はじめに
- 先日(2021/05)PMPの資格更新を行ったと思ったら、もう次の更新時期になってしまいました…。3年って早いですね。
- 前回(2021/05)の更新記事に続き、今回も自分の備忘録兼ねて、更新した内容をアウトプットしておきます。
- なお、前回と同じくですが、こちらは「(2024年時点での)PMP資格の更新」についての記事になりますので、「PMPとは何ぞや」や「PMP取得方法」などについての内容は記載しておりません。ご承知おき下さいませ。
PMP の資格更新について(CCRプロセス)
- おさらいです。前提としてPMP資格取得者は、資格維持のためにPMPを取得した日から3年単位(CCRサイクルと呼ばれます)で継続的な学習をすることが求められます。
- PMP資格の取得者は3年間で60時間の継続学習(PDU)を行い、プロジェクトマネジメント協会(PMI)に申請して認められないと資格を更新できません。(1PDU≒おおよそ1時間の活動)
- ここら辺のことは、CCRハンドブック(2023年12月22日改訂版) に詳しく記載されておりますので詳細はそちらを確認ください。一応、当該箇所を抜粋しておきます。
CCRプログラムの概要
PMIのCCRプログラムは、資格保有者の継続的な学習活動および専門職としての能力開発を支援し、今日の複雑なビジネス環境の要求を常に満たすために用意されています。CCRプログラムの目的は以下のとおりです。
■ 資格保有者の継続的な学習と職務能力開発を強化すること
■ 資格認定を受けた実務者の妥当性を確保するために、職務能力開発分野の方向性を提示すること
■ 個別学習の機会を奨励し評価すること
■ 専門能力開発活動を実施し記録する仕組みを提供すること
■ PMI資格の世界的な認知と価値を維持すること
PMI資格を取得したすべての人は、CCRプログラムへの参加と資格の更新を通じて積極的に資格を維持する必要があります。PMP、PgMP、PfMP、PMI-PBA、PMI-ACP、PMI-RMP、PMI-SP、CAPM資格の更新サイクルは3年、ディシプリンド・アジャイル関連資格の更新サイクルは1年です。
専門能力開発活動や学習活動に参加することによって、資格保有者はPDU(Professional Development Units)を取得することができ、それによって資格更新条件を満たし、最終的には実務者としてさらに成長することができます。
-
CCRハンドブック(2023年12月22日改訂版) から、更新についてのプロセス(CCRプロセス)についても抜粋しておきます。
前回(2021年)からの更新点
- 上記踏まえて、前回(2021年)更新からの大きな変更点として、2022年5月に、米国PMIよりPMP、CAPMの資格継続に関する「CCR(資格継続要求)」がアップデートされ、その中で「PMIタレントトライアングル」が併せて改定されました。
プロジェクト専門家が今日の仕事の世界における変化に対応し、よりスマートな働き方を採用できるようにするために、PMIではPMIタレント・トライアングル®の各要素を見直し、「働き方」(旧「テクニカル・プロジェクトマネジメント」)、「パワースキル」(旧「リーダーシップ」)、「ビジネス感覚」(旧「ストラテジック&ビジネスマネジメント」)へと変更しました。
- 各項目の内容について、CCRハンドブック(2023年12月22日改訂版)も含めて以下記載しておきます。
- Ways of Working(働き方):(旧 Technical Project Management)
- 仕事(プロジェクトなど)に応じた適切なアプローチ(予測型、アジャイル、新しい手法など)を用いて成果を上げることができるスキルです。そのために様々な働き方・仕事の進め方を経験し、適切なタイミングで適切なテクニックを適用できることが求められます。
働き方:今日、仕事のやり方に唯一の正解がないことは明らかです。PMIでは、しかるべき技法をしかるべき場面で利用することによって優れた結果を出せるようになるために、できるだけ多くの働き方をマスターすることを奨励しています。
- Power Skills(パワースキル):(旧 Leadership)
- Power Skills(パワースキル)は、協調的リーダーシップ、コミュニケーション、革新的マインドセット、目的志向、共感力などの対人関係スキルに該当します。これらのスキルを身につけることで、チームはさまざまなステークホルダーに対して影響力を維持することができます。
パワースキル:パワースキルとは、協調型リーダーシップ、コミュニケーション、革新的マインドセット、目的指向、共感力といった人間関係のスキルを指します。これらのスキルを持つチームは、さまざまなステークホルダーに対する影響力という、変化を起こすために不可欠な要素を揺るぎないものにできます。
- Business Acumen(ビジネス感覚):(旧 Strategic and Business Management)
- Business Acumen(ビジネス感覚)は、組織や業界におけるマクロとミクロの影響力を理解し、適切な意思決定を行うための機能またはドメイン固有の知識を持つことを意味します。あらゆるレベルのプロフェッショナルには、効果的に意思決定を行い、自分たちのプロジェクトが組織全体の戦略やグローバルなトレンドなどの全体像とどのように整合しているかを理解できるスキルが求められています。
ビジネス感覚:あらゆるレベルのプロジェクト専門家は、担当するプロジェクトがさらに大きな組織戦略や世界的トレンドの全体像とどのようにかみ合っているのかを理解して、効果的な意思決定を行うことができなければなりません。
PDU取得方法
- これも結局、CCRハンドブック(2023年12月22日改訂版)を見るのが一番分かりやすいのですが、PMPに関する必要なPDUの各項目の値は以下の通りです。基本的には大きく分けて2つ、「Education(教育)」と「慈善活動(ギブバック活動)」のどちらかの項目からPDUを取得します。
- なお、以下CCRハンドブックにも記載がありますが、ギブバック活動はあくまでオプションです。よって「Education(教育)」の項目のみでも更新は可能です。今回は「Education(教育)」の中の「Read(読書)」のみで更新しています。
ギブバック活動によるPDUは必須ではなく、あくまでもオプションとして取得できるPDUであることに注意してください。先に示した表に記載されているギブバック活動によるPDUの条件は、このカテゴリのそれぞれの資格で認められているPDU数の上限です。ギブバック活動によるPDUを取得する場合、PDUの合計数は先に示した表に記載されている制限を超えてはいけません。
