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Ubuntu + US配列キーボードで左右Cmdを「英数」「かな」にする

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Last updated at Posted at 2026-06-01

概要

Ubuntu で US配列(英字配列)キーボード を使って日本語を入力していると、日本語/英語の入力切り替えが少し面倒です。

特に Mac で US 配列キーボードを使っていた場合、

左Cmd → 英数入力
右Cmd → 日本語入力

のように、左右の Command(Cmd)キーで直接入力モードを切り替えられると非常に快適です。

この記事では JIS配列キーボードではなく、US配列キーボード を Ubuntu 26.04 LTS で使用している環境を対象に、

左Cmd → 英数入力
右Cmd → 日本語入力

を実現する方法をまとめます。

使用するのは、

  • IBus
  • Mozc
  • keyd

です。

今回使用している US 配列キーボードでは、左右の Cmd キーが Ubuntu 上で Alt_L / Alt_R として認識されていました。

Mozc だけでは Alt キー単独押しを「英数」「かな」の切り替えに利用するのが難しいため、keyd を使って、

左Cmd → Muhenkan
右Cmd → Henkan

へ変換し、それを Mozc で処理します。


環境

今回確認した環境は以下です。

OS: Ubuntu 26.04 LTS
Desktop: GNOME
IME: IBus + Mozc
Keyboard: NuPhy Air75
Keyboard layout: English (US)

重要なのは、日本語JIS配列ではなく US 配列キーボードを使用していることです。

Ubuntu 自体の表示言語やキーボードレイアウトも英語のままで構いません。

例えば、

System language: English (United States)
Keyboard layout: English (US)
Japanese IME: Japanese (Mozc)

という構成で使用できます。

日本語入力は Mozc が担当するため、キーボードレイアウトそのものを Japanese にする必要はありません。


やりたいこと

最終的に、US配列キーボードの左右Cmdキーを以下のように使います。

左Cmd → 英数入力
右Cmd → 日本語入力

内部的には次の処理を行います。

US配列キーボード
        │
        ├─ 左Cmd
        │    ↓
        │  keyd
        │    ↓
        │  Muhenkan
        │    ↓
        │  Mozc
        │    ↓
        │  英数入力
        │
        └─ 右Cmd
             ↓
           keyd
             ↓
           Henkan
             ↓
           Mozc
             ↓
           日本語入力

つまり、

keyd:
  左Cmd → Muhenkan
  右Cmd → Henkan

Mozc:
  Muhenkan → IME OFF
  Henkan   → IME ON

という役割分担です。


1. Mozcをインストールする

まだ日本語入力環境を入れていない場合は、まず IBus + Mozc をインストールします。

sudo apt update
sudo apt install ibus-mozc mozc-utils-gui

Ubuntu 26.04 LTS でも ibus-mozcmozc-utils-gui が公式パッケージとして提供されています。

インストール後、一度ログアウト・ログイン、または再起動します。

sudo reboot

その後、

Settings
→ Keyboard
→ Input Sources

から

Japanese (Mozc)

を追加します。

この時点では、

English (US)
Japanese (Mozc)

の2つが存在していても構いません。


2. keydをインストールする

Ubuntu 26.04 LTS では keyd が公式リポジトリからインストールできます。

そのため、以前の Ubuntu 向けの記事で紹介されていたような、

git clone ...
make
sudo make install

といった操作は必要ありません。

以下だけでインストールできます。

sudo apt update
sudo apt install keyd

サービスを有効化して起動します。

sudo systemctl enable --now keyd

状態を確認します。

systemctl status keyd --no-pager

正常なら、

Active: active (running)

