どうも、タケイです。
前回の記事で、Kiro-CLIを使ってEC2とセキュリティグループの一覧をサクッと取得する方法を紹介しました。
👉 前回記事:Kiro-CLIを使ってEC2とセキュリティグループ一覧を簡単に一覧化してみた
今回はその続きで、こんな疑問を深掘りしていきます。
- Kiro IDEじゃだめなの?CLIならではの便利ポイントって何?
- Claude Codeと比べて何が違うの?
- サブエージェントで複数タスクを同時実行できるって本当?
最近は「AIコーディングアシスタント」のCLIツールが群雄割拠な状態ですが、使い分けのポイントが見えてきたので共有します。
Kiro-CLI vs Claude Code 比較
ターミナルで使えるAIアシスタントとして、AWS製の Kiro-CLI とAnthropic製の Claude Code がよく比較されます。
どちらもバックエンドにClaudeモデルを使っているので似ているように見えますが、得意分野がはっきり分かれています。
| 項目 | Kiro-CLI | Claude Code |
|---|---|---|
| 提供元 | AWS | Anthropic |
| バックエンドモデル | デフォルトはAutoエージェント。Opus 4.6も利用可能 | デフォルトはSonnet 4.5/4.6。 |
| AWS連携 | ◎(ネイティブ) | ○(MCP経由) |
| コーディング支援 | ○ | ◎(リファクタリング・テスト生成が得意) |
| MCP対応 | ○ | ○ |
| サブエージェント | ○(カスタムエージェント対応) | ○(Task型サブエージェント) |
| 並列セッション | ○(複数ターミナル) | ○(複数ターミナル) |
| 無料枠 | 50クレジット/月 | なし(API課金) |
どちらも「ターミナルでAIに自然言語で指示してコードや操作を実行してもらう」という基本は同じです。違いは 得意分野 にあります。
AWS運用ならKiro-CLIがスムーズ
AWS環境の運用・確認がメインなら、Kiro-CLIがいちばんスムーズです。
理由はシンプルで、AWS CLIとの連携がネイティブだから。
Claude Codeでも、MCP経由でAWSのツールを接続すればEC2やSGの操作はできます。ただ、MCP Serverの設定が別途必要だし、AWS固有のリソース名やARNの解釈精度もKiro-CLIのほうが上でした。
Kiro-CLIの場合は aws configure さえ済んでいれば、追加設定なしでAWS CLIコマンドを自動生成・実行してくれます。この手軽さはClaude Codeにはない強みです。
コーディングならClaude Code
逆に、コードを書くのがメインならClaude Codeが強いです。
ファイル編集・リファクタリング・テスト作成といったコーディングタスクに最適化されていて、コードベース全体を理解したうえでの提案が的確です。
個人的には AWS運用ではKiro-CLI、コーディングではClaude Code という使い分けがベストだと感じています。
Kiro-CLIの便利なところは?【Kiro IDEじゃだめ】
「EC2やセキュリティグループの確認なら、Kiro IDE(GUIのほう)でもできるのでは?」
そう思った方もいるかもしれません。
確かにKiro IDEも優秀です。
VS Codeライクなエディタ画面でAIエージェントとやり取りできるし、コードのサジェストもそのまま受けられます。
ただ、使ってみるとAWS運用のような「調べもの系タスク」にはCLIのほうが向いていると感じました。
理由は大きく3つあります。
便利な点(1) 並列で処理をさせられる
Kiro-CLIはターミナルで動くので、複数タブを開いて同時に作業できます。
たとえば、こんな使い方。
- タブ1:EC2の一覧を取得中
- タブ2:セキュリティグループの分析中
- タブ3:CloudWatchのログを確認中
Kiro IDEだと基本的に1つのエージェントセッションでの操作になります。「EC2を調べている最中にSGも同時にチェックしたい」となると、前のセッションを一度終わらせるか、結果を待つ必要があります。
CLIなら ターミナルを複数開くだけで、まったく別のタスクを同時に走らせられる ます。
実際の運用業務だと「インシデント調査で、EC2の状態・SGの設定・CloudWatchのログを同時にチェックしたい」みたいな場面がよくあります。そういうときに並列処理できるのは地味だけどかなり効きます。
ターミナルの分割ツール(tmuxなど)と組み合わせると、1画面で複数のKiro-CLIセッションを並べられるので、AWS環境の全体像を素早く把握できます。
便利な点(2) サブエージェントで複数タスクを同時実行できる
Kiro-CLIには サブエージェント という機能があって、1つのセッション内で複数のタスクを並列実行できます。
これ、さっきの「複数ターミナルを開く」とは別の話です。ターミナル分割は人間が手動で並列化する方法ですが、サブエージェントは Kiro自身が判断して複数のタスクを同時に走らせてくれる 仕組みです。
たとえば、こんなプロンプトを投げたとします。
us-east-1、ap-northeast-1、eu-west-1の3リージョンそれぞれで
EC2インスタンスの一覧を取得して比較してください
すると、Kiro-CLIのメインエージェントがタスクを分解して、3つのサブエージェントを同時に起動します。
- サブエージェント1:us-east-1のEC2を調査
- サブエージェント2:ap-northeast-1のEC2を調査
- サブエージェント3:eu-west-1のEC2を調査
各サブエージェントは独立したコンテキストで動くので、メインエージェントのコンテキストウィンドウを圧迫しません。全部完了したら結果がメインエージェントに集約されて、比較レポートとして返ってきます。
タスクを同時実行させるときの全体のイメージはこんな感じです。
実際に動かしている様子が以下。
エージェントを並列実行してくださいとチャットで打つだけで、3つの実行を別々にやってくれます。