- 各項目それぞれのPDU取得に関しては、以下を参考にしてください。
実際に私が申請したPDU内訳
Read
- 表題にもある通り、私はEducationのRead(読書)のカテゴリだけで更新しました。
- 読書の項目についての説明は以下の通りです。(CCRハンドブック(2023年12月22日改訂版) )
読書(Read)
持っている資格に関連する書籍の自主的な読書
読書は学習の貴重な要素です。そして、専門職に関連する文献は多数存在します。書籍や記事、ホワイトペーパー、ブログを読んで常に最新の情報に触れることは、専門職としての能力を継続的に開発するための助けになります。利用できるコンテンツの一部は以下で確認できます。
■ PMIのオンラインストア
■ ProjectManagement.com
PDU規則:
■ 1時間の学習は1PDUに相当します。
監査で必要とされる書類:報告する学習活動を実施した証拠(実施した活動の概要と日付を含む)
- 読書(Reading PDU)のカテゴリでPMPのPDUを申請する場合は、申請の審査を行うPMIのあるアメリカが出版元、且つ翻訳されて日本語で出版されている本が監査の対象にもなりにくいという話があり、前回(2021年)更新時は割とアメリカ出版元の本にしていましたが今回は日本が出版元の本も申請しました。
- ちなみに以下リストの本については、私の場合は一度も審査は入りませんでした。(基本的に申請したら即時に承認 (approved) されました)
- ただし、こちらも前回と同じくですが、監査はランダムで行われているという話もあるので、読書でPDUを申請するときにも監査が入った時の準備(読書にかかった時間と、読書した本がプロジェクトマネジメントにかかわるどのような内容かのメモ)は必ずしておくことをお勧めします。
- 各本のカテゴリとPDUについては、あくまで私の読んでみての理解になりますので、あくまで参考として頂ければ幸いです。
Titlle | Author | Ways of Working | Power Skills | Business Acumen |
---|---|---|---|---|
新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング | 唐木 元 | 0 | 3 | 6 |
限りある時間の使い方 | オリバー・バークマン | 6 | 0 | 0 |
RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる | デイビッド・エプスタイン | 0 | 5 | 3 |
amazon 世界最先端の戦略がわかる | 成毛眞 | 0 | 0 | 8 |
強いチームはオフィスを捨てる | ジェイソン・フリード, デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン |
0 | 3 | 5 |
ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント | リチャード・シェリダン | 0 | 3 | 5 |
HIGH OUTPUT MANAGEMENT | アンドリュー・S・グローブ | 2 | 4 | 2 |
熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理 | トム・デマルコ | 6 | 0 | 0 |
ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 | ジェームズ・クリアー | 6 | 2 | 0 |
PMP の更新方法
- 実際のPMPの資格更新にあたって、主に手続きの手順を載せておきます。
基本的に前回(2021年)と同じです、幾つか画面キャプチャだけ載せておきます。
1. CCRS Dashboardにアクセス
- 60 PDU取得した後、更新案内のメールが届くので確認しましょう。
- メール件名は「Congratulations [名前], you’ve been approved for renewal」でした。
2. 更新手続き実施
-
メール内の「Renew My PMP」のボタンをクリックすると、購入画面に遷移します。
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次の画面で、メールアドレス、住所、支払うクレジットカード情報が出力されるので内容を確認し、問題なければ更新料($60)を支払います。私の場合はおそらくPMIの会員情報から引っ張ってきた情報がそのまま自動入力されていました。
3.更新の確認
-
更新手続きが完了するとすぐに「Congratulations. you have renewed your PMP」という件名のメールが届きます。
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CCRSダッシュボードに再度アクセスすると、”Cycle Complete”に表示が変わっていることが確認できます。また、画面右側に”Renewed On:”と更新日が表示されます。
以上でPMP更新手続きは完了です。お疲れさまでした。
さいごに
- PMP更新にあたっての、60PDU取得内容と、2024/11 現在の更新手続きについて記載しました。基本的に資格更新に関する情報は、基本的にCCRハンドブック(2023年12月22日改訂版) に全て記載されているので、まずそちらを読むのが良いと思います。
- 更新手順という意味合いでは基本的に前回(2021年)時と変わっていませんでしたが、大きな変化としてPMIのタレントトライアングルが更新され、特に自分も感じる世の中の特にビジネスに関しての変化(より流動的にスピーディーに)に、資格としてアップデートして追従しようとしているのはすごいなと感じました。
- 個人的にPMPは資格更新のタイミングで、(仕組みとして強制的に)知識をアップデートすることが出来るのでありがたいです。現状は直接プロジェクトマネジメントの知識をそれほど活かす業務内容ではないものの、色々と普段は手に取らないような本を読むことが出来てとても良い経験になりました。自身の仕事面に活かせるように内容を腹落ちさせようと思います。
- それではみなさん、3年後にまたお会いしましょう。