はじめに
SAP Analytics Cloud(以下SAC)のデータソース先としてSAP Datasphere(以下DSP)を導入されるケースは多いと思います。その場合、移送作業ってどうやってすれば良いのか気になるところではないでしょうか。
例えば本番環境と開発環境が分かれている場合、SACとDSPはそれぞれの本番環境、開発環境に接続しているかと思います。
上記の環境の場合、開発環境⇒本番環境に移送する場合、接続情報も含め移送可能でしょうか?
結論から言いますと可能でした。但し何点か注意する箇所があるので、今回はDSPを接続先としているSACストーリーの移送方法をご紹介したいと思います。
前提事項
<前提事項1>
公開フォルダ上にストーリを作成します。
※移送手順に記載しているコンテンツネットワークでのエクスポート時に公開フォルダ配下にないと選択できない為です。
<前提事項2>
DSP接続情報の名前を開発環境と本番環境で一致させる必要があります。
<前提事項3>
DSP側のビュー(分析データセット)の名称を開発環境と本番環境で一致させる必要があります。
移送手順
<エクスポート手順>
※移送対象の選択にて依存関係のあるものは自動でチェックされます。(基本は外さない)
※オブジェクトタイプに「接続」にチェックがある場合は外してください。接続情報が上書きされます。
※説明欄についてインポート側の画面で一覧表示されるので、説明欄は詳しく書くことをお勧めします。
<インポート手順>
※エクスポート時点でデータを移送対象にしていない場合、[オブジェクトとデータを上書きする]を選択してもデータは上書きされません。またデータ元がDSPの場合、移送対象とするモデルが無いので更新の際は[オブジェクトとデータを上書きする]を選択で問題ありません。データ元がモデルの場合は必要に応じて設定が必要です。
以上で移送完了です。
おわりに
接続情報を開発環境と本番環境で別々の名称にして区別したくなりがちですが、今回紹介した通り名称が異なると移送できません。後から気づいて名称だけ変更しようとしても接続先は一度、登録すると名前を変更する事が出来ないので、新たに接続先を作成する必要になります。そうなるとストーリーの参照先を変える必要があり一からストーリーの設定をし直すという悲しい結果となるので、そうならない為に事前に決めておきましょう。