並列実行している様子は、ターミナルのウィンドウで確認できます。

3つの処理が別々のコンテキストで動くので処理も速いですし、順番にやる必要もないので時短になって便利です。

さらに、カスタムエージェント を事前に定義しておけば、専門性の高いサブエージェントも作れます。
# カスタムエージェントの作成
kiro-cli chat
> /agent create
/agent create コマンドで「reviewer」「tester」「analyzer」のような専門エージェントを作っておいて、メインエージェントから呼び出す形ですね。
たとえば、AWS運用だとこんな構成が便利でした。
- sg-analyzer:セキュリティグループの設定を分析するエージェント
- cost-checker:コスト最適化の観点でリソースをチェックするエージェント
- compliance-reviewer:タグ付けルールやリージョン制限の準拠状況を確認するエージェント
1つの指示で3つのサブエージェントが同時に走って、結果を統合してくれる。手動で3回コマンドを打つよりはるかに速いです。
便利な点(3) クリエイター内蔵!エージェントはチャットで作れる
この「カスタムエージェント」ですが、「実際に設定したり作るのが大変そう…」と思うかもしれませんが、実はめちゃくちゃ簡単です。
Kiro-CLIには エージェントクリエイター が内蔵されていて、チャットの中でプロンプトを入力するだけでカスタムエージェントが作れます。
これ、Claude Codeでいうところの スキルクリエイター に相当する機能です。
Claude Codeではスキルクリエイターでチャットしながら .claude/skills/ にSKILL.mdをを作りますが、Kiro-CLIも同じようにチャットで「こういうエージェントが欲しい」と伝えるだけで、AIが設定ファイルを自動生成してくれます。
具体的にはこんな流れ。
kiro-cli
> /agent create
/agent create を実行すると、対話形式でエージェントの設定が進みます。
✔ Enter agent name: · sg-analyzer
✔ Enter agent description: · セキュリティグループの設定を分析して、
0.0.0.0/0のインバウンドルールや未使用のSGを検出するエージェント
✔ Agent scope · Local (current workspace)
✔ Select MCP servers: (none)
✓ Agent 'sg-analyzer' has been created and saved successfully!
これだけでOKです。
エージェント名と説明文を入力するだけで、Kiro-CLIが適切な設定(使用するツール、権限、コンテキスト)をAIが自動で判断して生成してくれます。
コマンド自体が難しかったら、チャットでお願いするだけでも作れちゃったりします(笑)
Kiroがエージェントを作成、設定ファイルも配置してくれます。

作ったエージェントはすぐにスラッシュコマンドとして使えるようになります。
> /sg-analyzer ap-northeast-1のセキュリティグループをチェックして
もちろん、もっと細かくカスタマイズしたい場合は設定ファイル(JSON形式)を直接編集することもできます。でも、まずはチャットでサクッと作って試してみる、というのがおすすめです。
設定ファイルをゼロから手書きする必要がない。
これがKiro-CLIのエージェントクリエイターのいちばんの良さだと思います。Kiro-CLIなら「こんなエージェントが欲しい」と日本語で伝えるだけでOKなのが素晴らしいですね。
おまけ|SSHでリモートサーバーからも使えるの地味に便利
もうひとつ、CLIならではのポイントがあります。
Kiro-CLIはSSH経由でリモートのLinuxサーバーにインストールして使えます。たとえば、EC2インスタンスにSSMやSSHで接続して、そのサーバー上からKiro-CLIを起動すれば、ローカルPCにGUIがなくても作業できます。
踏み台サーバーやCloudShell上でサクッと使えるのは、運用現場ではかなり便利だと思います。
IDEだとリモート環境に画面を持っていく必要がありますが、CLIならターミナルさえあればOKです。
まとめ|Kiro-CLIはAWS運用に最適なAI CLIツール
IDEにはない、Kiro-CLIの便利ポイントを整理しました。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| AWS連携 | aws configureだけで追加設定なしにAWSリソース操作可能 |
| 並列処理 | 複数ターミナルで同時にAWSリソースを調査できる |
| サブエージェント | 1セッション内で複数タスクを同時実行、結果を自動集約 |
| リモート対応 | SSHでサーバーに入ってCLIだけで作業できる |
| Claude Codeとの違い | AWS運用ならKiro-CLI、コーディングならClaude Codeが最適 |
AWS環境の運用・確認がメインなら、Kiro-CLIがいちばんスムーズだと感じました。
まずはFreeプランの50クレジットで試してみて、使えそうだったらProプラン($20/月)に上げるのがおすすめです。
気になった方はぜひ試してみてください。
参考リンク


