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AzureとOCIでサイト間(S2S)VPNをやってみた

Last updated at Posted at 2020-10-24

AzureとOCIの間を接続するにはExpressRouteとFastConnectを使ったInterconnectがまず想起されますが、西日本やバックアップ用途を想定して、サイト間(サイト対サイト:S2S)のVPN環境を各クラウドで用意されているサービスを使って構築してみました。

結果

つながるけれども使えない

どういうこと?

Azure側はVPNゲートウェイ、OCI側はVPN接続を、IKEv2で設定すればつながります。
Azure-VNG.png
OCI-VPN1.png
OCIはウィザードで作ると2つのトンネルを用意するので、Azureはアクティブ/スタンバイの仮想ネットワークゲートウェイから2本接続しています。
AzureのVMからルーティングテーブルを見ると、下記のようになります。
Azure-Route.png
pingを打ってみると、疎通します。今回はAzureは西日本リージョン、OCIは東京リージョンについないでいます。
Azure-ping.png
しかし、接続から1時間経つとIPSecが切れてしまい、疎通しなくなります
OCI-VPN2.png

なぜ切れる?

どうやら、それぞれのIPSecで使えるパラメータが異なるためのようです。
具体的には、サポートされるPFS(Perfect Forward Security)が異なっていました。

サポートされるPFSグループ

RouteBased

クラウド サポートされるPFSグループ
Azure 1, 2, 14, 24, なし
OCI 5

出典

PFSの簡易表

PFSグループ 内容 Azure表記
1 768-bit, DH PFS1
2 1024-bit, DH PFS2
5 1536-bit, DH
14 2048-bit, DH PFS2048
19 256-bit, DH (Elliptic Curve) ECP256
20 384-bit, DH (Elliptic Curve) ECP384
24 2048-bit, DH/DSA PFS24

追加情報

解決策

3つぐらい方法があるようです。

  • サポートにSRを出す
  • Libreswanを使う
  • Windows Server RRASを使う

サポートにSRを出す

Stack OverflowにVPN between Oracle Cloud and Azureという投稿があり、オラクルにて対応してもらったようです。これが通常できることなのかどうかはわかりませんので、個別にサポートにSRを出して確認する必要があると思われますが、ここで紹介したクラウド側のサービスで構成できる可能性があります。

I reached out to Oracle and they managed to change the setting for Perfect Forward Secrecy (PFS) to support the preferred Azure PFS setting (PFS 2). This stabilized the connection.

Libreswanを使う

ここで紹介した構成ではなく、オラクルでは、その他のクラウドへのアクセスとしてLibreswanを使った構成をこちらで公開しています。そして、実際にAzureとOCIを接続した例もこちらで公開されておられる方がいらっしゃいます。
この構成の場合は、パフォーマンスや運用を事前にしっかり確認しておく必要があると思われます。

Windows Server RRASを使う

Windows ServerにRouting and Remote Access Service (RRAS)という機能があり、こちらをネットワーク仮想アプライアンスとしてOCIのVM内に構築して、IPSecのVPNを張ることができます。
こちらに記事を書いておきました。

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