変数や list の値をコピーするには、
実現したい内容によっていくつかの方法があります。
私はそれを知らないまま1時間近く悩んでしまったことがあるので、
ここにまとめておきます。

ここでは、以下の3パターンに分けて説明します。

変数の値を代入
list の浅いコピー（copy()メソッド）
list の深いコピー（deepcopy()関数）

1. 変数の値を代入

変数の値を代入した場合のコードを例に説明します。

s = 1

# 変数の値を代入
d = s

# 代入元変数の値を変更し、その値を出力
s += 100
print("s -> ", s)

# 代入先変数の値を出力
print("d -> ", d)

実行結果は以下の通り。

s ->  101
d ->  1

実行結果を見てもわかるように、
代入元と代入先の変数は別々の変数として管理されているため、
片一方を変更しても、もう片方に影響はありません。

2. list の浅いコピー（`copy()`メソッド）

続いて list のコピーを行いますが、
まずはイケてないコピー方法の例を挙げます。

s_list = [0, 1, 2]

# list を代入
d_list = s_list

# 代入元 list の値を変更し、その値を出力
s_list[0] += 100
print("s_list -> ", s_list)

# 代入先 list の値を出力
print("d_list -> ", d_list)

実行結果は以下の通り。

s_list ->  [100, 1, 2]
d_list ->  [100, 1, 2]

実行結果を見てもわかるように、
代入元の list を変更しただけなのに、
代入先の list の値も変更してしまっています。
つまり同一のオブジェクトを参照してしまっています。

これを回避する（別のオブジェクトを参照する）には、
d_list = s_listという指定ではなく、
copy()メソッドを使い、
d_list = s_list.copy()と指定します。

具体的なコードを使って説明します。

s_list = [0, 1, 2]

# list を copy()メソッドでコピー
d_list = s_list.copy()

# 代入元 list の値を変更し、その値を出力
s_list[0] += 100
print("s_list -> ", s_list)

# 代入先 list の値を出力
print("d_list -> ", d_list)

実行結果は以下の通り。

s_list ->  [100, 1, 2]
d_list ->  [0, 1, 2]

今回はちゃんと別々の結果になっています。
つまり別々のオブジェクトを参照してます。

3. list の深いコピー（`deepcopy()`関数）

最後に、2次元 list のコピーを行いますが、
まずは直前に説明したcopy()メソッドを使ったイケてない例を挙げます。

s_list = [0, 1, [20, 21, 22]]

# list を copy()メソッドでコピー
d_list = s_list.copy()

# 代入元 list の値を変更し、その値を出力
s_list[0] += 100
s_list[2][0] += 100
print("s_list -> ", s_list)

# 代入先 list の値を出力
print("d_list -> ", d_list)

実行結果は以下の通り。

s_list ->  [100, 1, [120, 21, 22]]
d_list ->  [0, 1, [120, 21, 22]]

実行結果を見てもわかるように、
入れ子（2次元配列）になっていない部分（0番目）の値は別オブジェクトを参照していますが、
入れ子（2次元配列）になってる部分（2番目）の値は同じオブジェクトを参照しているため、
同じ値になっています。

これを回避する（別のオブジェクトを参照する）には、
copy モジュールの deepcopy() 関数を使います。

具体的なコードを使って説明します。

# copy モジュールを import
import copy

s_list = [0, 1, [20, 21, 22]]

# list を copy.deepcopy() 関数でコピー
d_list = copy.deepcopy(s_list)

# 代入元 list の値を変更し、その値を出力
s_list[0] += 100
s_list[2][0] += 100
print("s_list -> ", s_list)

# 代入先 list の値を出力
print("d_list -> ", d_list)

実行結果は以下の通り。

s_list ->  [100, 1, [120, 21, 22]]
d_list ->  [0, 1, [20, 21, 22]]

今回は入れ子（2次元配列）になってる部分（2番目）も含めて
別々の結果になっています。

知らないとかなりハマってしまう内容ですが（私はハマりました）、
整理して理解しておけば、難しくはない内容だと思います。
どなたかの参考になればと思います。