はじめに
aespaは、韓国のSM Entertainment所属の4人組ガールズグループで、近未来的なコンセプトと高い歌唱・パフォーマンス力で注目を集めています。
今回はRapid APIを利用してaespaの全楽曲データを取得し、クラスタリング分析によって音楽的特徴を分類してみました。
「aespaの曲ってどんなタイプが多いの?」
「人気曲の傾向は?」
そんな疑問をデータで可視化していきます。
⚠️自分はただの学生のため少し間違った表現などがあるかもしれないです。それを考慮してみていただけると助かります。
データの取得
SpotifyのAudio_Featuresがなくなったため、Rapid APIを用いて曲のデータを取得しています。
取得できる主な項目は以下のとおりです。
| 項目名 | 意味 | 説明 |
|---|---|---|
| id | 曲の識別ID | Spotifyなどで使われるユニークな曲のID。1曲ごとに固有の値。 |
| name | 曲名 | 曲のタイトル。 |
| album | アルバム名 | 曲が収録されているアルバムの名前。 |
| key | 曲のキー | 音楽の調。例:「C」「D#」「F」など。 |
| mode | 長調/短調 | 長調(major)か短調(minor)かを示す。 |
| camelot | DJ用キー表記 | DJがミックスしやすいようにした「12B」「10A」などの番号表記。 |
| tempo | テンポ(BPM) | 1分間あたりの拍数(Beats Per Minute)。テンポの速さを表す。 |
| duration | 曲の長さ | 曲の再生時間(秒単位)。 |
| popularity | 人気度 | Spotifyなどでの再生数・お気に入り数に基づくスコア(0〜100)。 |
| energy | エネルギー感 | 曲の勢いや迫力の度合い(0〜100)。大きいほど激しい。 |
| danceability | 踊りやすさ | リズムやテンポの踊りやすさ(0〜100)。高いほどダンス向き。 |
| happiness | 明るさ | 曲のポジティブさ・明るさ(0〜100)。高いほど陽気な曲。 |
| acousticness | アコースティック度 | 生音(アコースティック楽器)中心かどうか(0〜100)。高いほどアコースティック。 |
| instrumentalness | インスト度 | ボーカルがない(または少ない)度合い(0〜100)。高いとインスト曲。 |
| liveness | ライブ感 | 観客の音などが含まれる度合い(0〜100)。高いとライブ録音っぽい。 |
| speechiness | 話し言葉度 | ラップやナレーションなど、話し言葉の割合(0〜100)。高いとラップ調。 |
| loudness | 音の大きさ | 全体の平均音量(デシベル単位、負の値)。0に近いほど大音量。 |
クラスタリングについて
まずクラスタリングについて知らない人も多いと思うので解説していきたいと思います。
すごくわかりやすく言うと、データを似ているもの同士でグループに分ける手法です。
今回で言うと「アップテンポで元気な曲」と「ゆったり落ち着いた曲」などに分類することを指します。
これをしていきたいと思います。
①データの標準化
各特徴量は値の範囲が異なる(0〜1を取るものや0〜100を取るものなど)ため、そのままだとクラスタリングで値の大きい特徴量の影響が強くなってしまいます。
そこでPythonのStandardScalerを使い、平均0、標準偏差1に揃えます。
簡単な例として、0〜100の特徴量を100で割って0〜1に揃えるのも前処理の一つです。
②クラスタ数の決定
クラスタ数を決めるために、エルボー法とシルエット分析を併用しました。
理由は、音楽データの場合、クラスタリングの明確な指標がなく、適切なクラスタ数を決めるのが難しいためです。
例えば、バナナとリンゴを分類するのを考えた時に、
最初から「バナナとリンゴで分類」という分類対象がはっきりしていれば、クラスタ数は2つと簡単に決められます。
しかし音楽にはそのような明確な線引きがないため、どのくらいのグループに分けるべきか判断が難しくなります。
まず始めにシルエット分析を使用しました。

こんな感じになりました。yが一番高いものを選ぶので本当は2がいいのでしょうけど、クラスター数が2つは流石に面白くないですね。見た感じ5や9も候補ですね、次にエルボー法を試してみます。
これも難しいですね。本当はグラフがカクッと折れ曲がっている場所を選ぶのですが、これはあまりないですね。強いて言えば、3、5、8でしょうか。
シルエット分析とエルボー法で一致した値として5が言えるので、今回はクラスター数を5でいきたいと思います。
③PCAによる次元圧縮
PCA(主成分分析)という手法があります。
音楽データの場合、energyやdanceability、happiness、livenessなどたくさんの特徴量(次元)があります。
