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Amazon Bedrockで認知症ケア向けAIアプリを作ってみた

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はじめに

AWS 10,000 AIdeas CompetitionというAWSコミュニティの中でのアイディアコンテストが開催されています。
私の普段の仕事はビジネスプランナーですが、一度AIでの開発をやってみたかったので、応募するべく、AIアプリを作ってみました。

作ったものは、認知症の方のためのAIライフストーリー生成サービス「MemoryBridge」です。
Amazon BedrockとKiro(AWSのAI搭載IDE)を使って開発しました。

この記事では、なぜこのサービスを作ったのか、どんな技術構成で動いているのか、非エンジニアとしてどうやって開発を進めたのかを共有します。

mb-overview-ja.png

MemoryBridgeとは

認知症の方は、事実を忘れるだけでなく「自分が誰であるか」という物語を失っていきます。亡くなった夫の顔、教室の子どもたちの声、京都の桜の香り。これらの記憶は薄れるのではなく、つながりを失った断片になります。

MemoryBridgeは、家族や介護者が人生の情報(出身地、仕事、趣味、家族の出来事)を入力すると、AIがパーソナライズされたライフストーリーとノスタルジックな風景画像を生成するサービスです。

生成されたストーリーは「プレゼンモード」で体験できます。フルスクリーンの風景画像を背景に、ドキュメンタリー映画のように1文ずつ物語が表示されます。

memorybridge-presentation-3.png

※ 画像は実際にMemoryBridgeが生成したデモ画面です

なぜ作ったのか

世界で5,500万人以上が認知症とともに生きています。2050年には1億5,000万人を超えると予測されています。

回想法(写真や音楽、物語を使って記憶を刺激する手法)は、認知症ケアにおいて最も効果的な非薬物療法の一つです。不安の軽減、気分の改善、徘徊などの行動症状の減少が報告されています。

しかし、現場では個々の入居者に合わせた素材を準備する時間がありません。介護施設のスタッフはすでに多忙で、1人ひとりに合わせた回想法の素材を手作業で作るのは現実的ではありません。

MemoryBridgeはこのギャップを埋めます。家族が知っている情報とAIの生成力を組み合わせて、約30秒でパーソナライズされた回想法の素材を生成します。

アーキテクチャ

フルサーバーレスのAWS構成です。
MemoryBridge-AWS-Architecture.png

処理の流れ

  1. ユーザーがフロントエンド(React/Vite、Amplifyでホスティング)からライフヒストリーを入力
  2. API Gateway経由でLambda関数が起動
  3. Lambda内でAmazon Bedrockを2段階で呼び出し:
    • Nova Pro: 構造化された個人情報から、歴史的背景や地域文化を織り込んだ複数チャプターのライフストーリーを生成
    • Nova Canvas: 各チャプターの時代、場所、雰囲気に合わせたノスタルジックな風景画像を生成
  4. 生成された画像をS3に保存し、ストーリーとともにフロントエンドに返却

ストーリー生成+5枚のオリジナル画像で、所要時間は約30秒です。

使用AWSサービス

サービス 用途
AWS Amplify フロントエンドホスティング
Amazon API Gateway REST API、API Key認証、レート制限
AWS Lambda バックエンド処理(Python 3.12)
Amazon Bedrock (Nova Pro) ライフストーリーのテキスト生成
Amazon Bedrock (Nova Canvas) ノスタルジックな風景画像の生成
Amazon S3 生成画像の保存

プロンプトエンジニアリングが品質を決める

開発を通じて最も実感したのは、AI生成コンテンツの品質はプロンプトで決まるということです。

Nova Proに対しては、歴史的な時代背景や地域文化の構造化されたコンテキストを与えることで、物語の深みが大きく向上しました。たとえば、デモペルソナの田中淑子さん(1938年長崎生まれ)のストーリーでは、戦後復興期、1960年代の京都の文化的背景、教師としての38年間のリズムが自然に織り込まれます。

Nova Canvasに対しては、シーンの説明に加えて画風(水彩画、暖色系、ノスタルジックな雰囲気)を指定することで、一貫して情感のある画像が生成されました。

どうやって開発したか

Kiro(AWSのAI搭載IDE)がなければ、このプロジェクトは実現できませんでした。

Reactフロントエンドの構築からLambda関数の実装まで、Kiroが開発プロセスをガイドしてくれました。私が集中したのは、問題の理解とユーザー体験の設計です。

KiroのAI支援開発とAWSのサーバーレスインフラの組み合わせにより、コンセプトから動くプロトタイプまで数日で到達できました。

「アイデアを持つこと」と「動くプロダクトを作ること」の間の壁は、根本的に変わったと感じています。制約となるのはもはや技術スキルではなく、解決すべき問題をどれだけ深く理解しているか、どれだけ解決したいと願っているかどうかです。

ライブデモ

実際に動くデモを公開しています。「Load Demo」ボタンを押すと、田中淑子さんのストーリーを約1分で体験できます。

👉 MemoryBridge ライブデモ

おわりに — 応援のお願い

MemoryBridgeは、AWS 10,000 AIdeas Competition(Social Impactカテゴリ)にエントリーしています。コミュニティ投票(記事への「いいね」)でセミファイナリストが決まります。
投票期限は2026年3月21日(土)です。
もしこの記事に共感いただけたら、AWS Builder Centerの記事に「いいね」をいただけるととても嬉しいです。

👉 AWS Builder Center — AIdeas: MemoryBridge

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