PostGISのST_Bufferで円を描画する

PostGISで円を描画する

ST_Buffer関数を用いると、点、線、面の形状を指定した長さの面を取得する事が出来ます。点オブジェクトを入力すると、円形のポリゴンを得ることが出来ます。

GEOMETRY型の世界測地系（WGS８４:SRID4326）で円を作成

大体100mの円形状

SELECT 
 ST_Buffer( 
  --第１引数： 点オブジェクト （ 東経139.76719度 北緯 35.6811 の世界測地系の点　）
  ST_SetSRID( ST_POINT( 139.76719 , 35.6811 ) , 4326 )
  --第２引数： 半径 
  , 0.00001 --度単位
 )

大体100mの円描画

© OpenStreetMap contributors

ちょっと縦長の楕円のように見えます。
ST_Buffer処理で半径を度単位で処理をした為に歪んでいると思われます。

GEOGRAPHY型で円を作成

球座標系であるGEOGRAPHY型ではメートル単位で空間情報処理が可能です。
平面座標系のGEOMETRY型の世界測地系から球座標系のGEOGRAPHY型は直接キャストが可能です。(::geography)

100mの円形状

SELECT 
 ST_Buffer( 
  --第１引数： 点オブジェクト （ 東経139.76719度 北緯 35.6811 の世界測地系の点　）
  ST_SetSRID( ST_POINT( 139.76719 , 35.6811 ) , 4326 )::geography
  --第２引数： 半径 
  , 100 --メートル単位
 )

GEOGRAPHY型（球座標）による円描画（水色）

© OpenStreetMap contributors
水色の線は、かなり真円に近い形に見えます。

おまけ：ST_Bufferの円は３２角形？

半径を段階的に大きくし、ST_Bufferのポイント数の変化を観察してみました。

半径別円ポリゴンのポイント数カウント

--5段階の半径を予め準備
with t_level(id, label, r )as (
    values (1, '1m', 1),
           (2, '10m', 10),
           (3, '100m', 100),
           (4, '1km', 1000),
           (5, '10km', 10000)
)
--各半径毎にポイント数をカウント
SELECT 
 id , label  , r , MAX(path) AS point_num
FROM
(
SELECT
id, label, r  ,
 ((ST_dumppoints( ST_ExteriorRing( ST_Buffer( ST_POINT(139.76719 , 35.6811 )::geography , r )::geometry  ) ) ).path)[1]
FROM t_level
) AS t1
GROUP BY 1,2,3
ORDER BY 1

結果

id	半径	半径（ｍ）	ポイント数
1	1m	1	33
2	10m	10	33
3	100m	100	33
4	1km	1000	33
5	10km	10000	33

どの半径でもポイント数は３３個であるという結果が得られました。
円形状のポリゴンデータから点を抽出したので、実は始点と終点が同じ座標です。
よって、点の数は３３個であり、角の数は３２個であるという事になります。