この記事は PICマイコン Advent Calendar 2025 2日目の記事です。
はじめに
新しいことに手を出した時、多くの初心者がまず悩むのは、"情報の探し方"です。
PICマイコンの情報量は他のマイコンと比べて少ないため、初心者向きでないとよく言われます。
たしかに、検索した際にヒットするものは少ないのですが、実際には公式に豊富な資料や便利なツールが揃っています。
しかし、これらの公式資料は誰かに教えてもらったりしない限りたどり着きにくいものが多く、その存在を知らないままPICマイコンを使われている方も多いでしょう。
また、PICマイコンの種類はたくさんあるため、初心者にとってデバイス選定も大きな壁になりがちです。
そこで、この記事ではMicrochip公式が出している資料やツールを紹介します。
デバイス選定ツールや、データシート、アプリケーションノート、サンプルコード検索など、PICマイコンの開発の入口になる情報をひとまとめにしてみました。
PICマイコンに初めて触れる方はもちろん、PICマイコンを普段使いされている方にも役立つ“公式資料のガイドマップ”として活用していただければ幸いです。
もし他にもおすすめの資料があれば、ぜひコメントなどで教えてください。
1. Microchip 公式ウェブサイト
Microchipの公式サイトでは、PICマイコンに関する基本的な情報や資料を入手できます。
1.1. 型番検索
Microchipのサイト内にある、一番上の検索バーで型番を入れて検索することができます。

検索するとこのような画面が出てきます。ここから製品やドキュメント、評価基板などのページに飛ぶことができます。
1.2. 製品ページ

製品ページには、簡単なマイコンの特徴(CPUのタイプ、メモリ、使えるペリフェラル etc...)や、回路設計用のCAD、データシート、リファレンスマニュアルなどがあります。
CADはUltra Librarianからとってくるそうです。
補足
製品ページには、必ずしもすべてのリファレンスマニュアルが掲載されているわけではありません。
実際に、dsPIC33CDVC128MP506というマイコンの製品ページでは、Documentationの欄が空白になっています。(2025年11/21日時点)
しかし、ほとんどのデバイスのデータシートには “Referenced Sources” という、関連するリファレンスマニュアルがまとまっているセクションがあります。
そのため、製品ページで目的の資料が見つからない場合でも、この Referenced Sourcesを参照することで、欲しいリファレンスマニュアルが見つかるかもしれません。
実際、先ほどのdsPIC33CDVC128MP506ファミリのデータシートにも、このセクションがあり、該当するリファレンスマニュアルが記載されていました。
2.MPLAB Discover
MPLAB Discoverでは、さまざまな資料やサンプルコードを検索できます。
ここでは、データシートやアプリケーションノートなどの資料だけでなく、コード(プロジェクト)の例も見ることができます。
コード例を探す際には、デバイスファミリや、MCC(コンフィギュレーター)の種類などを指定して検索することができます。
また、MPLAB X IDEのWindowからも開けます。そのため、このページから資料を開いて、コードのウィンドウの隣に置いて上げることによって、資料を見ながらコーディングをすることができます。
3.Microchip 日本語資料
Microchip Japanが提供している、公式ドキュメントの日本語版を公開しているページです。
ここにはデータシートやリファレンスマニュアルの完全日本語版があります。
リファレンスマニュアルは以下のファミリのものが出ていました。
- PIC24F
- dsPIC30
- dsPIC33/PIC24
- dsPIC33F/PIC24H
- dsPIC33E/PIC24E
- PIC32
英語のドキュメントを読むのになれていない方は上記のファミリのマイコンを触ってみるといいでしょう。
4.MICROCHIP ADVANCED PART SELECTOR
MAPSは欲しい機能を持っているPICマイコンを逆引きできるツールです。
MICROCHIP ADVANCED PART SELECTOR(MAPS)は、Microchip公式が出しているパーツ検索ツールで、さまざまな条件を設定してマイコンを選定できます。
設定できる条件には、以下のようなものがあります。
- デバイスファミリ
- ピン数
- 電源の範囲
- メモリサイズ
- USBの数
- CAN FDの数
これ以外にもさまざまな条件を設定できます。
「どんなマイコンが必要かわかっているけれど、どの型番を使えばいいかわからない」といったような時はこのツールを使うといいでしょう。
補足
PICマイコンを選定できると書きましたが、正しくはPICマイコンとAVRマイコンを選定できます。これは、2016年にMicrochip社がAtmel社を買収したためです。ちなみに、マイコン以外にもMirochip社のメモリや、CANトランシーバーやEthernetコントローラーなども選定できます。
5.Microchip Technical Support Portal
このページからMicrochipのWebサイト内の様々なページに飛ぶことができます。

たとえば次のようなページに飛ぶことができます。
5.1 MICROCHIP UNIVERSITY
このページでは、PICマイコンのプログラムを書く上でひつような知識を映像授業のような形式で配信されています。
日本語のコースもあります。一番長いものでは210分近くのコースがあり、とてもボリューム満点です。
基本的には30~60分ほどのものが多いです。
5.2.Microchip Forum
他のPICユーザーに質問ができる場です。
ここでは、PICマイコンについてのいろいろな話を他のユーザーとすることができます。
基本、英語です。たとえば、開発環境についてのことや、特定のファミリについての問題、コンパイルエラーへの対処法などの質問が多いです。
種類で絞り込めるので、似たような問題を持っている人を探せるかもしれません。
おわりに
今回の記事では、公式が出している様々なツールや資料がまとまったページについて解説していきました。
このような情報がまとまったところはあまりないと思うので、ぜひブックマークなどしていってください。
この記事が、PICをこれから使う人や現在進行形で使っている人に役立てばうれしいです。
逆引き
最後に逆引きをおいておきます。
| 目的 | 見るべきページ |
|---|---|
| PICマイコンを選定するとき | 🔗MAPS |
| 日本語の資料を探すとき | 🔗Microchip 日本語資料 |
| 資料やサンプルコードを探すとき | 🔗MPLAB Discover |
| 簡単なスペックを見たいとき CADのライブラリを探すとき |
🔗Microchip 公式サイト |
| 映像形式で情報を得たいとき | 🔗Microchip University |
| 他のユーザーに質問したいとき | 🔗Microchip Forum |