これをそのままグラフで可視化するのは難しいですが、PCAを使うと重要な情報をできるだけ保ちながら2次元や3次元に圧縮して可視化できます。理由は知りません。
④クラスタリングの可視化
PCAで次元を圧縮したデータに対して、クラスタ数を5に設定してクラスタリングした結果を可視化したものです。
自分の経験上、音楽データはこの程度のまとまりになるのが一般的だと思います。
それぞれのクラスタの曲紹介
こんな感じになりました。
AIに各クラスタについて説明してと言ったらこうなりました。
| クラスタ | 紹介文 |
|---|---|
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クラスタ 0 (ハイエナジー・ハード系) |
このクラスタは、エネルギー (平均 89.8) と音圧 (平均 -1.7 dB) が全クラスタの中で最も高い、非常にハードでアグレッシブな楽曲群です。テンポ (平均 142.4) も速く、ラップパートの多さを示すスピーチネス (Speechiness) も高めの傾向があります。aespaのアイデンティティである「鉄の味」や「KWANGYA」の世界観を象徴するような、パワフルなタイトル曲やBサイドが集まっています。 |
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クラスタ 1 (グルーヴィー・ミッドテンポ系) |
このクラスタは、ダンスアビリティ (平均 71.6) が最も高いグループです。テンポ (平均 102.0) は中速で、エネルギー (平均 71.1) も中〜高程度に抑えられており、ビートに乗って体を動かしやすい、非常にグルーヴィーなポップソングが多いのが特徴です。最新のヒット曲「Supernova」もこのクラスタに含まれています。 |
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クラスタ 2 (バラード&ボーカル系) |
このクラスタは、ダンスアビリティ (平均 49.2) と明るさ (平均 32.1) が最も低く、一方でアコースティック感 (Acousticness) が最も高いグループです。テンポは速い曲も含まれますが、全体としてビートよりもボーカルやメロディを聴せるバラードや、しっとりとした雰囲気の楽曲が中心となっています。「Welcome To MY World」や「Salty & Sweet」など、独特の雰囲気を持つ曲もここに含まれました。 |
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クラスタ 3 (アウトライア/インスト) |
このクラスタは「Angel #48」1曲のみで構成されています。特徴は、インストゥルメンタル値 (21%) が全楽曲の中で突出して高く、音圧 (-10.0 dB) が極端に低い点です。これは、この曲がインストゥルメンタル(ボーカルなし)か、それに近い非常にアンビエントなトラックであることを示しており、K-meansが他のどの曲とも異なると判断し、独立させたものです。 |
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クラスタ 4 (ブライト・アップビート系) |
このクラスタは、明るさ (平均 72.0) が全クラスタの中で最も高い、ポジティブでエネルギッシュな楽曲群です。エネルギー (平均 85.5) も非常に高く、ダンスアビリティ (平均 73.7) もCluster 1に次ぐ高さです。aespaのディスコグラフィの中で、最も明るく「ポップ」な側面を持つトラックが集まっており、「Spicy」や「Next Level」といった大ヒットしたタイトル曲の多くがこのグループに分類されています。 |
少し長いので簡単に言うと
こんな感じですかね
| クラスタ | 紹介文 |
|---|---|
| クラスタ 0 | パワフルで強烈な印象の楽曲 |
| クラスタ 1 | リズムがはっきりしていて踊りやすい曲 |
| クラスタ 2 | バラードや、ボーカルを聴かせる曲 |
| クラスタ 3 | 特異点 |
| クラスタ 4 | aespaっぽい曲 |
結構いい感じにクラスタリングできたと思います。
自分はバラードが好きなのでクラスタ2に好きな曲が多いです。
時系列で分析
分析したデータを時系列で色分けしてみます。
これを元にAIで分析してもらいました。自分がやるより正確なので、、
フェーズ1:初期(2020-2022)- アイデンティティの確立
対象アルバム: Next Level, Savage - The 1st Mini Album, Girls - The 2nd Mini Album
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初期シングル:
-
Black Mamba: クラスタ4 (aespaっぽい曲) -
Forever: クラスタ2 (バラード・ボーカル曲) -
