この記事は カオナビ Advent Calendar 2025 シリーズ3 16日目です。
私たちのチームは今、直近チームに合流した新メンバーから 「今までの現場で一番チームが一丸となっている感がある」 と評されるくらいに良い状態です。
しかし半年前、チームを立ち上げた当初私たちのチームは文字通り「問題だらけ」でした。
- 根拠のない楽観的な見積もりが跋扈し、デリバリーができない
- ミーティングでは誰も発言せず、ファシリテーターだけが空回り
- テストフェーズで正常系すら動かないコード品質
まさにプロセスも、文化もまさに バグの塊 と言えるような状態でした。
この記事では、そんな状態からいかに「プロセスと文化のデバッグ」を行い、現在の「一丸となったチーム」へと繋げることができたのか、その全貌をお伝えします。
📉 成功への道は「絶望の可視化」から始まった
私たちはこの「問題だらけ」の状態をどう乗り越えたのか?
最初の転機は、希望を捨てて事実と向き合ったところから訪れました。
タスクを細分化し、プランニングポーカーによる相対見積もりを導入。
実績ペースを算出した結果、2スプリント目に「今のペースでは絶対間に合わない」という乖離が判明しました。
早期にこの「バグ」の深刻さを知ったからこそ、私たちは現実的な対策へと舵を切ることができました。
💪 次々と現れた適応課題たち
現実を見てカイゼンを始めたチームは、様々な成長の壁にぶつかり続けました。
その度に私たちはふりかえり、むきなおり、前進を続けてきました。
💬 沈黙文化を変えた「痛みの共有」
まずはチームの最大の問題であった「ミーティングの沈黙」を打破するために、私たちは 「ファシリテーターの週替わり交代制」 を導入しました。
全員がファシリを経験することで、「無反応の辛さ」という痛みについてみんなが自分事として捉え直すことができたことで、自発的な発言が生まれる文化へと変わりました。
💥 停滞の台地を突破させてくれたマネージャーの「問い」
毎週プロセスのカイゼンを重ねた結果、おおよそ1ヶ月経つ頃にはチームは一定の品質と期間でデリバリーができるようになってきました。
しかしここで、「ふりかえりでカイゼンすべきことが出てこない」という今までとは別種類の課題にぶつかりました。
そんな停滞の台地を突破するきっかけとなったのはチームのマネージャーの
「現状に満足しているんじゃないの?」
という一言でした。
この一言をきっかけに、私たちは自身の前提から疑うことで更に成長を重ねることができるようになりました。
🖐️ 属人化との訣別
2ヶ月が経過したころ、我々のチームは勢いづいていました。
しかし同時にメンバーの負荷が高く、このままの速度を維持するのは現実的でないのも明らかでした。
そこでマネージャーに改めてチームへの増員を打診、適切なリソースを獲得したことで、 「個人の頑張り」ではなく「チームという仕組み」で問題を解決 することに成功しました。
足りないものは自ら獲得していく、そんな文化がこの頃からチームに根付いたように思います。
✨ 「バグまみれのチーム」から「学習するチーム」へ
この半年間でチームの立ち上げ期にあったバグは劇的に改善しました。
- 楽観見積もりバグ:タスク分解と知見の共有から根拠ある見積もりが可能になり、デリバリースケジュールの確約ができるようになった
- 沈黙のミーティングバグ:全員が活発に発言し、対話の文化が根付いた
- 品質バグ:QAと開発者の事前の観点すり合わせや、デザイナーによる受け入れテストの実施により深刻なバグがテストフェーズで発見されることが減り、バグの内容も軽微なものに留められるようになった
私たちはこの「チーム自身のデバッグ」を通して、不確実性と向き合い、失敗から学び、成長する方法を知りました。
現在はチームの日々の活動の中で、
- 「不安ならモブ・ペアワークしよう」というコミュニケーションが自然発生
- デザイナー主催のドメイン知識勉強会を週次で開催
- QA主催の探索的テストの場を隔日開催
- 各メンバーが気になったブログ記事やスライドを朝会の時に輪読
といったコラボレーションが行われ、週次のふりかえりでも何気ないアイディアから派生して次のアクションが生まれ、自律的なカイゼンサイクルが回るようになっています。
今後も様々な困難が待ち受けていると思いますが、
自身のデバッグ方法を知ったこのチームであれば、きっと乗り越えていける
そう思わせてくれる素敵なチームと一緒に働けることが、今はとても誇らしく感じています。
おわりに
今、あなたのチームはうまくいってますか?
うまくいっていても、いっていなくても、目の前のチームと向き合って進んでいけばきっと道は開けるはず。
平坦な道のりではないかもしれませんが、絶望や現実と向き合いながらも毎日少しずつよくしていけば、きっと半年後には違った景色を見られるはずです。
この記事が現場で奮闘するチームリーダーや悩める開発者を少しでも勇気づけることができれば幸いです。