269
255

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

vimdiffでより賢いアルゴリズム (patience, histogram) を使う

Last updated at Posted at 2014-10-27

>>>>>>> 2019.01.05 追記ここから

vim 8.1.0360 以降では vim に diff の機能が内蔵されたため、この記事に書いたことは vim の設定のみで実現可能になりました。(@tsuyoshi_cho @fumiyas 情報ありがとうございました。)

~/.vimrc
set diffopt=internal,filler,algorithm:histogram,indent-heuristic

vim 内蔵の diff を使う internal 指定は diffexpr がセットされていると無視されてしまうので注意してください。また、 algorithm:アルゴリズム名 に加えて、差分の位置を最適化する indent-heuristic も指定しておくのがおすすめです。
もし diffchar.vim をお使いの場合、 diffexpr がセットされないように let g:DiffExpr = 0 も書いておく必要があります(diffchar.vim については別途記事を書いています)。

<<<<<<< 2019.01.05 追記ここまで

vimdiff使ってますか?差分を取る際には非常に便利ですよね。git difftoolに設定して使っている人も多いと思います。しかしgit diffは差分計算のアルゴリズムを選択できますが、vimdiffはデフォルトでは差分計算のアルゴリズムを選択できません。

git diffの差分アルゴリズムには標準のもの以外にpatienceやhistogramがあり、より人間に読みやすい差分を表示してくれる「賢い」アルゴリズムになっています。それぞれgit diffコマンドのオプション--patienceや--histogramを付けるか、または~/.gitconfig設定ファイルにアルゴリズムを指定することで利用できます。

具体的なアルゴリズムの詳細は僕も詳しくないですが、patienceアルゴリズムは「ファイル内でユニークかつ比較ファイル同士で一致する行をなるべく"変化していない行"と認識する」よう働きます。また、histogramアルゴリズムは「patienceアルゴリズムの基本的ルールを継承しつつ高速化を図ったアルゴリズム」で、多くのファイルでpatienceアルゴリズムと同一の結果が得られるようです。また、histogramアルゴリズムはEclipseに統合されたGitクライアントEGit(が使うJGit)の標準アルゴリズムです。僕はコマンドラインツールのgit diffにおいてもhistogramアルゴリズムを使ってます。

さて、vimdiffにおいてもhistogramアルゴリズムを使いたいところです。vimの設定ではvimdiffの差分計算に使用するコマンドをdiffexprという設定値で指定できます。そして、git diffコマンドも--no-indexオプションを指定することでdiffコマンドと同じようにスタンドアロンツールとして利用できます。じゃあ、diffexprにgit diff --no-indexを指定すればいいのか・・・というと実はそれだけでは失敗します。

理由は、vimがdiffexprに設定したコマンドから受け付ける差分形式が、diffコマンドのnormal形式かed形式でなければならないからです(vimのヘルプにはed形式とだけ書いてあるのですが、normal形式も受け付けます)。そして、git diffコマンドでは直接diffコマンドのnormal形式やed形式で出力することができずunified形式のみに対応しています。

そこで、unified形式をnormal形式に変換するrubyスクリプトを書いて使うことにしました。以下がその変換スクリプトです。利用にはrubyが必要です。

~/bin/git-diff-normal-format
#!/usr/bin/env ruby
iwhite = ''
if (ARGV[0] == '-b')
  iwhite = ARGV.shift.dup << ' '
end

diffout = `git diff --no-index --no-color -U0 #{iwhite}#{ARGV[0]} #{ARGV[1]}`
diffout.sub!(/\A.*?@@/m, '@@')
diffout.gsub!(/^\+/, '> ')
diffout.gsub!(/^-/, '< ')
diffout.gsub!(/^@@ -(\d+)(?:,(\d+))? \+(\d+)(?:,(\d+))? @@.*/) do
  before_start = $1
  before_size = $2
  after_start = $3
  after_size = $4

  action = 'c'
  if (before_size == '0')
    action = 'a'
  elsif (after_size == '0')
    action = 'd'
  end

  before_end = ''
  if (before_size && before_size != '0')
    before_end = ",#{before_start.to_i + before_size.to_i - 1}"
  end

  after_end = ''
  if (after_size && after_size != '0')
    after_end = ",#{after_start.to_i + after_size.to_i - 1}"
  end

  "#{before_start}#{before_end}#{action}#{after_start}#{after_end}"
end
diffout.gsub!(/^(<.*)(\r|\n|\r\n)(>)/, '\1\2---\2\3')
print diffout

上記スクリプトを~/bin/git-diff-normal-formatとして保存し、~/binにPATHを通しておきます。そしたら、.vim設定ファイルに次の記述を追加します。

~/.vimrc
" diffのコマンド
set diffexpr=MyDiff()
function MyDiff()
  let opt = ""
  if &diffopt =~ "iwhite"
    let opt = opt . "-b "
  endif
  silent execute "!git-diff-normal-format " . opt . v:fname_in . " " . v:fname_new . " > " . v:fname_out
  redraw!
endfunction

最後に、git diffで使うアルゴリズムを指定します。下記記述ではgit difftoolで起動するコマンドにvimdiffを指定する設定も一緒に行っています。

~/.gitconfig
[diff]
  tool = vimdiff
  algorithm = histogram

これでvimdiffやgit difftoolを実行した時にhistogramアルゴリズムが使えるようになります(patienceを使いたい場合は、上記設定のalgorithmの値をpatienceに変えてください)。

では具体的な効果を見てみましょう。サンプルとして用意した2つの比較対象のファイルをvimでウィンドウを分割して並べたものが下の画像です。

スクリーンショット 2014-07-07 19.04.36.png

まずは、今回の設定をする前、デフォルトのアルゴリズムでvimdiffによる差分をとった結果が以下です。

スクリーンショット 2014-07-07 18.58.18.png

そして、今回の設定をした後の、histogramアルゴリズムでvimdiffによる差分をとった結果が以下です。

スクリーンショット 2014-07-07 18.59.32.png

こちらのほうが、より差分内容も分かりやすく、かつ実際に手で行った変更の操作に近いものになっていますね。
※ちなみにこのvimdiffの色設定は過去に書いたこの記事を参照。

自分のブログより転載。(一部をQiita用に修正)

269
255
8

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
269
255

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?