と表示されます。

Ubuntu 26.04 ではコマンド名が keyd.rvaiya

ここが Ubuntu 24.04 以前の記事と異なる重要なポイントです。

Ubuntu 26.04 のパッケージでは、

keyd

ではなく、

keyd.rvaiya

というコマンド名になっています。

したがって、

keyd --version

では、

command not found: keyd

となる場合があります。

これはインストール失敗ではありません。

Ubuntu 26.04 では以下を使用します。

keyd.rvaiya --version

同様に、

keyd monitor

ではなく、

sudo keyd.rvaiya monitor

を使用します。


3. CmdキーがUbuntuでどう認識されているか確認する

US配列キーボードの左右Cmdキーが、Ubuntuでどのキーとして認識されているかを確認します。

まずは keyd 自身の monitor を使うのが簡単です。

sudo keyd.rvaiya monitor

左右のCmdキーを押します。

今回の環境では、設定前のCmdキーは、

左Cmd → leftalt
右Cmd → rightalt

に相当するキーとして認識されました。

つまり、

左Cmd = Alt_L
右Cmd = Alt_R

です。

キーボードや動作モードによって結果は異なるため、ここは必ず確認してください。

xevを使う方法

GUI上で確認したい場合は xev も利用できます。

sudo apt install x11-utils
xev

白いウィンドウが表示されるので、そのウィンドウを選択した状態で左右Cmdキーを押します。

今回の環境では次のように表示されました。

KeyPress event, ...
    keycode 64 (keysym 0xffe9, Alt_L)

KeyPress event, ...
    keycode 108 (keysym 0xffea, Alt_R)

つまり、

左Cmd → Alt_L
右Cmd → Alt_R

として認識されています。


4. なぜMozc単体では難しいのか

Mozc の設定画面は以下で起動できます。

/usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog

Mozc Settings の、

General
→ Keymap style
→ Customize

からキー設定を変更できます。

しかし、今回の環境では Customize 画面で US キーボードの Cmd キーを押しても、期待したキーとして登録できませんでした。

Ubuntu 上では Cmd キーが、

Alt_L
Alt_R

という修飾キーとして認識されているためです。

そこで、Mozc に直接 Cmd キーを認識させるのではなく、

Alt_L → Muhenkan
Alt_R → Henkan

へ一度変換します。

この変換を keyd に担当させます。

その後 Mozc で、

Muhenkan → 英数入力
Henkan   → 日本語入力

として処理します。


5. keydで左Cmd・右Cmdを変換する

設定ファイルを作成します。

sudo vi /etc/keyd/default.conf

nano を使う場合は、

sudo nano /etc/keyd/default.conf

です。

今回の環境では、

左Cmd → Alt_L
右Cmd → Alt_R

だったので、以下のように設定します。

[ids]
*

[main]
leftalt = muhenkan
rightalt = henkan

意味は、

leftalt  → Muhenkan
rightalt → Henkan

です。

つまり実際のキーボードでは、

左Cmd → Muhenkan
右Cmd → Henkan

となります。

設定を保存したら、Ubuntu 26.04 では以下で設定を読み直します。

sudo keyd.rvaiya reload

またはサービスを再起動しても構いません。

sudo systemctl restart keyd

6. keydの動作確認

設定後、以下を実行します。

sudo keyd.rvaiya monitor

左右Cmdを押します。

今回の環境では次のようになりました。

keyd virtual keyboard  0fac:0ade:...  muhenkan down
keyd virtual keyboard  0fac:0ade:...  muhenkan up

keyd virtual keyboard  0fac:0ade:...  henkan down
keyd virtual keyboard  0fac:0ade:...  henkan up

この表示になれば、

左Cmd → Muhenkan
右Cmd → Henkan

への変換は成功しています。

ここまでで keyd 側の設定は完了です。


7. Mozc側のキー設定を変更する

次に Mozc で MuhenkanHenkan に入力モード切り替えを割り当てます。

Mozc Settings を開きます。

/usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog

続いて、

General
→ Keymap style
→ Customize...

