Summary
- AWS認定(Solutions Architect - Professional・Security - Specialty)取得済みの状態から、AZ-104およびAZ-305を約30時間の学習で一気に取得した体験記
- AWS脳のまま挑むとつまづくAzure固有の概念(ストレージアカウント・リソースグループ・Entra IDロール等)と、逆に親しみやすく感じるサービス群の両方を実感した
- 試験難易度の肌感は AWS SAP >>>>>> AZ-104 ≧ AZ-305 > AWS SAA であり、AWS SAPの経験があれば設計問題への耐性はある程度ついている
やらないこと
- 各試験の出題範囲・試験範囲の網羅的な解説
- AZ-104・AZ-305の合格に向けた学習ロードマップの提示
- AWSとAzureのサービス対応表の作成
本記事における課題
筆者はこれまでAWSを7年、Azureを4年ほど業務で扱ってきた。実務で感じたサービスや思想の違いは過去にQiitaへ投稿している。
業務上はAzureを扱う機会があるものの、認定資格という形で体系的な知識を整理したことがなかった。
普段ソリューションアーキテクトとして活動しているため、AWS側ではSolutions Architect - Professional(SAP)およびSecurity Specialtyを取得済みである。
今回の課題は 「Azureの認定資格を一度も取得したことがない状態から、Azure Solutions Architect Expertを取得する」 こと。
具体的にはAZ-104(Azure Administrator Associate)を取得し、それを前提資格としてAZ-305(Designing Microsoft Azure Infrastructure Solutions)に挑むルートを選択した。出題範囲も似通っていると聞いたため、Associate止まりにせずExpertまで一気に狙うことにした。
やったこと
学習期間・学習量
今年4月ごろから勉強を始めたが、業務都合により一度中断し、8月に入ってから再開した。
両資格を合わせた実質の学習期間は約1ヶ月、総学習時間は30時間程度(1日1時間ペース、まとめて進める日もあり)。
使った教材
主にUdemyの模擬問題集を活用した。いずれも3周して9割正答を目標とした。
| 試験 | 教材 |
|---|---|
| AZ-104 | 【2026年版】AZ-104: Microsoft Azure Administrator模擬試験問題集(400問) |
| AZ-305 | 最短で合格!Azure Solutions Architect Expert AZ-305 試験対策問題集 |
加えて、Microsoft Learnに公式の模擬問題集が用意されているため、こちらも3周して9割を目指した。Udemyの問題集と方向性が異なる問題も収録されているため、両方やって損はない。
どうしても解説を読んでも腑に落ちない箇所については、Microsoft Learnの該当ラーニングパスを受講して補完した。試験の出題範囲をなぞりながら小問を解くことができる。
受験当日
テストセンター(Pearson VUE)で受験した。AWSと同様にPearson VUEが運営しているため、会場の雰囲気や手続きはほぼ同じである。
自宅受験も選択可能だが、部屋の片付けが煩わしいことと、回線トラブルのリスクを避けるために現地を選択した。このあたりの判断はAWSの時と変わらない。
試験の仕様は以下の通り。
| 試験 | 試験時間 | 合格ライン |
|---|---|---|
| AZ-104 | 100分 | 700点(70%) |
| AZ-305 | 120分 | 700点(70%) |
問題構成としては、いずれの試験もケーススタディ(架空の企業要件を題材にした複数問)と単独問題の2セクション構成になっている。ケーススタディは4〜7問程度、残りが単独問題。
日本語の翻訳品質については、特に違和感を感じる出題はなかった。
模試と本番の出題差
Udemyの模擬問題集はAzure ARMテンプレートに関する問題が収録されているが、本番のAZ-104ではAzure Bicepを問う問題が出題された。ARMテンプレートはBicepへの移行が進んでいる経緯があり、試験内容もそれに追従していると感じた。
AZ-305でも、やや最新サービスに基づいた出題傾向を感じた。模試で対策しつつも、最新サービスの動向を追っておくことが重要である。
まとめ・所感
結果
無事に2試験とも合格できた。
難易度の肌感
個人的な難易度の印象は以下の通りである。
AWS SAP >>>>>> AZ-104 ≧ AZ-305 > AWS SAA
AWS SAPは問題文が長大で、選択肢を絞り込む難度も高く、精神的に消耗する試験である。それと比べると、AZ-104・AZ-305はいずれも問題文の長さ・難度ともに一段落ちる印象。
AZ-305はAWS SAPに近い「複数の選択肢(いずれも技術的には実現可能)の中からより適切な解を選ぶ」形式であるが、問題文があまり長くない。今改めてAWS SAPの問題文の長さを思い返すと、なかなか恐ろしい試験である。
AZ-104とAZ-305の関係
AZ-104を受験してから4日以内にAZ-305を受験した。出題範囲がかなり重複しているため、AZ-305の準備はAZ-104で学んだ知識をベースに、不足分を模試で確認して補完する形で進められた。
初めてのAzure試験という事情もあり、むしろAZ-104の方が難しく感じた。問題文もAZ-104の方が長く、より具体的な実装手順を問われる内容が多かった。
AWS脳には要注意なAzure固有の概念
AWS経験者がAzureを学ぶ際に戸惑いやすいのが、AWSには存在しないAzure固有の概念である。
特に以下の3点は、AWS脳のまま挑むと混乱しやすい。
-
ストレージアカウント
- Azureではストレージの種類(Blob、Queue、Table、Files)を「ストレージアカウント」という単位で束ねる。S3やEFSが独立したサービスとして存在するAWSとは考え方が異なる。
-
リソースグループ
- Azureのリソース管理の基本単位。AWSのタグやOrganizationsとは設計思想が異なり、リソースグループをまたいだ操作やアクセス制御の粒度を理解するのに時間がかかった。
-
Microsoft Entra ID(旧Azure AD)のロール vs Azureロール
- Entra IDロール(テナントレベルの管理)とAzureロール(リソースレベルのRBAC)は明確に別物だが、IAMしか知らない状態では混同しやすい。
一方で、VM、App Service、VNet等のネットワーク構成はAWSの概念と比較的近く、馴染みやすかった。EC2とAzure VM、ELBとAzure Load Balancer、VPCとVNetというように、対応関係を意識しながら学ぶとスムーズに理解できる。
Azure試験固有の体験で良かった点
試験終了後、結果がその場の画面に即時表示される。
AWSの試験はスコアが当日中に出ないケースもあり、「受かったか…?」と気になって夜しか眠れないことがある。(笑)
その点、Azureは試験終了ボタンを押した直後に合否とスコアが表示されるため、精神衛生上非常に優しい。さらに受付でスコアレポートを印刷してくれる点も好印象だった。
資格取得の副次効果
Azureの権限管理や冗長化の粒度はAWS以上に細かく設計されていると感じた。これはAzureがPaaS思想を強く持ち、リソース側に与える設定が重要になる設計哲学の表れだと思う。試験を通じてそのベストプラクティスを体系的に学び直す機会になった。
また、以前のQiita記事をベースに社内イベントで登壇する機会をいただいたが、試験合格で基礎的な知識に自信を持った状態で臨めた点は大きかった。

