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ラズパイ5でサーバー構築に挑戦!セットアップからWordPressでWebサイト公開まで

Last updated at Posted at 2025-08-18

はじめに

開発本部で広告配信システムの開発に携わっている、エンジニアの石黒です。
今回は、Raspberry Pi5を買ったので、セットアップと簡単なWebサーバーの構築をしてみます。
ちなみに筆者は、ラズパイは学生時代に授業でPi3をちょっと扱った程度でほとんど初心者なので、色々とわちゃわちゃした記事になってしまいましたが、温かい目で読んでいただけますと幸いです。

本記事はこちらの書籍の内容を参考にさせていただきました。
ラズパイの歴史や基礎知識から電子工作の手引きまで幅広くまとめられており、初心者でも理解しやすい内容だったのでおすすめです。
電子工作&サーバー構築徹底解説! ラズパイ5完全ガイド

Raspberry Piの概要

そもそもRaspberry Piってなんだ??という方もいらっしゃるかもしれないので簡単に勉強したことをまとめておきます。

Raspberry Piは英国のRaspberry Pi社によって教育向けコンピュータとして開発された小型のシングルボードコンピュータです。名刺程度の小型サイズでありながら、公式が提供しているOSのRaspberry Pi OSを導入することで、macOSなどと同等のデスクトップ環境で、一般的なPCと同じように扱うことができます。
ちなみにRaspberry Pi OSはLinux OSのDebianをベースとして作成されており、Debian向けのアプリケーションの多くを自由に追加・利用できます。もちろんRaspberry Pi OS以外に、世界的に人気なLinux OSであるUbuntuなどもラズパイで動作します。

小型のデスクトップPCとして扱うだけではなく、Webサーバーやファイルサーバーなどのサーバーアプリを動かして、24時間稼働の小型で省電力なサーバーとして使用することが可能です。

LEDやモーターといった電子パーツを接続できる端子を多数備えておりプログラムで自在に制御が可能で、かつ小型で低消費電力なので電子工作の作品に組み込むことも可能なため電子工作向けのコンピュータとしても人気です。

Pi5は2023年9月にリリース、2024年2月から国内で販売が始まったモデルで、前モデルのPi4Bと比べてCPU性能が2倍以上アップし、PCI Expressインターフェースを搭載したことで、PC向けの高速SSDとして一般的なNVMe SSDをストレージとして搭載可能になるなど性能が大幅に向上しています。
他にも電源ボタンが導入され、電源ケーブルの抜き差しによるオン/オフが不要になっていたり、従来のモデルでは、GPIOヘッダーの電源出力端子に接続していた冷却ファンに専用のFAN端子が用意されていたりと色々と便利になっています。

IMG_4285.jpg

セットアップ

本体の組み立て

今回はこちらの最低限必要なパーツが全て揃ったセットを購入しました。
IMG_4261.jpg

早速組み立てます。こちらのセットは組み立てがかなり簡単に設計されており手先が不器用な自分でも大体30分くらいで完成しました。初心者に優しいですね。
手順としては

  1. ケースの底と基盤を付属のネジで固定する
  2. 基盤のチップに冷却用の熱伝導シートを貼り付ける
  3. Pi5に備えられたFan端子にアクティブクーラーを接続する
    IMG_4286.jpg

「結構簡単じゃん!」と調子に乗っていたら熱伝導シートを貼る場所を間違えました。左上の箇所は無線LANやBluetoothで通信するための無線モジュールで、公式の画像を見たところ貼る必要があるのは、Raspberry Pi5と記載されている真下にあるメインメモリーのようです。ピンに返しがついており、固定してしまったら取り外すのがかなり難しいので気をつけてください。筆者は諦めました。

4.基盤にアクティブクーラーをピンで固定する(かなり力を込めて押さないと入らないのでちょっと怖い)
IMG_4287 (1).jpg
5. ケースの上側をはめて組み立ては完了!
IMG_4288.jpg

Raspberry Pi OSの準備

ラズパイでRaspberry Pi OSを利用するにはRaspberry Pi OSを書き込んだ起動用のメディアが必要です。起動用のメディアにはmicroSDカードやUSBメモリ、USB接続であればHDDやSSDも使用できます。
起動用のメディアの容量は、デスクトップ環境を利用する標準的なOSの場合は32GB以上、デスクトップ環境がなく全ての操作をコマンドで実行するRaspberry Pi OS LiteというOSを使用する場合は16GB以上が推奨されているみたいです。

今回はセットに含められているmicroSDカードを使用します。
カードリーダーなどを利用してPC(筆者はmacを使用)にmicroSDカードを接続したら、公式が提供しているRaspberry Pi Imagerというツールを利用してOSを書き込みます。

IMG_4332.png

IMG_4312.png
「設定を編集する」の項目から事前にOSの設定をすることが可能なようです。
設定できる項目は以下の通りで、特にsshの有効化をしておくとPCからラズパイにリモートでアクセスが可能になるので設定しておくと良いと思います。

