はじめに
皆さん、こんにちは!!2022年4月にLITALICOに中途入社した@take_takehiroと申します。昨年のアドベントカレンダーに「LITALICOワークスでの思い出と社会復帰出来て思うこと」というタイトルで投稿いたしました。本記事は、それからの続きを記載しております。
本編の前に軽く自己紹介
LITALICOに入社する前は、長く体調を崩して仕事が出来ない期間を過ごしておりました。2020年末から社会復帰に向けて、就労移行支援を行っているLITALICOワークスを利用して社会復帰を目指しておりました。約1年半の訓練生活を経て、LITALICOに就職いたしました。LITALICOに就職後、職場定着を目的に就労移行支援や就労定着支援を利用しておりましたが、今年の9月末をもって就労定着支援の利用を終了し、現在は障害福祉サービスに頼らないで生活を送っております。
業務としては、QAというポジションで業務に関わっております。QAとは「Quarity Assurance」の頭文字を取ったもので、「品質保証」と訳されることが一般的です。様々なことに対して品質保証という言葉が用いられるかと思いますが、現業務では、利用されるお客様を想定したシナリオを作成し、それを基にテストを行っております。テストを作成するにあたり、ベースとして目的を達成するための道筋を立てるのですが、その時に利用者が考えそうなことからシステムに対するリスクを考え、リスクに対して問題なく操作が出来るかも合わせて検証を行っております。
就労移行支援と就労定着支援の利用の流れについて
前回の記事に記載の通り、就労移行支援とは「一般就労等への移行に向けて、事業所内や企業における作業や実習、適性に合った職場探し、就労後の職場定着のための支援」を行うサービスです。いわゆる就職斡旋を行う場所ではなく、サービスを利用する人たちの"らしさ"を再確認し、"らしさ"を活かせるためにどんな職場があるかを考えていこう、というのが主なのかなと思ってます。私は、就労移行支援として、LITALICOワークスを約1年半利用して、結果的にLITALICOワークスを束ねるLITALICOに就職することが出来ました。さて、タイトルにあります「就労定着支援」ですが、就労移行支援を含め、利用者が受けることが出来る支援内容は下記図となります。
上記の図の通り、就労移行支援とは「利用者が就職したら、支援は終わり」というものではございません。多くの方に共感頂けると思いますが、新しい環境に入るということは誰にとっても強い緊張が働くもので、就労移行を利用した人には更に強い緊張が働くと思います。周りの方のサポートをスムーズに受けることが出来ると良いのですが、職場に馴染めなかったり、ヘルプの発信の仕方が苦手等により、障害者の離職率はある程度高くなってしまうのが現状です。そのため、「利用者が就職してから、利用者が上手く職場に馴染めているか、ヘルプが出せてない等の問題が発生してないかを確認したり、支援者を経由して職場に状況を共有することで、利用者と職場の共通理解を推進する」、ということも就労移行の支援内容として行っております。
利用者が入社して以降、就労移行支援を利用出来る期間は6ヶ月と短いものとなりますが、入社6ヶ月以降は、就労定着支援というサービス名に変わり、最大で3年間(36ヶ月)利用者の職場定着推進を進めていく、ということになります。私のサービスの利用期間は下記の通りでした。
- 入社するまで:就職や社会復帰に向けて、就労移行支援を利用
- 入社6ヶ月まで:職場定着推進のために就労移行支援を利用継続
- 入社7ヶ月目以降(12ヶ月経過時点で利用を終了):就労移行支援から就労定着支援の利用に変更
就労定着支援とは何だろう?