を開きます。


右Cmdで日本語入力にする

Henkan に IME ON を割り当てます。

重要なのは以下です。

Mode: DirectInput
Key: Henkan
Command: Activate IME

初期設定では、

DirectInput / Henkan / Reconvert

などになっている場合があります。

これを、

DirectInput / Henkan / Activate IME

へ変更します。

これで、

右Cmd
  ↓
Henkan
  ↓
Activate IME
  ↓
日本語入力

となります。

さらに、日本語入力中に確実にひらがな入力へ戻したい場合は、

Mode: Precomposition
Key: Henkan
Command: Set input mode to Hiragana

も設定します。


左Cmdで英数入力にする

次に Muhenkan に IME OFF を割り当てます。

最低限、

Mode: Precomposition
Key: Muhenkan
Command: Deactivate IME

を設定します。

初期状態では、

Precomposition / Muhenkan / Set input mode to next kana type

などになっている場合があります。

これを、

Precomposition / Muhenkan / Deactivate IME

へ変更します。

これで、

左Cmd
  ↓
Muhenkan
  ↓
Deactivate IME
  ↓
英数入力

となります。


8. 入力途中でも左Cmdで英数に戻せるようにする

通常の入力待機状態だけでなく、文字入力中や漢字変換中でも左Cmdを押して英数入力へ戻したい場合は、さらに以下を設定しておくと便利です。

Mode: Composition
Key: Muhenkan
Command: Deactivate IME

および、

Mode: Conversion
Key: Muhenkan
Command: Deactivate IME

です。

これにより、より Mac に近い感覚で入力モードを切り替えられます。


9. おすすめのMozc設定

最終的には以下のように設定しています。

DirectInput     Henkan      Activate IME
Precomposition  Henkan      Set input mode to Hiragana

Precomposition  Muhenkan    Deactivate IME
Composition     Muhenkan    Deactivate IME
Conversion      Muhenkan    Deactivate IME

最低限必要なのは、

DirectInput     Henkan      Activate IME
Precomposition  Muhenkan    Deactivate IME

です。


10. 入力ソースをJapanese (Mozc)だけにする

Ubuntu の Input Sources に、

English (US)
Japanese (Mozc)

の2つを登録している場合があります。

最初の動作確認中は、この状態でも問題ありません。

ただし、English (US) Input Source を選択している間は Mozc 自体が動作していないため、

Henkan
Muhenkan

を押しても Mozc のキー設定は利用できません。

そのため、今回の設定では最終的に Input Source を、

Japanese (Mozc)

だけにするのがおすすめです。

設定場所は、

Settings
→ Keyboard
→ Input Sources

です。

ここで、

English (US)

を削除し、

Japanese (Mozc)

だけを残します。

US配列はそのまま使える

ここで English (US) を削除しても、物理キーボードをJIS配列に変更するわけではありません

今回使用しているのはあくまで US 配列キーボードです。

英数字を入力するときは Mozc の、

DirectInput

を使用します。

つまり、

Japanese (Mozc)
      │
      ├─ 左Cmd → DirectInput → US配列で英数入力
      │
      └─ 右Cmd → Hiragana    → 日本語入力

という使い方になります。


11. 動作確認

ブラウザやテキストエディタを開いて確認します。

右Cmd

右Cmdを押します。

右Cmd
↓
日本語入力

例えば、

nihongo

と入力すると、

にほんご

となります。

左Cmd

左Cmdを押します。

左Cmd
↓
英数入力

そのまま、

hello

と入力すると、

hello

になります。

これで、

左Cmd → 英数
右Cmd → かな

という Mac に近い操作感になります。


トラブルシューティング

keyd: command not found と表示される

Ubuntu 26.04 では特に注意が必要です。

例えば、

sudo keyd monitor

を実行すると、

sudo: 'keyd': command not found

となることがあります。

しかし、

systemctl status keyd

では、

Active: active (running)

