はじめに
Caseとは、IBM Cloudにおける24時間365日対応可能なテクニカルサポートのことです。
利用者からの質問や要望に対する回答や、メニューから選択できない注文、IBM Cloud によるメンテナンスの通知などは全てCaseを通してやり取りされます。チケットの内容はIBM Cloud コンソールで確認できます。また、起票者に加えて任意のメンバーに、メールで更新通知をするように設定できます。
以下では、Caseの起票方法と、起票の際の注意点について記載します。
注意点では、より効率良く問題解決をするためのコツを記載していますので、ご確認いただければ幸いです。
Caseの起票方法
「サポート・センター」が開くので、下にスクロールし、「Caseの作成」をクリックします。
作成するCaseのカテゴリー選択画面に遷移するので、最も関連するカテゴリーを選択します。
次に、以下を記載します。
- サブジェクト:実際に発生した問題の要約を記載します。Case名として登録されますので、簡潔に記載するとわかりやすいです。
- 説明:問題の詳細について、自動で表示される例(画像記載)を参考に記載します。言語は英語です。
- 重大度:重要度の指定が可能なサポートプラン(有償)をご契約いただいている場合、選択できます。無償プランの場合、変更できません。
- 添付ファイル:必要に応じて、ログやスクリーンショットなどを添付します。
- デバイス登録:関連するデバイスがある場合、「リソースの追加(Add resource)」より、追加します。作成したリソースリストより検索可能です。
「次へ」をクリックし、確認画面で「Caseを送信」をクリックして起票完了となります。
注意点
Case を起票する際は、以下の大きく7つに注意を払っていただくと、解決までスムーズに進むことができます。
- Caseを英語で起票いただく際、頭の中に、英語の考え方をセットする
- 1つのCaseには1つの話題とし、複数のトピックスを含めるのは避ける
- 行った変更作業を記載する
- 詳細な情報を記述する
- 不具合に関するお問い合わせの場合は、再現ステップの記述をしていただく
- その他のサポートを活用する
- サポートの優先度
以下では、具体例とともに説明しておりますのでご参照ください。
1. Caseを英語で起票いただく際、頭の中に、英語の考え方をセットする
Caseは言語だけで実施されるコミュニケーションですので、言葉に重きを置く英語のスタイルにマインドセットを変更いただくことで、誤解を減らすことができます。
依頼・質問事項はCaseの最初に記載する
日本語は、文の最後にこないと質問の意図がわからないことがありますが、英語では文の最初に質問の意図がわかるようになっていることが多いです。
依頼・質問事項は、可能な限り、端的に記載する
日本語のビジネス文書は、丁寧なご挨拶に始まり、英語のビジネス文書と比較すると長いようです。
端的に、かつ誤解が無いようにしていただくと、円滑な解決ができます。
依頼・質問事項はストレートに、具体的に
日本語(日本人)は行間を読む文化がありますが、英語では記載のないことを推測する事はないようです。
Pleaseを記載すれば失礼ではありませんので、ご安心ください。
2. 1つのCaseには1つの話題とし、複数のトピックスを含めるのは避ける
24時間365日サポート提供させていただくために、複数のサポートメンバーでCASEの対応をしておりますので、誰が見てもシンプルな書き方が問題解決を早めます。
また、一時点では1人のエンジニアが対応しますので、関連性のない質問は、複数のCASEに分けて起票いただくと、それぞれ回答を得られるため、まとめてしまうより早く回答を得られる可能性があります。
更新回数が多くなりタイトルと本文が異なるような状況になっているCASEは、内容把握に時間がかかり、質問に正しく回答できない事があろうかと思います。
このような場合、該当のCASEをクローズし、別途、ご依頼されたい事をシンプルに記載した新しいCASEを起票する事をお勧めいたします。
3. 行った変更作業を記載する
問題の多くは変更作業によって生じています。問題を発見された時、問題発生開始直前になんらかの変更作業(構成・パラメータの変更・アプリケーション側の改修など)がなかったかを確認し、CASEにも記載ください。
IBM Cloud側の変更にて、ご迷惑をおかけしている場合がありますが、お客様側の状況をお伺いできますと、調査/切り分けがスムーズです。
4. 詳細な情報を記述する
CASEに問題を記述する場合は、以下を含めてください。
- 発生時刻(タイムゾーンを付加)
- 対象デバイス
- 事象の内容
- お客様側で実施された切り分けなど、事象を問題と判断した理由
- 現在進行中かどうかの区別
- 変更作業の内容 (3節)
また、事象を説明する付加資料(環境説明、ログやスクリーンショットなど)の添付は、大変有用です。
全てのサポートエンジニアは、現在進行中の問題をいち早く解決して差し上げたいと考えております。しかし、情報が不足している場合には、サポートエンジニアからの追加の質問が発生し、CASEのやりとり(往復)が増え、必然的に解決までの時間がかかることがあります。
発生時刻の記載例
時間を記載するときにタイムゾーンを明記いただくと、認識間違いのリスクを低減できます。
× 発生時刻は3月27日の14:22です。
○ 発生時刻は3月27日の14:22(JST)です。現在も問題が継続しています。
○ 発生時刻は3月27日の14:22(JST)です。現在は問題が収束しています。
対象デバイスを明確化した例
× Linuxサーバーでyumの実行ができません
○ 仮想サーバーxxxxxでyumの実行ができません
× VPNがつながりません
○ 作業端末からブラウザー( Internet Explorer )を利用し、vpn.tok02.softlayer.comへVPNユーザー(xxxx)を使用して接続していますが、つながりません
VPNに関する問題の場合、以下を明記いただくと解決が早まります。
- アクセス方法(ブラウザー/スタンドアロンVPNクライアント)
- アクセス先
- ユーザー名
5. 不具合に関するお問い合わせの場合は、再現ステップの記述をしていただく
お問い合わせの際には、「IBM Cloud Docsの〜〜を参照しているがうまくいかない」といった情報も有用です。
サポートエンジニアは、お客様の不具合を解決するために、可能な限り、お客様の環境を想定し、御回答したいと考えておりますが、お客様毎に、いろいろなご利用の仕方がありますので、詳細を教えていただけると大変助かります。
その際、お客様システム独自の用語等は使わずに、あるいは使用する場合は、環境説明などを添えていただけますと、適切な回答を差し上げることができます。
再現ステップの記載例
× いろいろやっていますが、うまくいきません。
○ 下記のURLの手順は試しましたが、最後のステップで *** というエラーがでます。
https://cloud.ibm.com/docs/services/***/***
6. その他のサポートを活用する
その他のサポートとして、電話によるテクニカルサポートとチャットがございます。
-
電話によるテクニカルサポート(0120-286-320)
平日9時〜17時…日本語対応可能です
それ以外の時間…英語対応になります -
チャット
平日9時 〜 17時…日本語対応可能です。 (英語対応が開始した場合、” Could you forward this chat to a Japanese speaking agent?” とお伝えください。)
それ以外の時間 …英語対応になります。
チャットを使用される際は、ポータル右上の「サポート」をクリックします。
表示されたサポート画面から「IBMとチャットする」をクリックしていただくと、ページ右にチャット画面が表示されます。
7. サポート対象の優先度
サポートエンジニアは、重大度に応じて、Case の取り扱いの優先度を決めさせていただいております。
下記のリンク先でご紹介している通り、有償とはなりますが、お客様のシステム環境にふさわしいサポートプランをご利用いただくことをお勧めいたします。
CASEへの回答を急ぐ必要がある場合には、CASE起票後にチャットでCASE番号を明示し、理由とともに早期の回答が必要である旨ご連絡いただくことをお勧めいたします。