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基礎科学実験を(落単しない程度に)攻略する

Last updated at Posted at 2021-06-18

はじめに

電通大の不人気科目ランキングを独走し他の追随を許さない基礎科学実験。その中でも実験Aが特に鬼門で、今年(2022)はなんと再履の人数が恐ろしいことになっています。怖いですね。
実験は再履になると6,7限になるのでなるべく(というか絶対)避けたいでしょう。ここでは私が1年のときにどのようにしてレポートを乗り越えたかを書いていきたいと思います。

レポートの内容

レポートは主に

  1. 目的
  2. 原理
  3. 方法
  4. 結果
  5. 考察
  6. 参考文献

の6つのセクションからなります。それぞれのセクションについて何を書けばいいのか書いていきます。

1. 目的

目的を書くのは至って簡単で、実験で何を求めるのかを書けばそれで終わりです。例えば

本実験では,〇〇を変化させ△△を観測することで物理定数××を求める.

という感じです。しかしこれだけではあまりにも短すぎますし、なんかもっとないものかと思ってしまうでしょう。そこでもっと付け足すために以下の文を最初に書いてみるといいかもしれません。

一般に,〇〇は△△の状態で××という現象を起こすことが知られている.

これを書くだけで一気にそれっぽく見えます。ここで言う「一般に」は世の中一般ではなく、レポート読む人ならこれくらいの前提知識あるよねという確認程度のものなので、求める物理定数に関連する現象とかのことを書いておけば無難でしょう。

2. 原理

ここはもっぱら式で求める物理定数をどのような原理を使って求めるかということをひたすら書きます。ほほテキストの受け売りです。なのでテキストをうまい具合にかいつまんで書きましょう。コピペダメ、絶対。

3. 方法

方法は要点だけをしっかり書けば問題ないと思います。そもそも方法は何のためにあるかというと、このレポートを読んだ人が同じような手順の実験を行えるかという点にあるので、冗長なものはなるべく省くのが望ましいです。つまりテキストを要約しましょう。
あとは装置の概略図を入れておくとなおよしでしょう。

4. 結果

結果は表とグラフのオンパレードです。結果は(おそらく)Excelにまとめると思いますが、グラフがきれいに作れないという場合がほとんどでしょう。私のオススメはGnuplotです。最初は面倒ですが、慣れれば使い回しができるので(最初から作る手間がなくなり)非常に楽です。
あと最小二乗法により傾きと切片を求めることが多々ありますが、その場合は「最小二乗法により傾きを求めると〇〇となった」と記載すれば大丈夫です。

5. 考察

求めた物理量が文献値と一致するか確認して、一致するもしない場合もどの点に成功/失敗の原因があるのかということを見つけて書きましょう。

6. 参考文献

参考文献は私は次のように書きました。

出版社名, 著者, "引用部分のタイトル", 書名, 発行年, 該当ページ
著者(ページの作成者), "引用部分のタイトル", URL, 閲覧日

該当ページは該当ページ数が1ページであれば「p.xxx」、複数ページであれば「pp.xxx-yyy」と記載しましょう。以下記載例です。

丸善出版, 国立天文台, ”日本各地の重力実測値”, 理科年表2021, 2021, p.869.
一般社団法人アルコール協会, ”エタノール水溶液の表面張力”, http://www.alcohol.jp/expert/expert_table/03hyomencyoryoku.pdf, 2021/10/28 閲覧

レポートでの参考文献一覧

基本的には自分が実験してレポートを書いたものしか扱わないのでご注意。情報はたまにアップデートしていきます(不定期)。

基礎科学実験A

各実験共通

  • 基礎科学実験A(物理学実験) 2021年版
    言わずもがな誰もが知っている実験テキストです。ほとんどはこれを見れば目的、手順などが書いてあるので参考にできます。

3 液体の比熱

  • 産業技術総合研究所 TPDS-Web
    物性方面でかなり参考になるデータベース。だいたいの物質についての密度、蒸気圧、比熱、熱伝導率などのデータが詳しく載っています。ただ、すべて英語で書かれているので専門的な単語の理解も必要になってくると思われます (最悪翻訳機能使えばどうとでもなる)

5 電気回路

テキスト以外特になし

6 ヤング率

  • 理科年表 2021年版(あるいは理科年表プレミアム)
    「日本各地の重力実測値」と「弾性に関する定数」の2つを用います。前者は重力加速度の定数の決定、後者は文献値として用います。

基礎科学実験B

各実験共通

  • 基礎科学実験B(化学実験) 2021年版
    これも誰もが知っている実験テキストです。実験Aと同様目的、手順などについてだいたいのことはこれを見れば解決します。
  • 化学の新研究
    とても役に立つ参考書。内容は説明についてが中心ですが、データも文中に出てくることが多々あるので文献値としても利用できるところはあります。

pH

化学の新研究で指示薬の変色域を調べることくらいです。

アスピリン

こちらも化学の新研究で分子量を求めることくらいです。

カフェイン

赤外

赤外では適当な信頼できるサイトでアセチルサリチル酸の融点の文献値を調べるくらいです。

計算化学

特になし

電池

  • 理科年表 2021年版(あるいは理科年表プレミアム)
    「基本物理定数」の項を参照。気体定数とファラデー定数の数値が得られます。

LaTeXを使う人向け

$\LaTeX$はさまざまなパッケージがあるため数式の記述に優れています。レポートで必ずと言っていいほどよく用いられるパッケージを紹介します。

おわりに

基礎科学実験は教員方も認める「学生に極めて不人気な科目」なので、さっさと1年でおさらばしましょう。

更新履歴

2021-06-18 作成
2021-08-01 項目ごとに分類、実験Bについて大幅に追加
2022-04-20 タイトル変更、内容加筆

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