となっていることがあります。

これは異常ではありません。

Ubuntu 26.04 のパッケージでは実行ファイルが、

/usr/bin/keyd.rvaiya

となっています。

そのため、

sudo keyd monitor

ではなく、

sudo keyd.rvaiya monitor

を使用します。

同様に、

sudo keyd reload

ではなく、

sudo keyd.rvaiya reload

です。

まとめると、

Ubuntu 26.04

keyd --version
    ↓
keyd.rvaiya --version

sudo keyd monitor
    ↓
sudo keyd.rvaiya monitor

sudo keyd reload
    ↓
sudo keyd.rvaiya reload

となります。


keydサービスが起動していない

確認します。

systemctl status keyd --no-pager

起動していなければ、

sudo systemctl enable --now keyd

を実行します。

再起動する場合は、

sudo systemctl restart keyd

です。

ログを確認する場合は、

sudo journalctl -eu keyd

が使えます。


Mozcの設定画面が開けない

Ubuntu では mozc_tool が PATH に入っていない場合があります。

まず場所を確認します。

dpkg -L mozc-utils-gui | grep mozc_tool

通常は、

/usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog

で起動できます。


Japanese (Mozc) が表示されない

まず Mozc がインストールされているか確認します。

dpkg -l | grep ibus-mozc

入っていなければ、

sudo apt update
sudo apt install ibus-mozc mozc-utils-gui

を実行します。

その後、ログアウト・ログイン、または再起動してから、

Settings
→ Keyboard
→ Input Sources

で、

Japanese (Mozc)

を追加します。


CmdキーがAltではなくSuperとして認識される

US配列キーボードでも、キーボードの機種や Windows/Mac モードによって Cmd キーの認識方法が異なります。

例えば、

左Cmd → Super_L
右Cmd → Super_R

となることがあります。

この場合は、

[ids]
*

[main]
leftalt = muhenkan
rightalt = henkan

ではなく、環境に応じて Meta/Super 系のキーを指定します。

例えば、

[ids]
*

[main]
leftmeta = muhenkan
rightmeta = henkan

です。

キー名は環境によって異なる可能性があるので、

sudo keyd.rvaiya monitor

で実際のキー名を確認してから設定してください。


Altキーとしても使いたい場合

今回の設定では、

leftalt = muhenkan
rightalt = henkan

としているため、そのキーは通常の Alt としては使えなくなります。

これは今回使用している US 配列キーボードで、

物理Cmdキー → UbuntuではAltとして認識

されていることを前提にした設定です。

一般的な PC 用 US キーボードで、本来の左右 Alt キーにこの設定を適用すると Alt キーが使えなくなるため注意してください。

必ず、

sudo keyd.rvaiya monitor

または、

xev

で物理キーと認識されるキーの対応を確認してから設定してください。


keyd設定でキーボード操作がおかしくなった場合

keyd はシステム全体のキーボード入力を書き換えるため、設定を間違えるとキー操作が難しくなる場合があります。

その場合は設定ファイル、

/etc/keyd/default.conf

を修正するか、一時的に keyd を停止します。

sudo systemctl stop keyd

修正後、

sudo systemctl start keyd

として再開できます。


今回のポイント

今回のポイントは、US配列キーボードをJIS配列へ変更せず、そのまま日本語入力に利用することです。

構成は、

Ubuntu
  ├─ System language: English (US)
  ├─ Keyboard: US layout
  └─ Input Method: Japanese (Mozc)

のままです。

その上で、

US配列キーボード
        ↓
      keyd
        ↓
CmdキーをHenkan/Muhenkanへ変換
        ↓
      Mozc
        ↓
日本語/英数を切り替え

という処理を行っています。

具体的には、

keyd:
  左Cmd (Alt_L) → Muhenkan
  右Cmd (Alt_R) → Henkan

Mozc:
  Muhenkan → Deactivate IME
  Henkan   → Activate IME

です。


まとめ

Ubuntu 26.04 LTS でも、US配列キーボード + IBus + Mozc + keyd の組み合わせで、Mac のような、

左Cmd → 英数入力
右Cmd → 日本語入力

という操作を実現できます。

特に重要なのは、

JIS配列へ変更する必要はない

という点です。

Ubuntu のキーボードレイアウトは US 配列のまま、Mozc で日本語入力を行います。

また Ubuntu 26.04 では、keyd は apt からインストールできます。

sudo apt install keyd

さらに、コマンド名は、

keyd

ではなく、

keyd.rvaiya

なので注意が必要です。

最終的な設定は、

US配列キーボード
        │
        ├─ 左Cmd → keyd → Muhenkan → Mozc OFF → 英数
        │
        └─ 右Cmd → keyd → Henkan   → Mozc ON  → 日本語

となります。

US配列キーボードを使いながら Ubuntu で日本語と英語を頻繁に行き来する場合には、かなり快適な設定です。

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