はじめに
一人でも多くの方がAWS無料枠における「うっかり課金」を回避されますように。
うっかり課金とは
AWSには無料枠があり、クラウドサービスを触れてみたいと思ったときに気軽に始められるのがとても魅力的です。しかし気づいたら課金が発生していたと「うっかり課金」してしまうの落とし穴があるのです。
Elastic Load Balancer
EC2はとても太っ腹で750時間/月の無料枠があります。24h*31=744なので、24時間つけっぱなしで運用も可能。しかもEC2のメニューにあるELBではAZをまたぐロードバランサを気軽に試すことができて、クラウドの醍醐味を感じました。
しかし、ELBに無料枠はありません。たくさん作ったEC2だけ消して安心していたら2週間で1000円くらい課金が発生していました。ELBはお試しが終わったらすぐに消しましょう!
Elastic IP Address
EC2などを作成する際にElastic IPを取得してもお金はかかりません。全人類の有限な財産であるな静的なIPアドレスを無料で提供する大盤振る舞い。
しかし使い終わっても解放しないで放置された静的IPアドレスは課金が始まるのです。利用しなくなったIPアドレスは解放しましょう!
Route 53
そもそも本サービスに無料枠のようなものはありません。ホストゾーンを作成して忘れていたら課金が発生して気づいたというわけです。
NAT Gateway
インターネット接続できないプライベートサブネットを作ったら、外部から遮断された安全なネットワーク。しかし一時的にインターネットが必要になったらNAT Gatewayがお手軽に解決してくれます。yum updateが済んだらすぐに消す。しかし、お手軽なものは消し忘れのリスクと常に背中合わせなのです。
エンドポイント
この投稿から1年以上建って久々にやってしまった失敗です。プライベートなネットワークからAWSのサービスにアクセスすることのできるエンドポイントは、セキュリティと利便性を両立してくれます。その代償はコスト。チリが積もって山になります。
KMS
S3などの暗号化に利用されるキーはデフォルトで設定されているAWS管理型とカスタマー管理型(CMK)があります。そしてCMKには1USD/月の管理費が発生します。利用しなくなったCMKは利用しなくなったら削除すべきなのですが、万が一CMKで暗号化したものが残っていた場合、永久に複合することができなくなるのです。
そうなると気軽に削除するわけにもいかなくなるので、CMKの無効化という選択肢があります。CMKは無効化すると利用できなくなるのですが、必要になったら再度有効化することが可能という便利なオプションです。
しかし、CMKは無効化しても費用が掛かります。
いつでも有効にできる無効化は、実質有効と同じである(ニーチェ)
おわりに
Amazonは「地球上で最もお客様を大切にする企業」なので Billingという機能の中で、課金に気づくことができるアラームを用意してくれています。クレジット番号を預けている我々はここを設定して注意を払うことで、意図せぬ出費を増加する前段階でキャッチし、蛇口を締めることができるのです。そして「うっかり課金」してしまったとしても「私はAWSの未来に出資した」と前向きに考えることで心の平穏を手に入れることができます。
参考文献