大学院ゼミ 1年生の導入教育
はじめに
こんにちは。大学・大学院で情報科学を専門とする教員をしています。
本記事では、私のゼミに所属する大学院1年生を対象とした、ディープラーニング導入教育のカリキュラムをご紹介します。
この実習の目的は、以下のとおりです。
- 大学院での研究を円滑に開始するための準備
- ディープラーニングを「理論」ではなく「実装」で体得する
- Google Colab 上で完結する、実行可能なプログラムを中心とした学習
第10週まではColab上で完結する内容となっており、今後Qiita上で各週の内容を順次公開していく予定です。
自習や指導の一助となれば幸いです。
本記事では、全15週のテーマを目次形式で紹介します。
※Colabノートやコードの詳細は、各週の記事にて個別に解説していきます。
なお、11週目からはColab で出来なさそうなので、記事としてアップロードするのは最大で第10週までとなりまs
カリキュラム全体(15週構成)
第1週
Colabの環境設定と基礎確認
Google Colabの使い方、Hugging Faceの利用、PyTorch/TensorFlowの確認、GPUの動作確認
👉 第1週の記事を読む
RNN編
第2週 テキスト自動生成
ニューラルネットによる文章の続きを生成する
👉 第2週の記事を読む
第3週 翻訳と要約
英文を日本語に翻訳し、記事を短く要約する
👉 第3週の記事を読む
第4週 文章の分類と感情の判定
テキストをジャンルごとに分類し、感情を読み取る
👉 第4週の記事を読む
第5週 チャットボットと意味ベクトル
会話を生成し、単語や文の意味を数値で表現する
第6週 情報の抽出
人名や地名などの情報を文から抜き出す
おまけ 音楽の生成
テキストからメロディを作成する
CNN編
第7週 画像の生成と変換
文字や指示から画像を作ったり、画像のスタイルを変える
第8週 画像の特徴抽出
画像からキーワードや特徴ベクトルを得る
第9週 物体の検出と領域の認識
画像内のモノを見つけ、場所を特定する
第10週 画像の分類と応用
画像をカテゴリごとに分け、既存モデルを再学習して使う
おまけ 動画生成と骨格推定
映像を作ったり、人の動きを捉える
強化学習編
第11週 ゲームでの行動学習①
落ちてくるボールを跳ね返す操作を学習させる(Breakout)
第12週 ゲームでの行動学習②
四足歩行ロボットを歩かせる操作を学習させる
第13週 予測に基づく学習
自分で未来の動きを予測しながら動作を最適化する
第14週 複数エージェントの協調学習
いくつかのキャラが協力して目標を達成する行動を学ぶ
まとめ
第15週 これまでの振り返り
各週の実習内容を整理し、今後に活かすためのまとめを行う
まとめとこれから
以上が、全15週の概要です。
ディープラーニングを「動かしながら学ぶ」ことを重視したカリキュラムとなっています。
次回予告
次回は【第1週 Colabの環境設定と基礎確認】を公開予定です。
謝辞
文章を易しくするにあたり、熊野ヘネ様に助言をいただいております。
ここに厚く御礼申し上げます。