Windows Virtual Desktop (WVD)でGPUの性能計測を行ったついでに、Microsoft Flight Simulator (フライトシミュレーター 2020)をWVDの環境で動かしてみました。
環境
- Azure 東日本リージョン
- Standard NV6_Promo (6 vcpu 数、56 GiB メモリ) : NVIDIA Tesla M60
- Windows 10 multi-session Version 2004 : 日本語言語パック適用
- Xbox Game PassでMicrosoft StoreからFlight Simulatorを導入
写真集
今回の学び
Flight Simulator関連
- WINDOWEDしかできません。インストール時はフルスクリーンになりましたが、インストール後は設定変更ができません。FFではボーダーレス(仮想フルスクリーン)を設定できるのですが、現在のFlight Simulatorにはそれがありません。また、解像度がクライアントデバイスのもので固定されてしまい、ここでは私が利用しているSurface Pro 6の解像度が出てきて、Full HD画質(1920×1080)を超えているのがfpsに影響しているものと思われます。GLOBAL RENDERING QUALITYの設定は、ほとんどfpsに影響しませんでした。
- fpsはDevelopers Modeで表示することが可能です。(設定動画)
- 初期化時にセッションが切れます。おそらくFlight SimulatorがGPUの設定をする際、RDP側に干渉しているのでは? と想像していますが、原因はわかっていません。このグループポリシーを有効にしています:
[Use hardware graphics adapters for all Remote Desktop Services sessions] (すべてのリモート デスクトップ サービス セッションにハードウェアのグラフィックス アダプターを使用する)
なお、セッションが切れるだけで、再接続するとアプリケーションは不正終了することなく動作しています。また、セッションが切れるのは当該のものだけで、マルチセッションで入っているほかのユーザーには影響ありません。
WVD周りの注意点
- Flight Simulatorの必要ストレージ容量が大きいため、起動ディスク(C:)が128 GiBだと入りません。簡単に対処するなら、あらかじめ512 GiBに増やして、Windows内でもボリューム拡張しておくなど、アプリの要件にあった容量を用意する必要があります。WVD環境でのアプリの利用には、いくつかパターンがありますので要件に合わせて。
- ストアアプリのFlight Simulatorを、WVDのマスターイメージの中に入れることはできません。入れてからSysprepするとエラーになります。もし入れてしまったら、「sysprep ストアアプリ」などとキーワードを入れて検索すると対処方法が出てきます。
- ストアアプリのFlight SimulatorをWVDのセッションホストにインストールする場合は、セッションホスト上のWindowsに管理者権限が必要になります。WVDの通常の設定だけでは足りないので、ローカルの
Administrators
グループに<ドメイン>\Domain Users
を加える、グループポリシーで設定を行います。「Active Directory ドメイン参加ユーザ ローカルPC管理権限」というようなキーワードで検索すると参考になるページが出てきます。Azure AD Domain Servicesの場合は、AADDC Computers GPO
に設定することでもよいでしょう。