Next Level: クラスタ4 (aespaっぽい曲)
-
-
Savage (1st Mini):
-
クラスタ0 (パワフル/強烈) が
Savage,I'll Make You Cry,ICONICの3曲を占めます。 -
クラスタ4 (aespaっぽい曲) が
aenergy,YEPPI YEPPIの2曲。 -
Lucid Dreamで クラスタ1 (リズム/ダンス) が初登場します。
-
クラスタ0 (パワフル/強烈) が
-
Girls (2nd Mini):
-
クラスタ0 (パワフル/強烈) が
Girls,Dreams Come Trueの2曲。 -
クラスタ1 (リズム/ダンス) が
Illusion,Life's Too Shortと存在感を増します。 -
Lingo(クラスタ4)、ICU(クラスタ2) と、既存のスタイルも継続。
-
クラスタ0 (パワフル/強烈) が
分析 (フェーズ1):
この時期は、aespaのパブリックイメージを決定づける時期です。
Black Mamba Next Level に代表される クラスタ4 (aespaっぽい曲) と、Savage Girls に代表される クラスタ0 (パワフル/強烈) が、タイトル曲や主要なB-sideを占めています。これが「Kwangya(広野)」時代のaespaの核となるサウンド(強烈なシンセ、実験的な曲構成、パワフルなボーカル)を形成しています。
同時に Forever (クラスタ2) や Lucid Dream (クラスタ1) など、後のスタイルの萌芽がB-sideに既に現れています。
フェーズ2:転換期(2023)- "Real World"へのサウンドシフト
対象アルバム: MY WORLD - The 3rd Mini Album
-
MY WORLD (3rd Mini):
- クラスタ0 (パワフル/強烈) が、このアルバムには1曲もありません。
-
クラスタ2 (バラード/ボーカル曲) が
Welcome To MY World,'Til We Meet Again,Salty & Sweetの3曲と、アルバムのトーンを大きく特徴づけています。 - タイトル曲
SpicyとThirstyが クラスタ4 (aespaっぽい曲) ですが、これまでのクラスタ4の曲(例:Black Mamba)と比較して、より明るくポップな曲調です。 -
I'm Unhappyが クラスタ1 (リズム/ダンス) です。
分析 (フェーズ2):
これはaespaのキャリアにおける最大の音楽的転換点です。コンセプトが「Kwangya」から「Real World」へ移ったのに伴い、サウンドも劇的に変化しました。
あれほど多用された クラスタ0 (パワフル/強烈) が完全に姿を消し、代わりに クラスタ2 (ボーカル曲) が急増しています。
これは、強烈なサウンドだけでなく、メロディとボーカルを聴かせる側面を強く打ち出そうとする意図が見えます。
フェーズ3:総合期(2023-2024)- スタイルの融合
対象アルバム: Drama - The 4th Mini Album
-
Drama (4th Mini):
- タイトル曲
DramaとYOLOで クラスタ0 (パワフル/強烈) が復活します。 -
Better Things,Don't Blinkで クラスタ1 (リズム/ダンス) も健在。 -
Trick or Trick,Hot Air Balloonで クラスタ4 (aespaっぽい曲) も維持。 -
Youで クラスタ2 (バラード/ボーカル曲) も収録。
- タイトル曲
分析 (フェーズ3):
『MY WORLD』でのシフトを経て、『Drama』では「原点回帰」と「進化」の両方を見せています。
Drama (クラスタ0) でフェーズ1の強烈さを取り戻しつつ、B-sideではフェーズ2で強化した クラスタ1 (リズム) や クラスタ2 (ボーカル) もバランス良く配置しています。
この時点で、aespaは全てのクラスタ(0, 1, 2, 4)を自在に使いこなす、音楽的引き出しの多いグループへと進化しています。
フェーズ4:確立期(2024-2025)- "Rhythmic"サウンドの確立
対象アルバム: Armageddon - The 1st Album, Whiplash - The 5th Mini Album, Rich Man - The 6th Mini Album (および間のシングル)
-
Armageddon (1st Album):
-
クラスタ1 (リズム/ダンス) が
Supernova,Set The Tone,Mine,BAHAMA,Prologueと、全10曲中5曲を占めます。 -
クラスタ4 (aespaっぽい曲) が
Armageddon,Licorice,Live My Lifeの3曲。 -
クラスタ0 (パワフル/強烈) は
Long Chatの1曲のみ。 -
クラスタ2 (ボーカル曲) も
Melodyの1曲。
-
クラスタ1 (リズム/ダンス) が