  1. ホスト名
  2. ユーザー名とパスワード
  3. Wi-Fiの設定
  4. ロケール設定
  5. sshの有効化
    IMG_4326.png
    IMG_4330.png
    IMG_4334.png

書き込みが完了したら、以下のような画面になるので、起動用のmicroSDカードの作成完了です。
IMG_4314.png

Raspberry Pi OSの設定

OSを書き込んだmicroSDカードをラズパイに接続したら、いよいよラズパイを起動します。
起動したラズパイにマウスやディスプレイ、キーボードを接続するとデスクトップPCとして扱える...のですが、今回はRaspberry Pi ImagerでWi-Fi設定を行っているので、私物のPC(筆者はmac OSを使用)からリモート接続をしてみました。

リモートデスクトップアプリのVNCを使用して遠隔からラズパイのデスクトップを画面を操作します。
VNCを利用するにはラズパイ側でVNC設定を有効にする必要があるので先に設定したSSHでCLI上からラズパイを操作します。

以下のコマンドで起動しているラズパイがネットワークに接続しているか確認します。
正常に接続できていればラズパイのIPアドレスが取得できます。

ping <Raspberry Pi Imagerで設定したホスト名>

IMG_4306.png

ラズパイのipアドレス(192.168.10.107)が取得できたので、ラズパイにsshコマンドでアクセスします。

ssh <Raspberry Pi Imagerで設定したユーザー名>@<ラズパイのIPアドレス>

Are you sure you want to continue connecting?と尋ねられたらyesを入力
ssh設定でパスワード認証を選択していればパスワードの入力を求められるのでユーザー名とともに設定したパスワードを入力するとログインでき、CLIでの遠隔操作が可能となります。
IMG_4307.jpg

CLIでラズパイの設定を行います。

sudo raspi-config

IMG_4308.png

  1. System Optionsを選択し、BootをB2に設定(Bootをdesktop GUIに設定しないと、VNC接続してもViewerで真っ暗な画面しか写りません)
    IMG_4333.png
  2. Interface Optionsを選択し、VNCを有効化
    IMG_4327.png

設定の変更後はラズパイの再起動が必要です。

ラズパイにアクセスする側のPCに、無償で使えるVNC接続用のアプリ「RealVNC Viewer」をインストールします。

表示される手順に従ってセットアップを終えたら、ウィンドウ上部にラズパイのIPアドレスを入れEnterキー
IMG_4328.jpg

認証に関するメッセージが表示されたらContinueを選択→認証ダイアログが表示されたらラズパイのユーザー名とパスワードを入力後OK。
IMG_4331.png

認証が成功すれば、RealVNC Viewer内のウィンドウにラズパイのデスクトップ画面が表示され、ラズパイのデスクトップ画面を直接操作するのと同じように遠隔操作が可能となります。
IMG_4304.png

ちなみにRealVNC ViewerにはiOSやAndroid用のアプリも提供されているようです。

リモートでラズパイを操作できるようになったところで、日本語環境を設定していきます。
ラズパイではaptコマンドを利用してパッケージの管理ができます。

# インストール可能なパッケージの情報を更新する
sudo apt update

# 指定したパッケージをインストール
sudo apt install <パッケージ名>

# 指定したパッケージを削除
sudo apt remove <パッケージ名>

# キーワードでパッケージを検索
apt search "キーワード" 

# 指定したパッケージの詳細を表示
apt show <パッケージ名>

# インストール済みのパッケージを一覧表示
apt list --installed

# インストール済みのパッケージを最新の状態に更新する
sudo apt upgrade

sudo apt updateはaptコマンドでパッケージを操作する前に必要なコマンドで、実際にパッケージを更新するのはsudo apt upgradeコマンドです。ちょっとややこしい。

Raspberry Pi OSは標準でアルファベットや日本語、中国語、韓国語など多言語に対応したフォントを搭載していますが、一部の漢字が中国語と併用されているため、日本語で普段使われている書式とは異なる表示になってしまうものがあるようです。そのため、違和感のない日本語で利用するためには追加で日本語フォントを導入する必要があります。
Google社が開発したオープンソースのフォントファミリー「Noto」の日本語フォントを導入します。

sudo apt install fonts-noto-cjk

続いて日本語入力のために、文字入力用ソフトウェアの「Fcitx」とかな漢字変換アプリ「mozc」を導入します。

sudo apt install fcitx5-mozc

ラズパイ再起動後、Fcitxの設定からmozcを選択すると日本語入力が可能となります。
IMG_4303.png

最後にIPアドレスの固定をしておきます。
ルーターのDHCP(サーバー)機能は基本的に、あらかじめ設定されたプール内のIPアドレスで未使用の物を動的に割り当てる仕組みのため、接続するたびに割り当てられるIPアドレスが変化する可能性があります。そのためDHCP機能を利用せずに同じIPアドレスを使うように固定IPアドレスの設定が推奨されているようです。

