はじめに
2026年3月時点で、reMarkable Paper Proは日本語をサポートしていません。
これまで、手書き中心だったので特に困ってはないのですが、デスクトップアプリからメモをコピペして閲覧できれば便利だなと思ってはいました。
実際にテキストを表示すると日本語部分が文字化けというか、白抜けというか、□□□□□□といった表示になってうまく表示されません。
日本語フォントを入れれば解決するという記事を見つけたので、最終的にどう解決したのかをまとめたいと思います。
環境
- reMarkable Paper Pro(ファームウェア 3.25)
- SSH接続(USB経由、10.11.99.1)
- フォント:TakaoPGothic.ttf
課題
ネットで紹介されている定番の手順どおりにフォントファイルをインストールするのですが、その時点では日本語は表示されるものの、再起動するとフォントが認識されなくなってしまいます。ネット上で紹介されている一般的な手順は、/usr/share/fonts/よりも、/home/root/.local/share/を使うほうがよいというアドバイスでした。なぜなら、OSアップデートで削除されない領域だから、だそうです。それ自体は正しい情報のようでしたが、フォントファイルが残っていても認識がされないという問題が解決できませんでした。
最終的に落ち着いた解決手段は次の方法です。
最終的な解決策
フォントファイルをルート上に置くことです。
解決手順
rMPPをデベロッパーモードにする。
SSHで接続して、ディレクトリを作る。
ssh root@10.11.99.1
mkdir -p /home/root/.local/share/fonts/ttf/takao
exit
# 自分のローカルからフォントを配置
scp TakaoPGothic.ttf root@10.11.99.1:/home/root/.local/share/fonts/ttf/takao/
SSHで接続する。
ssh root@10.11.99.1
ルートFSを書き込み可能にする。
mount -o remount,rw /
フォントをルートFS上にコピーする。
mkdir -p /usr/share/fonts/ttf/takao
cp /home/root/.local/share/fonts/ttf/takao/TakaoPGothic.ttf /usr/share/fonts/ttf/takao/
起動時にフォントキャッシュを再構築するスクリプトを作成する。
mkdir -p /usr/local/bin
cat > /usr/local/bin/rebuild-fontcache.sh << 'EOF'
#!/bin/sh
umount -l /var/cache 2>/dev/null
mount -o remount,rw /
/usr/bin/fc-cache -f
mount -o remount,ro / 2>/dev/null
EOF
chmod +x /usr/local/bin/rebuild-fontcache.sh
xochitlが起動するより前に、自分の書いたスクリプトを割り込ませる設定ファイルを追加する。
cat > /usr/lib/systemd/system/xochitl.service.d/fontcache.conf << 'EOF'
[Service]
ExecStartPre=/usr/local/bin/rebuild-fontcache.sh
EOF
キャッシュを構築してから読み取り専用に戻し、再起動する。
fc-cache -fv
mount -o remount,ro /
reboot
注意事項
デベロッパーモードに一度変更して日本語表示を継続するためには、通常モードではなくデベロッパーモードのまま運用することになります。
外部からのアクセスを最小限にするため、SSH over WLAN を OFFにすることをおすすめします。
rm-ssh-over-wlan off
OSアップデート後に日本語が表示されなくなった場合の復旧手順
reMarkableのOSアップデートがあると、/usr/share/fonts/ttf/takao/ のフォントファイルが消えてしまうため、フォントファイル自体は /home/root/.local/share/fonts/ に残っていれば、/home からコピーする作業を行う必要があります。
SSH接続して以下で状態を確認する。
# SSH接続
ssh root@10.11.99.1
ls /usr/share/fonts/ttf/takao/TakaoPGothic.ttf
ls /usr/local/bin/rebuild-fontcache.sh
ls /usr/lib/systemd/system/xochitl.service.d/fontcache.conf
フォントを適切なフォルダに復旧する。
# ルートFSを書き込み可能にする
umount -l /var/cache
mount -o remount,rw /
# フォントをコピー(/homeからルートFSへ)
mkdir -p /usr/share/fonts/ttf/takao
cp /home/root/.local/share/fonts/ttf/takao/TakaoPGothic.ttf /usr/share/fonts/ttf/takao/
# スクリプトを再作成
mkdir -p /usr/local/bin
cat > /usr/local/bin/rebuild-fontcache.sh << 'EOF'
#!/bin/sh
umount -l /var/cache 2>/dev/null
mount -o remount,rw /
/usr/bin/fc-cache -f
mount -o remount,ro / 2>/dev/null
EOF
chmod +x /usr/local/bin/rebuild-fontcache.sh
# dropinを再作成
cat > /usr/lib/systemd/system/xochitl.service.d/fontcache.conf << 'EOF'
[Service]
ExecStartPre=/usr/local/bin/rebuild-fontcache.sh
EOF
# キャッシュ構築して再起動
fc-cache -fv
mount -o remount,ro /
reboot
AI解説:rMPPのファイルシステム構造を理解する
AIと会話して色々調べてみると、reMarkable Paper Pro(rMPP)特有のファイルシステム構造が厄介であるということでした。
rMPPのファイルシステムには、普通のLinuxとは異なる3つの特徴があります。
1つ目は、ルートファイルシステム(/)が読み取り専用でマウントされていることです。書き込むには mount -o remount,rw / が必要になります。
2つ目は、/var/cache/ と /etc/ にオーバーレイファイルシステムが被さっていることです。RAMディスク上のupperdirが実ディスク上のlowerdirを覆い隠す構造で、再起動するとupperdirの内容はすべて消えます。つまり、/var/cache/fontconfig/ にキャッシュを書き込んでも、オーバーレイ経由だとRAM上にしか存在せず、再起動で消えます。
3つ目は、/home が暗号化ディスク(/dev/mapper/home-encrypted-disk)上にあり、起動シーケンスの比較的遅いタイミングでマウントされることです。xochitlの起動時にはまだ /home が見えていない場合があります。
これらが組み合わさることで、「フォントを入れた → fc-cacheを実行した → 動いた → 再起動したら元に戻った」という現象が起きます。
さいごに
reMarkableのメーカーが、この記事を読むとは思えないけれど、日本語入力、漢字かな変換は難しくても、日本語の表示くらいは最低限対応して欲しいと思う。
Android版アプリのテキスト表示も中国語の漢字が優先されてしまう問題があり、不満です。
とはいえ、すばらしいデバイスには違いなく、日々の手書きによるノートが楽しいので、いつかこの願いが届くと良いなと思っています。