉える傾向があります。 一方、米国では生成AIの普及が進んでいることから、より現実的な影響を認識し、慎重な対応が模索されています。

### **今後の展望と求められる対応**

生成AIの進化と普及に伴い、労働市場は大きな変化の過渡期にあります。 この変化に対応するためには、個人と社会の両面で以下のような取り組みが重要になります。

*   **リスキリング(学び直し):** AIに代替されにくい高度なスキルや、AIを使いこなすための新しいスキルを習得することが不可欠です。
*   **社会的なセーフティネット:** 職を失った人々への生活保障や、再就職支援などのセーフティネットを整備することが社会的な責務となります。
*   **教育・雇用環境の充実:** 新たなスキルを学ぶ機会の提供や、労働者が安心してリスキリングに取り組めるような就業環境の充実が求められます。

結論として、生成AIが一部の仕事を代替することは避けられないかもしれませんが、同時に新たな雇用機会を生み出し、人間の働き方をより創造的なものへと変革する可能性も秘めています。重要なのは、この技術的変革を社会全体で受け入れ、変化に対応していくための準備を進めることです。

Gemini 2.5 proの生成結果はかなり実用的なレベルとなっているのではないでしょうか。また、グラウンディングによるgoogle検索を実行した結果を情報源として使用しています。

比較用に前回実行したOpenAI GPT-4.1の生成結果も載せておきます。

OpenAI GPT-4.1の回答

生成AIが人類の仕事を置き換えるかどうかについては、多くの議論があります。現時点でわかっている主なポイントを簡単にまとめます。

### 1. 一部の仕事は置き換えられる
- **定型的な作業やルーチン業務**はAIによって自動化が進みやすいです。たとえば、データ入力、簡単な文書作成、画像認識やパターン判別などです。
- **カスタマーサポートの一部(チャットボットなど)**や**プログラムコードの生成補助**も、生成AIによって効率化や置き換えが進んでいます。

### 2. すべての仕事がなくなるわけではない
- **創造性が必要な仕事、対人スキルが重視される仕事**(医療、教育、交渉など)はすぐには置き換えられません。
- AIは人間の判断力や共感力、倫理的判断を完全に再現できず、**人間とAIの協働**が主流になると考えられています。

### 3. 新しい仕事も生まれる
- 生成AIを**導入・管理・活用するための新しい業種や職種**(プロンプトエンジニア、AI倫理監査、AIトレーナーなど)が出てきます。

### 4. **職業の「内容」が変化する**
- 仕事の本質が「AIを使いこなす力」にシフトし、**AIと協働することが標準化**する分野も多いです。
- 日常業務をAIが補助することで、人間はより創造的・戦略的なタスクに集中できるようになるという見方もあります。

### 専門家の予測
- 一部のリサーチでは「2030年までに世界の仕事の約15%が自動化される」といった予測もありますが、全面的な失業には至らないという見方が主流です。

---

**まとめ:**  
生成AIは特定の職種や業務の「やり方」を大きく変えたり、なくしたりする可能性は高いですが、「すべての仕事がなくなる」わけではなく、人間の働き方が変わる方向に進むと考えられます。

もし特定の業種や、生成AIがもたらす具体的な変化の例が知りたい場合は、さらに詳しく説明できます。

実行時間、コスト比較

続いて、それぞれのモデルで実行時間とコストを比較してみます。また、比較用に前回実行したOpenAIでの結果も載せておきます。

モデル 実行時間 発生コスト
Gemini Pro 2.5 約22秒 <計測できず>
gpt-4.1 約10秒 $0.01以下
o3-deep-research 約4分 $2.27

Gemini APIの実行時間は約22秒でした。gpt-4.1より若干時間はかかっているものの、十分許容範囲ではあると思います。

また、コストについてはGemini APIで即時集計ができないため今回は計測できていません。
ただ、料金表は公開されているため概算コストを見積もることはできます。(おそらく$1以下)

トラブルシューティング

実行環境を構築できない (Dockerで対応)

実行環境をうまく構築できないかたへDockerfileを置いときます。

Pythonスクリプトを作成したのと同じディレクトリに下記のDockerfileとinit.shファイルを作成してdocker buildでイメージ作成してください
(*) APIキーを直接記述せず、環境変数で渡す方式にしています

step1. Dockerfile その他ファイル作成

Dockerイメージ作成用のDockerfileと起動用のinit.shを作成してください。

Dockerfile

#FROM python:latest
FROM registry.access.redhat.com/ubi8/ubi:latest

# Install package

RUN cd $HOME

RUN yum install -y python3.12
RUN yum install -y python3.12-libs
RUN yum install -y python3.12-devel
RUN yum install -y python3.12-pip
RUN yum install python3.12-pip

RUN yum install -y gcc
RUN yum install -y gcc-c++

RUN pip3.12 install google-genai

COPY ./*.py /root/
COPY ./init.sh /root/

RUN chmod 755 /root/init.sh

ENTRYPOINT ["/root/init.sh"]

init.sh

#!/bin/bash

echo start sample_gemini_pro_2.5.py: `date`
python3 /root/sample_gemini_pro_2.5.py
echo finish sample_gemini_pro_2.5.py: `date`

step2. Dockerイメージ作成 (docker build)

docker buildコマンドでDockerfileからイメージ作成します。
Dockerfileおよび関連ファイルはすべて同じディレクトリに格納して、そのディレクトリへ移動してからdocker build実行してください。

docker build ./ -t sample-gemini-2.5-pro

step3. Dockerコンテナ実行 (docker run)

APIキーを環境変数にセットして、それをDockerコンテナへ渡す方式で実行します。

export GEMINI_API_KEY=<APIキー>
docker run -e GEMINI_API_KEY -it sample-gemini-2.5-pro /bin/bash

step4. 実行結果を確認 (docker logs)

Dockerコンテナを実行すると標準出力に実行結果が表示されますが、ログから確認することも可能です。

# 実行したコンテナのCONTAINER IDを探す
docker ps -a

# コンテナの実行ログを表示
docker logs <CONTAINER ID>

最後に

今回はGemini 2.5 Pro APIにURLコンテキストとGoogle検索ツールを組み合わせ、Webからの最新情報を動的にGrounding(根拠付け)する手順を紹介しました。まずはサンプルコードを動かして、応答に検索結果が反映される感覚をつかんでみてください。

ぜひ試してみて、フィードバックや質問はXでお待ちしています!

1
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?