ネットワーク設定の「Advanced Options」から「接続を編集する」を選択します。
IMG_4301.png

表示される設定画面から

  1. IPv4設定の項目に移動
  2. Methodを「自動」から「手動」に変更
  3. アドレスの欄の「Add」をクリックし、設定したい固定IPアドレス、ネットマスク、デフォルトゲートウェイの値を入力
    ネットマスク、デフォルトゲートウェイの値はMacなら「システム設定」→「ネットワーク」で利用しているネットワークの詳細から確認できる
  4. DNSサーバーのIPアドレスを入力
    一般的にはルーターのIPアドレスを指定
  5. 「保存」をクリック

Webサーバーの構築

ラズパイではWebサーバーアプリを導入することで、Webコンテンツを公開するWebサーバーとして利用することが可能です。
代表的なWebサーバーアプリであるNginxとCMSアプリWordPressを使用して、ラズパイからWebページを公開してみます。

sudo apt update
sudo apt install nginx

インストール後nginxが自動で起動し、「http://localhost」にアクセスするとお馴染みのWebページが表示されます。
IMG_4300.png
この時同じLAN内にある別の端末から「http://(ラズパイのIPアドレス)」にアクセスすることでNginxにアクセスできるようになっています。
IMG_4299.png

次にphpパッケージをインストールします。

sudo apt install php-fpm

Nginxでphpを利用するための設定を行うために、テキストエディタでNginxの設定ファイルを以下のように編集します。

sudo mousepad /etc/nginx/sites-available/default

スクリーンショット 2025-08-12 16.56.16.png

設定を保存しNginxを再起動すればNginxでphpを利用できるようになります。

sudo systemctl restart nginx

続いてデータベースを導入し、phpから操作できるようにします。

sudo apt install mariadb-client mariadb-server php-mysql
sudo mysql_secure_installation

いくつか質問されるので順次設定していきます。

Enter current password for root (enter for none):
#Enterキーを押す
Switch to unix_socket authentication [ Y/n ]
#Enterキーを押す
Change the root password? [ Y/n ]
#Yを入力
#管理者のパスワードを設定する
#パスワードの確認で再入力
Remove anonymous users? [ Y/n ]
#Enterキーを押す
Disallow root login remotely? [ Y/n ]
#Enterキーを押す
Remove test database and access to it? [ Y/n ]
#Enterキーを押す
Reload privilege tables now? [ Y/n ]
#設定を確認し問題なければEnterキーを押す

設定後、sudo mysql -u root -pで先ほど設定した管理者用のパスワードを入力すればMariaDBにログインできるようになります。

最後に、これまで導入したWebサーバー、php、データベースを利用して動作するWordPressを導入します。

新規データベースとWordPressからアクセスするためのユーザーを作成

sudo mysql -u root -p

CREATE DATABASE "<作成するデータベース名>" CHARACTER SET UTF8 COLLATE UTF8_BIN;
CREATE USER '<作成するユーザー名>'@'localhost' IDENTIFIED BY '<バスワード>';
GRANT ALL PRIVILEGES ON wordpress.* TO '<作成するユーザー名>'@'localhost';
FLUSH PRIVILEGES;
quit;

wgetコマンドでWordPressのインストール用圧縮ファイルをダウンロード

wget https://ja.wordpress.org/latest-ja.tar.gz
sudo tar zxvf latest-ja.tar.gz -C /var/www/html

この際に、一向に接続ができずループする現象に遭遇し1時間ほど費やしたのですが、固定IPアドレスの設定時にDNSサーバーに設定するIPアドレスをtypoするという大ポカをやらかしていたのが原因でした

#展開したファイルをNginxから扱うために権限を変更
sudo chown -R www-data:www-data /var/www/html/wordpress

Webブラウザから「http://localhost/wordpress」にアクセスできるので、初期設定を行う。

  1. データベース名に先ほど作成したデータベース名を入力
  2. ユーザー名に先ほど作成したユーザー名を入力
  3. パスワードを入力
  4. 送信
  5. 指示される通りにサイトのタイトルとサイトの管理に利用するユーザー情報の設定を行う

設定完了後、作成したユーザーでログイン
IMG_4325.png

ログインしたら、すでに公開されているWordPressのサンプルページがあるので、編集画面から「投稿を表示」をクリックすると「http://localhost/wordpress」で公開されているWebページを閲覧できる。
IMG_4311.png

同じLAN内にある自身のスマホからlocalhostの代わりにラズパイのIPアドレスを指定すると、公開されているWebページにアクセスできました!!
IMG_4297.png

最後に

今回試してみたことはここまでです。
個人的にラズパイのセットアップはハードルが高いイメージがあったのですが、作成が簡単なキットや豊富な参考記事が存在しているので、想像よりもつまずいた部分は少なかったです。ただ、前もって必要な知識がかなり多いので、勉強していこうと思います。
さて、せっかくラズパイを買ったので、次はいよいよ電子工作に取り組んでみようと思います。
また記事に書こうと思っているのでよければ読んでみてください。

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