本記事を読んでくださる多くの方が、タイトルにある「就労定着支援って何?」という考えになったかと思います。LITALICOワークスのHPには、下記のような記載がされております。
- 障害のある方の就労や、就労に伴って生じている生活面での課題を解決し、長く働き続けられるようにサポートする福祉サービス
- 就労定着支援スタッフと利用者と定期的に面談を行い、職場での悩みを確認して解消出来るようにサポートする
- 合理的配慮の内容確認(必要に応じてブラッシュアップする)
「就労定着支援スタッフと利用者と定期的に面談を行う」ということが重要で、私の場合、スタッフと面談を1ヶ月に1回行いました(どんなに間隔を空けるとしても1ヶ月が限度のようです)。面談の内容は利用者ごとに異なるかと思いますが、私の場合は「どんな仕事をしているか」「仕事上の悩みはないか」「仕事への満足度」「1ヶ月間のGoodポイントの確認」がメインに面談を行っておりました。特に「1ヶ月間のGoodポイントの確認」を振り返る場面では、業務中に意識することがあまりなかったので、回答することに戸惑いながらも整理して回答してみると「意外とやれてたな」と自信につながることが多かったです。時に「1ヶ月寝坊することなく始業出来た」と業務でないことを回答したこともあったかと思いますが、誰にとっても、ある程度の期間決まったスケジュールで過ごすということは、十分に自信に思って良いことなのかなって思ってます。担当スタッフのやる気の引き出し方が自分にはとても素晴らしいものだったようで、12ヶ月間を無事に過ごすことが出来ました。
就労定着支援を卒業するきっかけ
上記の図にもある通り、就労定着支援は、最大3年間(36ヶ月間)利用することが可能です。その中で、私は12ヶ月間の利用で終了することになりました。主な理由としては下記が挙げられます。
- ①業務遂行に対して困りごとが少なく、安心して働ける環境だから(弊社は立場に関係なく、お互いに敬語を使いあう風土があるため、高圧的な方が少ない印象です)
- ②体調が安定している状態を維持出来ている(以前より自分だけで問題を抱えこみ過ぎることが減ったかもしれません。ヘルプが出しやすい環境なんだと思います)
- ③就労定着支援のスタッフに頼らないで、仕事が出来る状態を維持するステップに進みたいと考えれるようになった
特に③の気持ちを持てるようになったのが、大きなターニングポイントになりました。2ヶ月ほど、就労定着支援を終了するか悩みましたが、「次の自分への挑戦」と捉え、利用して12ヶ月が終了したタイミングで就労定着支援を終了することにしました。就労定着支援が終了してから2ヶ月が経過しましたが、おかげ様で今のところ元気です。今後、障害福祉に関する法改正の対応があるため、大きな不安はありますが、引き続き同僚の皆さまと頑張っていけたらと思ってます。
「出来ない」を「苦手」と置き換える
就労定着支援を利用しているときに、様々な方と接することが出来ました。それを通して、私の経験を障害者の頑張りにつなげられないかを考えるようになり、考えたことの1つに、『「出来ない」を「苦手」と置き換える』ことの大切さがあるのかなと思うようになりました。「出来ない」ではなく「苦手」と置き換えれれば、努力次第ではどうにかなる可能性が出てくると考えたためです。例えば「満員電車に乗ること」に対し、「出来ない」「苦手」と思うかで、未来への選択肢が変わってくると思います。それをまとめたものが下図です。
これは、LITALICOで働き始めた私も同様に活きております。以前、質問することへの強い抵抗感を持っていた時期があったのですが、それは「質問出来ない→問題解決に向かえない→次に進めない→自己嫌悪(自分苦しい)→質問出来ない・・・」と流れに行くことが多かったです。「自分苦しい」と思う原因は、その時々で様々だと思いますが、私の場合は自分自身で苦しませていることが多かったのかなと感じてます。であれば、「自分自身で苦しませない工夫をしよう」と思うようになったのがきっかけの1つでした。「質問することへの強い抵抗感」を感じていた時は「質問出来ない」と思い込むことが多かったので「質問することが苦手です」と置き換えてみました。結果的に、質問の仕方が良かったかどうかは別ですが、「苦手だけど質問する→周りが問題に気付いてくれる(アドバイスをくれる)→問題解決出来る(または新しい問題に置き換えることが出来る)→体調良い状態維持→苦手だけど以前より質問は出来るかも・・・」という流れを組むことが出来ました。
私自身、業務を行っていく中で、様々な「出来ない」を「苦手」に置き換える意識をしております。置き換えた「苦手」も回数を重ねることで、経験があることであれば、少しずつ自信が持てるようになってきました。そう思うと、「出来ない」「苦手」は未知の領域が大きすぎることによって発生しやすい感情なのかなと思うし、『「出来ない」「苦手」がある=成長する機会がある』をポジティブに捉えても良いのかなとも思ってます。
「出来ない」と認識することも大切、無理のない範囲でチャレンジしてみよう
これまで、『「出来ない」を「苦手」と置き換える』ことを大切さを述べてきました。ただし、何でも「出来ない」を「苦手」と置き換える必要はないと思います。様々な事情により「出来ない」ことは出てくるし、「出来ない」ことも個性の1つと認識して良いと思います。ただし、『「出来ない」が実は思い込みだった』ということもあるかもしれません。見方を変えるだけで、「出来ない」が「出来る」へつなげることが出来るかもしれません。これは就労移行支援や就労定着支援を利用して得た考え方です。人によって行動の起こし方は違うと思うので、ぜひ皆さまが「出来ない」や「苦手」と思うことに対するアプローチを教えてください!!
さいごに
以前の記事に『「また壊れたらどうしようという不安」は全く変わらずに残っています』と記載しましたが、ここ数ヶ月はこのようなことを思うことがなくなったように感じてます。意図して何かを変えたということは特にありません。心の片隅に「壊れることへの不安」があるかもしれませんが、意識しない生活を過ごせていることで、自分で自分を苦しめさせる機会が減っているようです。これからも苦しい機会を経験することになるかと思いますが、些細なことでも良かったことを評価して、これからも頑張っていきたいです。
就労定着支援を離れ2ヶ月が経過しますが、今のモチベーションで頑張れているのは、就労移行支援・就労定着支援でサポートしてくださった皆さまのおかげです!!丁寧に支援してくださり、本当にありがとうございました。器用に頑張れるタイプではありませんが、ありのままの自分で、これからも頑張っていきます!