OCVSのプロジェクト(VMware基盤のオンプレミス→クラウド移行)を実施中のお客様において、いくつか困ったことが発生し、支援したもののナレッジが溜まってきましたので、こちらに記載することで他のお客様でプロジェクトがすいすい進むようお祈りしたいと思います。
HCXでvMotionを実施する際に帯域制御をかけたい
オンプレミス環境の vSphere Web Client の HCX プラグインから設定する。
(コンフィグの途中でWAN Optimizationという項目があり、ここで帯域制御のパラメータを設定できる)
↑で帯域制御を仕掛けたのに制御されない
WAN Optimizationを再デプロイしてみてください(設定完了だけでは再デプロイされない)
OCVSの仮想マシンからFTPなど通信が遅い
トロンボーントラフィックが発生していませんか?HCXのMON(Mobility Optimization Networking)を有効にしてみてください。調査は↓を参考に、tcpdumpやiperf3等で地道に速度を測っていくしかありません。
そもそもOCVSの仮想マシンからFTPなどの通信が失敗する
以下を確認してみましょう。
1.tracerouteによる経路確認
- FTPサーバー→FTPクライアント
- FTPクライアント→FTPサーバー
経路が想定通りか?非対称ルーティングは発生していないか?
2.FTPモードの確認
- アクティブモード/パッシブモード
アクティブモードの場合パッシブモードでの接続は可能か?
3.その他
- FTPサーバー/クライアントのOS種別とバージョン
- FTP以外のSSHなどの通信
- 各種ルーターが示されている簡易構成図を起こして被疑箇所(FireWall等で途中遮断されていないか)の確認
OCVSのホストを削除する際にNSX-Tの状態を確認せずいきなりホストをTerminationした!
基本的には問題はないですが、NSX-Tのマネージャーノードにログインしてget nodesコマンドでゴミが残ってないことを確認しましょう(削除したノードがなんらか残っていないか実行結果を確認)
MONを利用する場合にDRGアタッチメントのVCNルート表にスタティックルートが必要だが、VCNルート表のルートルールを追加したい
OCIで初期の上限は200となっているので、それ以上必要であれば拡張申請をしてください。上限は公表できないので営業経由でエンジニアに問い合わせることをおすすめします。
Veeamを利用してOCVS仮想マシン上のOracle Databaseをバックアップする方法
1.Agentレスバックアップ
Oracle Databaseを意識せずVMwareの仮想マシンとしてバックアップを取る手法です。VMware ToolsやスケジュールでBEGIN Backup/END Backupを実行してOracle Databaseのオンラインバックアップができます。
2.Oracle Agentを利用したバックアップ
Oracle Database用Agent(Plug-inとは別物)を仮想マシンへインストールして、システムバックアップとともにRMANと連携してバックアップを取る手法です。
3.Plug-in for Oracle RMAN
Veeam AgentのPlug-inとしてOracle Databaseのバックアップだけを取得する方法です。システムバックアップは別に取る必要があります。
OCVSをご採用いただいたお客様に深く感謝を申し上げます。
今後も適宜、追記していきます😼