これは一人でダイソーのおもちゃを毎日分解する Advent Calendar 2022の21日目(初日)の記事です。
こんにちは、@tama_Udです。今回はダイソーで売っているポータブルLCDゲーム「ブロックエックス」を分解したいと思います。
分解する商品スペック
店: DAISO
価格: ¥300(税込¥330)
商品url: https://jp.daisonet.com/products/4560205400211
商品写真:
分解していく
商品を取り出す
取り出したところ
スマートフォンモチーフの機体です。ボタンは往年のiPhoneでしょうか。一方、画面上部のステータスバーアイコンはAndroidかガラケーのようにも見えます。
横から見たところ
正面右側面には電源ボタン、左側面には音量ボタンのような出っ張りが見えます。
結構凝っていますね。
電源を入れたところ
単四電池2本が付属しているので、買ってすぐに遊べます。
23種類のゲームがありますが、何番がどのゲームなのかは遊んでみないとわかりません。
テトリスらしきブロックゲームは安定して面白いですね。
そしてこのゲーム機、ボタンが絶妙に押しにい、説明書がないためボタンをひとつずつ押して操作を確認する作業が必要、ゲーム難度も優しくはないのですが、スマートフォンに慣れた令和の子供たちは継続して楽しんでくれるんでしょうか。
ちなみにLCD右横のQRコードはこのおもちゃを卸している企業HPに飛べます(芸が細かい)。
本体を開ける
さっそく分解していきましょう。乾電池を取り外し、背面のネジをプラスドライバーで6ヶ所外します。
簡単に外れてくれました。
ボタン、基盤、電源とスピーカーへの配線が見えます。
基盤の表側はこんな感じです。
スピーカーも反時計回りに回転させるとカバーから外すことができます。
もっとスイッチやボタンがゴテゴテはんだ付けされた基盤を想像していたんですが......なんだかスッキリしていますね。
観察してみる
この銅色の部分、すごいですねー。おそらく、ボタンを押すと通電する仕組みになっているんですね。
ボタンの内側はこんな感じで、カーボンでしょうか、何か導体が入っているはずです。
スピーカーのプラ製の膜を剥がしたところ。
コイルと磁石が入っています。こんなシンプルな仕組みで動くのか......(感動)。
そしてこのLCD、よくみたらすごい構造です。
ガラス(?)部分によくみると縞模様が入っています。
この縞の本数と、基盤のLCD配線の本数は一致しています。そして、LCDと基盤の間に挟まれているピンクの柔らかいクッションのようなもの、この内側の黒い部分はよくみると縦格子状になっています。ピンクの部分は絶縁体のようです。
つまり、基盤からの電流が黒い部分を伝ってガラス部分の縞を伝って、液晶部分まで到達する仕組みになっています。
本来は配線の本数ぶんはんだ付けをするものですが、これ「置くだけ」一回で回路作れちゃうんですね......。技術が工数を削減する、素晴らしいですね。
心臓部をなんとかして(火力で)見る
再度基盤のアップです。
この黒いモールド部分、チップがモールドされているみたいです。
なんとかして中身をみたいですね......。
紙ヤスリで削ってみましょう。
周辺の配線をセロハンテープで保護して、60番と100番でやすりがけをしてみます。
こいつ......結構硬いぞ......。
削れていないわけではないんですが、5分ほどかけても中身が見えてきません。
埒が明かないので、先人の知恵をお借りしましょう。
『揚げて炙ってわかるコンピュータのしくみ』第4章の『揚げて炙って中身を覗く』によると、サラダ油で揚げたり、ガスバーナーで炙るとチップ周囲の保護剤を溶かすことができるようです。
〜ファイヤー中(画像略)〜
炙りながら撮影するには自撮り棒的なものが必要ですね......。
画像ないのですが、先に周囲の配線が燃えました。モールドは意外と強固で、20秒以上炙るとやっと炎をあげてくれます。
燃え尽きたら静置して粗熱を取ります。
上記の書籍の通り、割り箸で焦げを突き崩していきます。(チップは小さいので一緒に崩してしまわないように少しずつ)
......ありました!チップです!(中央付近の小さくて四角いもの)
これは楽しい。チップは虫眼鏡で観察してみるといいかも。
終わりに
初日から基盤を炙れて楽しかったです。ダイソーのおもちゃの企業努力がわかって面白いですよ。
25日まで5日間、毎日分解を頑張るぞ。
皆さんもやってみてくださいとは気軽に言えないんですが好奇心が勝っちゃった人はぜひ。
明日は@tama_Udさんの『ダイソーのソーラー電池式電卓を分解する』です。お楽しみに!