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オープンソースPDKで遊ぼう【第4回】

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Last updated at Posted at 2026-03-04

KLayoutでGDSを開いてみる — ルールチェック(DRC)もやってみる

この「オープンソースPDKで遊ぼう」シリーズでは、
オープンソースPDKを使ったIC設計環境を、実際に手を動かしながら順番に体験していきます。

できるだけ難しい説明は後回しにして、

まず動かしてみる

ことを重視しています。


今回やること

今回は次のことを試してみます。

  • KLayoutで GDSを開く
  • レイアウトのサイズを ルーラで測る
  • DRC(Design Rule Check) を実行してみる

サンプルGDSの場所

今回使うのは、TR10に付属している inverter のGDSです。

cd ~/OpenRule1umPDK_setupEDA/samples/inverter/TR10
ls

このディレクトリに

inverter.gds

があります。


KLayoutを起動する

ターミナルから起動します。

klayout &

klayout.png


inverter.gds を開く

メニューから

File → Open

を選び、

~/OpenRule1umPDK_setupEDA/samples/inverter/TR10/inverter.gds

を開きます。

openlayout.png

レイアウトが開きました

image.png


表示操作(Zoom Fit)

GDSを開いたら、まず全体を表示します。

ISHI会のセットアップでは、KLayoutのキー割り当てが変更されており、

F

キーで Zoom Fit(全体表示) ができます。
(EDAツールでは、全体表示にFキーを使うことが多いです。)

GDSを開いたら
F を押すと、レイアウト全体が画面に収まるように表示されます。

一方、KLayoutのデフォルト設定では
ファンクションキーの F2
が Zoom Fit になっています。

もし F が効かない場合は F2 を試してみてください。


KLayoutをエディットモードで起動する

KLayoutはデフォルト設定では、レイアウトを閲覧するだけのモード(Viewer Mode) で起動します。

この状態ではレイアウトの編集ができません。

今後レイアウトを描いたり編集したりすることを考えると、
最初からエディットモードで起動するように設定しておく方が便利です。

メニューから

Setup → Editing Mode

を選択します。

setup.png

設定画面で

Use editing mode by default

にチェックを入れます。

edittingmode.png

これで次回以降、KLayoutはエディットモードで起動するようになります。

edit.png


ルーラでパターンサイズを測ってみる

GDSを開いたら、まずは ルーラ(Ruler)ツールを使って
各パターンのサイズを測ってみます。

KLayoutでは、ルーラを使うことで
配線幅や間隔などの寸法を確認することができます。

ツールバーから Rulerツール を選択します。

ruler.png

測りたい図形の端から端をクリックすると、
距離が表示されます。

ruler1.png


ルーラのスナッピンググリッドを調整する

グリッドが細かすぎると、ルーラの位置が合わせにくいことがあります。

その場合は ルーラのスナッピンググリッドを少し粗く設定すると
操作がしやすくなります。

メニューから

Setup -> Grid

grid.png

を開き、スナッピンググリッドの値を調整します。
(今回は0.1)

もう一箇所

Snapping -> Snap to grid にチェック

snapgrid.png

こうすると、グリッドにスナップしたポイント間だけを
正確に測定できるようになります。


ルーラで測ってみると…

実際にルーラでパターンのサイズを測ってみると、
ゲート長や配線幅がおよそ 1µm前後であることが分かります。

poly.png

TR10は名前の通り 1µm世代のプロセスなので、
こうした寸法を確認してみると

このGDSはどのくらいのスケールのプロセスなのか

という感覚が少しつかめてきます。


簡単なレイアウトを描いてDRCを試してみる

ここまでで

  • GDSを開く
  • パターンサイズを測る

という操作を試しました。

次は DRCがちゃんとかかることを確認するために、簡単なレイアウトを描いてみます。

今回は本格的なレイアウト作成ではなく、
あえてエラーが出るパターンを作ってみます。


レイヤーウインドウ

初期状態では、KLayoutの画面右側に Layersウインドウ が表示されています。

そこには、さまざまな 色やパターンとともにレイヤー名 が表示されています。

layers.png

ここに表示されているものが、レイアウトで使用する 各プロセスレイヤーです。

例えば次のようなものがあります。

  • NWL (NW)
    N-Well

  • POL (SG)
    Poly(ゲート)

