本の情報
タイトル
使う!ロジカル・シンキング 「結局、何が言いたいの?」と言わせない
著者
久保田康司
内容
ロジカルシンキングを学んだが使えていない人 / 苦手意識がある人に向けた本。
伝えたい内容や解決したい状況ごとに細かく章立てが行われていて、気になった箇所から読み進めることができるようになっている。
内容
印象に残った点
- 学んだ内容を活かせない理由への言及
- 実例を交えたフレームワークの紹介
詳細
- 学んだ内容を活かせない理由への言及
研修などでロジカルシンキングを学んでも活かせないのには、共通した理由がある。
- 専門用語を覚えただけで終わっている
「MECE」などの言葉を覚えても、実際に考え方に適用できていないケース。 - 周囲の人間がロジカルシンキングを学んでいない
屁理屈とみなされて、話し合いに利用できないケース。
そういった相手にも伝わるように話を組み立てる必要がある。 - 活かし方が分からない
研修では付箋を使って考えを書き出したが、実務ではそれができない といったケース。
自分で情報を書き出す といった工夫が必要になる。 - 紹介されたケースを自分に当てはめられない
実例が、自分とつながりが無い内容で、実務に適用できない というケース。
言い訳をせずに、自分にどう適用できるか を考える。 - 活かせない理由を人のせいにしている
誰に対しても同じように話そうとするケース。
相手によって、データまで含めて説明するか、シンプルにメッセージを伝えるか というように内容を変えないといけない。
- 実例を交えたフレームワークの紹介
フレームワークを使って型に当てはめて考えることで、整理の切り口を考えたり、その切り口が正しいかを検討したりする労力を省くことができる。
- 三角ロジック - 「主張」「根拠」「データ」を合わせ、それぞれのつながりを意識して説明を行う手法。
→PCを買い替えたいという主張を伝える例が紹介されている。 - 5W3H - When,Where,Who,What,Why,How,How many,How much の観点を明らかにし、抜けている視点や要素がないかを検討する。
→イベントの企画や作業指示の確認の例が紹介されている。
所感
-
学んだ内容を活かせない理由への言及
学んだ内容を活かせない状態であることは感じている部分であったので、その箇所に対する言及があった点は面白かった。
特に、「紹介されたケースを自分に当てはめられない」点は自分の状況ともよく合致しているように感じた。
ただし、あくまでも多数ある章のうちの一つであり、活かせない状態をどう改善するかについての説明はあまり多くない印象だった。
学んだケースをベースに、自分だったら / 自社だったらどういった場面で使えそうかを考えて、実務につなげていくようにする。 -
実例を交えたフレームワークの紹介
フレームワークをどう使うかという点が、理論とシチュエーションの双方から説明されていて、理解しやすかった。
特に、三角ロジックについては、三角ロジック以外の章でも説明の補足として利用されていたほか、使う場面が限定されない基本的な考え方であることもあり、思考を整理するきっかけとして利用できるものという印象を受けた。
我流で解決しようとすることがほとんどだったので、まずは三角ロジックを取り入れて使ってみるようにしたい。
まとめ
実例や苦手意識のある人に向けた解説があり、ロジカルシンキングの導入として向いている本でした。
この本の内容から自分の思考を掘り下げる訓練をしていきたいと思います。