-
Recent Albums (Whiplash, Rich Man, etc.):
-
クラスタ1 (リズム/ダンス) が引き続き非常に多く、
Flights, Not Feelings,Pink Hoodie,Just Another Girl,Dirty Work,Drift,Bubble,Count On Me,To The Girlsと量産されています。 -
クラスタ4 (aespaっぽい曲) も
Hot Mess,Sun and Moon,Whiplash,Kill It,Rich Manなど、タイトル曲や主要曲で健在です。 -
ZOOM ZOOMで クラスタ0 (パワフル/強烈) が久々に登場。 -
Angel #48(Rich Man収録) が唯一の クラスタ3 (特異点) となっています。
-
クラスタ1 (リズム/ダンス) が引き続き非常に多く、
分析 (フェーズ4):
初のフルアルバム『Armageddon』で、グループの音楽的方向性が決定づけられました。
Supernova に代表される クラスタ1 (リズム/ダンス) が、今やaespaのサウンドの最大の構成要素となっています。
かつての中心だった クラスタ0 (パワフル/強烈) は、今や「飛び道具」的な扱いで、使用頻度は激減しています。
現在のaespaのサウンドは、クラスタ4 (aespaっぽい曲) という独自のアイデンティティを土台にしながら、クラスタ1 (リズム/ダンス) のグルーヴ感をメインに据えていることがわかります。
総論:見える傾向
-
「強烈さ」から「リズム」への移行:
キャリア初期(Savage, Girls)は クラスタ0 (パワフル/強烈) な曲が中心でしたが、『MY WORLD』を境に激減。代わりに クラスタ1 (リズムがはっきりしていて踊りやすい曲) が急増し、特に『Armageddon』以降はアルバムの大半を占める「第2のaespaらしさ」となっています。 -
クラスタ4 (aespaっぽい曲) の一貫性:
Black Mambaから最新のRich Manまで、クラスタ4 はaespaのキャリアを通じて常に存在し続ける「核」となるサウンドです。ただし、Spicyのように、時代によってその「ぽさ」の内訳(明るさ、ポップさ)は変化しています。 -
クラスタ2 (バラード/ボーカル曲) の役割:
Foreverから始まり、各アルバムに1〜2曲必ず収録される定番のスタイルです。特に『MY WORLD』期に戦略的に多用され、グループの音楽性の幅を広げる役割を果たしました。 -
特異点 (クラスタ3) の出現:
Rich Man - The 6th Mini Albumに収録されているAngel #48が、初めて クラスタ3 (特異点) として分類されました。
(データを見ると、この曲はinstrumentalnessが21と極めて高く、loudnessが-10.0と低い、aespaの他のどの曲にも似ていないインストゥルメンタルに近い楽曲のようです。)
これは、キャリアを重ねた上で新しい音楽的実験を始めた証左と言えます。
結論として、aespaは「クラスタ0 (パワフル) + クラスタ4 (aespaっぽさ)」という初期の強烈なアイデンティティから、『MY WORLD』での大きな転換を経て、「クラスタ1 (リズム/ダンス) + クラスタ4 (aespaっぽさ)」を新たな黄金比とする、より成熟し、より多様なグルーヴを持つグループへと進化したことが、このデータ分析から明確に読み取れます。
いやーまじでその通り過ぎてビビりますよね。
個人的にMY WORLDが出たあたりでコンセプト変わったなと思ったので、その通りの結果が出て納得ですね。
最近は音楽の特徴が変わりすぎているので、個人的にはKwangya系の音楽戻ってきて欲しいですね。
まとめ
今回の分析を通して、aespaの音楽が時期ごとにどう変化してきたかをデータで見られたのがとても面白かったです。
結果を見てみるとちゃんと時期ごとの変化やコンセプトの違いが出ていて驚きました。
特に印象的だったのは、
初期の頃は クラスタ0(パワフル系) と クラスタ4(aespaっぽい系) が中心で、世界観を強く打ち出していたこと
そして『MY WORLD』以降は一気に クラスタ1(リズム/ダンス系) が増えて、音が柔らかくなっていること
です。
個人的には、クラスタ2(バラード/ボーカル系) の曲が好きで、Welcome To MY WorldやFlowers、Foreverなどの雰囲気がすごく好きです。
なので『MY WORLD』の時期の音楽が自分的には一番刺さりました。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
免責事項
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記事内で行った分析や解説は、あくまで個人の見解やAIを用いた結果に基づくものであり、正確性や完全性を保証するものではありません。