  • CNT (CONT)
    コンタクト

  • ML1 (M1)
    Metal1

  • VIA1 (TC)
    VIA

  • ML2 (M2)
    Metal2

このように、各レイヤーごとに色とパターンが割り当てられており
レイアウトを見たときにどの層なのか分かるようになっています。


使用していないレイヤーを非表示にする

レイアウトを描く前に、Layersウインドウの見方を少し確認しておきます。

初期状態では、Layersウインドウには 多くのレイヤーが表示されています。

しかし実際には、現在開いているレイアウトで 使われていないレイヤーも多く含まれています。

そのため、レイヤー数が多くて見づらい場合があります。

そこで、使用していないレイヤーを非表示にしてみます。

Layersウインドウで 右クリックするとメニューが表示されます。

その中から

Hide Empty Layers

にチェックを入れます。

hide.png

すると、現在のレイアウトで 使われているレイヤーだけが表示されるようになります。

uselayers.png

レイヤー数が減るため、Layersウインドウが見やすくなります。

レイアウトを確認したり、パターンを描いたりするときには
この設定にしておくと作業しやすくなります。

Layersウインドウでレイヤー名をクリックすると、
そのレイヤーを 選択状態 にすることができます。

描画ツールを使うときは、まず 描きたいレイヤーを選択しておきます。

今回は POL (SG) レイヤーを選択してパターンを描いてみます。

ICレイアウトは、このような複数のレイヤーを重ね合わせて構成されています。

次は実際にレイヤーを選択して、簡単なパターンを描いてみます。


Boxツールで矩形パターンを描く

KLayoutでは、簡単にレイアウトを描く方法として
Boxツールがあります。

boxtool.png

ツールバーから Box(矩形)ツールを選択し、
レイアウト画面上でドラッグすると矩形パターンを描くことができます。

今回は POL (SG) レイヤーを選択して矩形を描きます。


あえてDRCエラーが出るパターンを描く

TR10のルールでは、Polyの幅には最小ルールがあります。

そこで今回は、
あえてルール違反になるサイズのパターンを描いてみます。

例えば

1µm未満のPoly

のようなパターンを描いてみます。

image.png


DRCを実行する

パターンを描いたら、DRCを実行します。

Tools → DRC → DRC for IP62

drctool.png

すると、先ほど描いたPolyに対して
DRCエラーが表示されるはずです。

drcerr1.png


DRCエラーを確認する

DRC結果ウィンドウには

  • エラーの種類
  • エラー位置

が表示されます。

エラー項目をクリックすると、
該当箇所へジャンプしてハイライト表示されます。

drcerr2.png

これにより

どのルールに違反しているのか

を確認することができます。

今回はDRCが正しく動いていることを確認するのが目的なので、
エラー内容の詳しい説明は今後の記事で扱います。


DRCは設計ルールの先生

実際のレイアウト設計では

  • 配線幅
  • 配線間隔
  • レイヤーの重なり

など多くのルールがあります。

DRCはそれらを自動でチェックしてくれるため、

レイアウト設計の先生のような存在

です。


まとめ

今回は、KLayoutを使って

  • GDSを開く
  • ルーラでパターンサイズを測る
  • 簡単なレイアウトを描く
  • DRCを実行してエラーを確認する

という基本的な操作を試してみました。

IC設計ツールは最初はとっつきにくく感じるかもしれませんが、
こうして少しずつ触っていくと 意外とシンプルな仕組みで動いていることが分かります。

まずは

GDSを開く
↓
測ってみる
↓
少し描いてみる
↓
DRCをかけてみる

というところから、少しずつ慣れていくのがおすすめです。

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